あんときのデジカメ 「麦青む」讃岐の春の情景 with Nikon COOLPIX S50
(はじめに)三寒四温のこの時期は、着るものに迷う季節ですが、そんな人間の思惑とは関係なく植物は目まぐるしく成長しています。ほんの青草だった麦は今では立派な青麦です。そんな讃岐の春の情景を「ブレないスリム」なニコンのコンデジでスケッチしてみました。
青草から青麦へ
これまではあまり気に留めていなかったのですが、3月という季節の成長の速さに驚いております。季節で言えば初春であり、三寒四温の時節といってよく、僕としては、毎年その寒暖の差に頭を悩ますのが3月です。
日中は汗ばむような陽気に包まれることもあれば、朝夕は初冬を思わせるかのような冷え込みに凍えることもしばしばですよね。
いったい、何を羽織ればよいのやらと悩むのがこの季節の問題です。
しかし、僕が衣類に頭を悩ますこととは対照的に、植物の生育は一直線しているように感じます。
例えば、麦ですが、3月のはじめには、まさに「青草」のような状態でしたが、1ヶ月も経たずに、気がつけば、それは「青麦」に成長しているではありませんか。
ちょっとびっくりしてしまいますよね。
よく写ってしまうニコン
さて、こうした季節の麦を「麦青む」というそうです。麦は、秋に種を撒き、冬に芽吹き、春に若葉を伸ばします。まだ春の景色が整わないなかで、畑一面に芽吹く麦の若葉の「緑」、すなわち「青」ということですが、その姿とは実に目に鮮やかというほかありません。
今回は、その鮮やかさをニコンのコンパクトデジタルカメラで記録してみましたが、ニコンのカメラを使うといつも実感するのは、
よく写ってしまう
という一言に尽きます。
ニコンのカメラを選んで集めているわけではなく、そしてニコン党とキヤノン党の党派対立とも無縁であるという自己認識で、どちらかと言えば和製カメラで言えば富士フイルムやSONYなんかを好んで選んでしまうのですが、手にとるそれが、たかだが入門機のコンデジであったとしても、ニコンのそれはよく写ってしまうことに、やっぱり、驚きを隠すことができません。
しかし、贅沢な補足を入れるとすれば、「よく写ってしまう」ぶん、面白さにかけるというのも事実と感じてしまうのは、僕が天の邪鬼だからでしょうか……ねぇ。
癖があるカメラだとその癖を使いこなす創意工夫に楽しみがあるという話ですが、やはり何かを記録するという意味では、「よく写ってしまう」カメラのほうが良いのですけれどもね。
ニコンの「キレイに持てるブレないスリム」
今回の撮影行で利用したのは2007年製のニコンのコンパクトデジタルカメラ COOLPIX S50です。「キレイに持てるブレないスリム」をキャッチコピーにしたスタイリッシュラインのコンデジで、入門機にあたるクラスになるのではないかと思います。そのまんまのエントリークラスというよりは、仕様はそのままでちょっとお洒落といったところでしょうか。そしてデザインもニコンらしい質実剛健とはちょっとかけ離れた感じですね。
では簡単にスペックを紹介します。撮像素子は720万画素1/2.5型原色CCD、レンズは、35mm判換算で38-114mm相当の光学3倍ズームニッコールレンズです。手ブレ補正は、レンズシフト方式(VR)で、レンズが唸っています。思えばちょうどこのころから手ブレ補正が実装されたカメラが多くなったように記憶しています。撮影しているとたしかに「キレイに持てるブレない」というキャッチコピーそのままで、フォールディングの良さが意外で驚いています。
ニッコールレンズの明るさは、F3.3-4.2と開放域では暗めですが、望遠端では4.2と明るく、入門者には便利な設計ではないかと思います。
使用感は、前述した通り、全域でよく写るという印象です。使用したSDカードの問題かも知れませんが、書き込みがやや遅いのかなという感をいだきましたが、これは時代的限界なのかも知れません。
それなりによく写るのだけれども、まんま入門機という「初心者まるだし」というよりはワンクラス上を狙う、しかし、THEカメラマン的なプロフェッショナリズムとは一線を画したい人にはおすすめのカメラですね。
そんなスタイリッシュなカメラで今回は讃岐の青麦を撮影してみました。以下作例です。拙い写真ですが、ご笑覧下さればと思います。
今回の撮影行でお世話になったのは「いきいきうどん 善通寺店」さんです(香川県善通寺市与北町下西原3242-1)。「風味豊かなシャキシャキ九条ねぎをたっぷり」というちょっとめずらしい「九条ねぎうどん」の肉入りをちょうだいしました。ネギの風味が豊かで病みつきになりそうですねえ。
ということで撮影データ。プログラム撮影、ISO100、ホワイトバランスオート、露出補正なし。画像は3072×2304(高画質)で保存。撮影は2020年3月23日。撮影場所は香川県善通寺市。
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氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。