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あんときのデジカメ 師走で絢爛豪華な讃岐のイチョウの紅葉 with PENTAX optio I-10

(はじめに)漫然と撮影とするのではなくテーマを決めてひとつのカメラで撮影すると思いもよらぬ発見の連続ですね。秋の風物詩である銀杏は師走でも元気でした。今回はペンタックスのoptio I-10を相棒にしましたが、錯覚の修正の連続となりました。しかし、晩秋から初冬が一番、いい季節かも知れません。

テーマを決めて撮影することの醍醐味

 現在、noteのコンテンツで「あんときのデジカメ」の連載をはじめておよそ7ヶ月あまり過ぎしました。途切れずに続いていることに僕自身驚いております。

 「あんときのデジカメ」はもともとはブログでやっていました。ただ、ブログの仕様が変わってしまったことがあったり、転職活動が忙しくなったりしまって中断していたのですが、その折は、特定のテーマを決めずに中長期の運用で、「あんときのデジカメ」のトライアルをやっていました。

 ただやっぱり撮影の記録を残しておきたいことと、古いデジタルカメラで現在の絵を切り取りたい思いがやみがたく、noteを利用することがひとつの契機となり、こちらでは、先にテーマを決めて撮影するようにしました。

 もちろん、カメラで絵を切り取る撮影という行為は生ものです。ですから撮影しながらテーマを設定したり、あるいは当初考えていたものとことなる対象をターゲットにすることはよくあります。

 しかし、漫然と撮影して「あんときのデジカメ」の撮影具合をトライするよりも、なんらかのお約束のもとで撮影した場合のほうがこれまで見落としていたことに気づく契機になっているようにも思えます。

 もちろん、そのことでカメラの撮影機能のすべてを紹介できなくなってしまっているという隔靴掻痒はありますが、こちらは、トライアルを何度か繰り返していけば……つまり、その2というようなものですが……クリアできるのではないかと考えています。

季節の中で秋が一番好きだ。

 季節の中で秋が一番好きだ。気温は肌寒くなるけれど、山の紅葉は赤や茶色、そしてイチョウの黄色など、暖かいイメージの色が多い。見ているだけで心が温かくなるような景色が、私の好きな理由である。
 高校時代に過ごした奈良県天理市には、イチョウ並木がある。東西約750㍍の通りの両側のイチョウの木に色づいた葉が茂る様は圧巻だ。中でも一番好きな風景は、葉が舞い散ってできるイチョウの絨毯である。

(出典)「声 天理のイチョウ並木 大好き」、『朝日新聞』2019年11月28日(木)付。

 今回、テーマとして選んだのはズバリ、秋のイチョウです。僕としてイチョウを銀杏と表記したいのですが、「声」にならいイチョウとしましょう。秋の風物詩といえば、街路樹の代表ともいえるイチョウの紅葉になりますが、これが実に奥深いものがあります。

 「あんときのデジカメ」では、カメラ自体のトライアルというよりも、風物詩的なテーマを選んで、その代表例を記録してみたり、あるいは、僕たちが普段だいたいそういうものだよなと思い込んでしまっていて、見落としていたいた事柄をすくい上げるように心がけているのですが、今回のイチョウは、後例になります。

 つまり、イチョウは秋で終わってしまい、冬になってしまうと冬木立だけになってしまうという私たちの認識は事実とはほど遠い思い込みに過ぎないのではないかということです。

 春から夏にかけて、田植えが実は2ヶ月ぐらいのスパンで行われてしまうことを記録しましたが、イチョウの紅葉に関しても実は同じことがいえそうです。

 はやいイチョウ並木ですと、11月のはじめには冬木立に変貌してしまいます。しかしゆっくりと紅葉していくイチョウたちは、12月の初めまで見事な紅葉を楽しませてくれます。

 今回の撮影は、12月1日から7日にかけての1週間の記録になりますが、それはその証左になるものです。とはいえ、10日を過ぎると、ほとんど葉は舞い散りましたが、わたしたちがずばり秋の風物詩と思い込んでいる自然現象にはちょっとした前後のズレというものがあるのではないでしょうか。田植えが2ヶ月間以上に渡って行われることを見落として、田植えといえば5月とイメージしてしまう錯覚と同じです。


初めて使ったときはピンとこなかった成功したレトロモダンなデジタルカメラ


 
 さて、錯覚とは異なりますが、見間違えてしまうようなオマージュってありますよね。今回の「あんときのデジカメ」で使用したのは、ペンタックスが1979年に発売したオート110を「まんま」コンパクトデジタルカメラとして再現させたOptio I-10になります。

 僕自身の記憶を再帰するならば、市販フィルムで使ったことがないのが「110フィルム」になります。憧れの「あんときのフィルムカメラ」のひとつとってよいのですが、程度のよいものに出会うことなく、いまもって邂逅の機会を逸しています。もっとも35mmフィルムカメラを愛用していた時分は、ほとんどライカあるいはコンタックスで勝負していたので、次の次になったことは否定できませんが、それでも実に手にしたいと思っていたカメラが「雰囲気」としてですが、デジタルとして蘇ったことには発売当時、雀躍したことを覚えています。

 では、簡単にスペックを紹介します。撮像素子は、有効1210万画素の1/2.3型CCDで、レンズは35mmフィルムカメラ換算で28-140mmに相当する5倍ズームになります。スペック的に突出したものはなく、いわゆるペンタックスのオプティオシリーズらしく、入門機あるいはちょっとした機能上乗せのエントリークラスというカメラになります。

 実は、本機を再度購入したのは今年の12月のはじめです。安く出ていたので衝動買いしたのですが、発売時購入した時、「う~む」と唸った記憶があります。オマージュされていたオート110が出来すぎていたせいもあるのですが、レプリゼントされたデジタルカメラがこの性能で良いのだろうかと悩み、速攻で売却してしまいました。今となっては残念な過去といってよいのですが、オプティオシリーズに求める要求として酷ですよね

 そのラインナップシリーズを理解したうえで改めて利用してみると、エントリークラスとしては「よく映る」というのが実感です。

 デジタルカメラの性能がほぼ決定し、ほとんど機能差がなくなってしまったのが2010年前後だと僕は理解していますが、そうしたどんぐりの背比べとなったなかで、各社が力をいれたのがスタイリッシュなカメラということになります。なかには使いやすさよりもデザインを優先するカメラが頻出した中で、本機は、もともと「完成されたカメラ」をベースにしているだけあって、使い勝手のよいことに改めて驚きもしました。デザインと使いやすさのベストマッチした「成功した」ニッチなコンデジと言ってもよいのではないでしょうか。

 ということで以下作例です。1週間ほど撮影しましたが、コンディションが整えば、きちんとした絵を切り結ぶカメラですね。

 拙い写真ですが、ご笑覧下さればと思います。

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ということで撮影データ。プログラム撮影、ISO100、ホワイトバランスオート、露出補正なし。画像は12Mで保存。撮影は12月1日~7日。撮影場所は香川県善通寺市、三豊市、丸亀市。



氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。