あんときのフィルムカメラ 佐渡友陽一『動物園を考える』東京大学出版会 + LOMO LC-A
動物園を考える
先日、佐渡友陽一さんの『動物園を考える 日本と世界の違いを超えて』(東京大学出版会、2022年)を読み終えましたが、実に痛快な一冊でした。
そもそも私たちは動物園について正確な理解をもっているのか問われれば、「動物園とは何か」について正確に答えることは難しいのではないかと僕は考えています。僕自身そうですが、断片的な記憶や理解はあるものの、それはいっぺんのイメージに過ぎず、体系的あるいは概論的には理解できていないのではないかと思います。
そうした間隙をつくのがこの『動物園を考える』ではないかと思います。読了後には、インスタグラムで以下のようにまとめてみました。
まあ、思えば、僕も子どもを授かってから、毎年、家族で上野動物園に行っていたことを思い出しましたが、たしかに、家族や遠足で行く場所ではありますね。
ただ、冒頭で示した通り、その「何か」についての理解は曖昧という事実は、私たちがそのことがらについてはあらためて考えるまでもないと思っている日々の暮らしの中身というものは、あらためて注目してみると、実はほとんど正確な理解ができていないという事実をも照示しているのかもしれません。
動物園で働きたい人のために
さて、本書を読み直すなかで動物園についてのイメージが立体的になりましたが、本書は、これから動物園で働きたい人のためにも書かれたアドバイスともなっています。なぜなら
著者の現状指摘は正鵠を射るものですから、こうしたアドバイスとして記述するのは当然となりますが、それでも数々のアドバイスのなかでも、僕自身「灯台下暗し」だなあとあらためてつきつけられたのは、次のメッセージです。
言われてみれば「確かに!」ということですが、言われてみるまではわからなかったということは、実は気がついてもいなかったということと同義ではないかと僕は考えています。ということは、「確かに!」と改めて気が付いたのではなく、そこで初めて気づいた記述するのが正確ではないでしょうか?
こうしたご認識って動物園の普通自動車免許以外にも多くあるのではないでしょうか。僕の趣味の1つであるカメラに関しても同じです。実際に触ってみるまでは、わかっていなかったということがよくあります。
意外とよく写るトイカメラ
さて、今回、撮影で使用したのは、あの有名なロシアのトイカメラLOMO LC-A。発売は1980年代と聞きますが、1990年代後半のフィルムカメラブームのなかで非常によく売れたカメラです。
当時の僕は、興味はあったものの結局手にすることがなかったのですが、2021年の晩秋に程度のよいものを格安で手に入れましたので、撮影で使用してみました。
カメラのスペックとしては、Minitar 1 32mm f2.8 レンズ 絞りf 2.81~16 シャッタースピード1/500までの、被写体までの距離を目測で合わせれば、露出優先、もしくはオートで撮影できるコンパクトカメラです。
実際に、現像されるまでは、歪曲収差がどうのこうの、あるいは周辺光量落ち云々のものすごいトイカメラというイメージしかありませんでしたが、実際に撮影された写真を手にとって見ると、
意外とよく写っているじゃん!
というのが僕のファーストインプレッションというところでしょうか。今回はフルオートではなく、露出だけ自分で調整しながら撮影しましたが、これが画作りを自分自身で調整するうえで便利で、軽快に撮影することができました。
このトイカメラ、意外とやるじゃん!
ということですが、ひょっとすること「個体差」かもしれませんがね。そしてほとんど絞りをf5.6で撮影しましたが、f5.6ってやっぱり間違いのない絞りですね。
しかし、そろそろ撮影するだけでなく、「なぜ撮影するのか」についても深く考察することが必要かもとか考えています(笑
撮影は2022年1月17日から2022年1月23日にかけて。フィルムはKodakのネガフィルム「Pro Image 100(プロイメージ100)」を使用。香川県仲多度郡多度津町、三豊市、丸亀市、高松市、高知県須崎市、四万十市で撮影しました。高松市は主として四国村での撮影です。真冬の四国路です。