あんときのフィルムカメラ 和製ズミクロンの写りやいかに konica Acom-1 + HEXANON AR 50mm F1.7
和製なんとか
「和製なんとか」といった言葉がありますよね。
カメラやレンズの世界で言えば、「和製ライカ」だとか「和製ズミクロン」という言葉です。
意味としては、前者は、ドイツのカメラメーカーエルンスト・ライツの「ライカ」の「コピー」カメラといった意味で使われます。後者は、コピーというよりも、どちらかといえば、こちらも同じライツの名レンズ「ズミクロン」の「ように」よく写るレンズといった意味で使われていることが多いと思います。
同じ「和製」(そして「製」の前には、和だけじゃなく「米」や「ソ」なんて言葉も使われますが)という言葉ですが、要するに、どこそこで何かを真似して作られたという言葉の使い方です。
しかし、面白いなあと思ってしまうのは、同じ言葉を宛てながらも、単なるコピーとして流通したかと思えば、それのように素晴らしいものとして流通するのかと思えば、面白いなあと考え込んでしまうのは、まあ、僕だけじゃないことを、少しだけ祈ってみたりしてみたり……。
改めて「和製ズミクロン」のおはなし
改めて「和製ズミクロン」に戻ります。和製ズミクロンと聞けば、どのようなレンズが思い浮かび上がるでしょうか?
ペンタックスKマウントのXR RIKENON 50mm F2
あるいは、
コニカKMマウントという名のライカMマウントのM-HEXANON LENS 50mm F2
あたりが有名でしょうか。
あいにくどちらも持ち合わせていませんが、後者でしたら、レンジファインダーのkonicaIIIA搭載の HEXANON 50mm f1.8 あたりも有名です。
とにかくkonicaの銘レンズHexanonの評判はよく、一度は使ってみたいと考えていましところ、konicaのARマウントの一眼レフカメラ Acom-1 に HEXANON AR 50mm F1.7 のセットが格安で販売されていましたので、ここはゲットしないとまずいわな、という感じで1月中旬に購入してみました。
「愛情コニカ」とのキャッチコピーで1976年に販売されたカメラで、一眼レフを普及させようとの意図だったと聞きます。確かに小さく軽量で「機械式一眼レフ」としては使いやすいカメラですが、1976年の製品としては「古さ」は否めません。ここらへんがちょっと「残念」といえば言い過ぎですかね。
久しぶりの35mmフィルムの一眼レフカメラ
この連載も3回目となりますが、初の一眼レフのカメラとなります。
僕としては初めて手にとったカメラがキャノンのレンジファインダーカメラのCanonet GIII QL17 で、意識的にカメラを趣味とするようになって初めて購入したのがバルナックライカのIIIfだったこともあり、僕にとってのカメラの基本というのがどうしてもレンジファインダーになってしまいます。
カメラと言えば一眼レフのイメージが召喚されるのは事実だろうとは思いますが、まあ、その原型というのは、そう一枚岩ではないのかも知れませんね。
まあ、このことはカメラのイメージに限定されるものではなく、あらゆる事柄についての「定番」がそうではないということを、頭の片隅のなかのどこかにおいておきたいと考えてみたりもします。
さて、コニカのAcom-1+HEXANON AR 50mm F1.7 です。
ARマウントといえば、45mmのパンケーキレンズが有名ですが、こちらはいわゆる無印の標準レンズキットとでも言えばいいでしょうか。
先に言及したとおり機械式の一眼レフとしては小型軽量で扱いやすく確かに普及機としての完成度は高いカメラではないかと考えますが、それでも1976年発表販売の製品としては、シャッタースピード優先or絞り優先あたりを搭載していてもいいんじゃないの? とは考え込んでしまいます。
次にレンズです。35mmフィルムカメラのコニカの製品は、C35flashmaticと初代BIGMINIといったレンジファインダーカメラを使ったぐらいで、本格的なそれは初めてとなります。購入後富士フイルムのミラーレス一眼カメラのX-Pro1に装着して、ボケの穏やかさ、あるいはナチュラルさ、絞り込んでのキレの良さに驚き、カメラにフィルムを装填して撮影してみましたが、いかがでしょうか。
僕自身はへっぽこカメラマンという自己認識ですが、やっぱり一眼レフの合焦が難しく(二重像合致式のほうが得意)、ちょっとピンぼけ、露出ミス等など多いのですが、以下作例です。
↑ f1.7 1/1000
↑ f5.6 1/1000
↑ f5.6 1/1000
↑ f4 1/1000
↑ f2 1/125
↑ f16 1/125
↑ f5.6 1/1000
↑ f16 1/60
↑ f11 1/60
↑ f5.6 1/500
↑ f16 1/250
↑ f2 1/1000
↑ f8 1/125
↑ f4 1/1000
↑ f2 1/1000
↑ f16 1/125
↑ f5.6 1/60
↑ f11 1/125
↑ f16 1/125
撮影は2021年1月25日から2月10日にかけて。フィルムは、富士フイルムカラーネガフイルム フジカラー 100を使用。香川県仲多度郡多度津町、三豊市、善通寺市、丸亀市で撮影しました。瀬戸内讃岐の山や春を告げる花々、そして多度津町の藝術喫茶清水温泉、お惣菜処てつやを中心に取り上げてみました。讃岐の厳冬から初春にかけての情景をの様子をスケッチしてみました。
氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。