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【219】夕方の彷徨:真麻蘭(マオラン)の話 2024.6.15
今日も夕方の散策に出かけました。しばらく歩いていつもの富士の絶景ポイントの近くまで行くと空は全体に曇っていましたが富士山の全景がよく見え、頂上には薄い小さな傘雲がかかっているのがわかりました。
ポイントまで行こうとすると、道の左側の畑で小柄なお爺さんが働いているのが見えました。
こんにちはと挨拶をすると、おじいさんも挨拶を返してくれ、
「どこから来たんですかあ」
と畑から道までの斜面を登ってこちらに寄ってきたのです。
そして道との境に植えてあった植物を指して、
「この草、重宝するんです。私のお爺さんが植えたのだけれど、この草で何でも縛ることができるんですよ。」
といって鎌でバサバサとその草を刈り始めたのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1718780037334-zoxt8kQ5iy.jpg?width=1200)
見ると、日本的ではない、中南米っぽい感じで、竜舌蘭などに雰囲気が似ていますが葉の先に針がないので違います。
根元から天辺まで1.5m位はあるでしょうか。
刈った葉がそのまま縄代わりになるのだそうです。詳しく聞きませんでしたが裂いて使うのかもしれません。
「生け花の先生が葉を下さいと言ってくることもあるんですよ。」
だそうです。
一旦おじいさんと別れた後で、この写真を撮ってスマホの「れんず」機能で検索してみたら下の写真がヒットしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1718780489249-WR1U4dOM7z.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1718780522046-21IoIxHkZ6.png)
かなりそっくりですよね。
これはと思って説明を見ると、マオラン(真麻蘭)といって、ニュージーランドとノーフォーク島の原産、根元から2mにもなる剣状の葉が沢山伸び、この葉が柔らくて丈夫で長いので、現地のマオリ族の人達はこれを使ってロープや布や籠などをつくるなどしている繊維作物として重要な植物だったのです。
日本には明治ごろから繊維を取るために北九州で栽培されていたそうで、今では鑑賞用に庭園などに植栽されることも多く、実際、買おうと思えば苗も簡単に手に入るようです。
そして、真麻蘭の細長い葉は生け花の素材としても使われることがあるのだそうです。
ということで、この植物は真麻蘭の可能性が高そうなので、作業を終えて帰り支度をしていたおじいさんの所に行って、その話をしたら、「ニュージーランド原産ですかあ。」とても喜んでくれ、しばらくお話をしてから「またお会いしましょう」と別れました。
ちなみに真麻蘭には下の写真のように赤い花が咲くのですが、「この草に花が咲くのは見たことありますか」と聞いたら、「花は見たことがありません」という回答でした。
調べると本州ではほとんど花は咲かないのだそうでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1718783057066-NgXfAVuVN3.png?width=1200)
「れんず」とかウィキとか便利な世の中になりました。