【252】フェイジョアの優しいお酒 2024.10.24
1 フェイジョアとの出会い
約30年前ですが、子供が生まれたのをきっかけに、頑張って?十年のローンを組んで箱根西麓の富士山の見える地に、果物が大好きで庭で果樹を育てることが夢だったので、狭いながらも庭付き一戸建ての家を建てたのでした。
どうせならお店では売っていないような珍しい果樹を植えたいと思っていて、まだ当時は珍しかったキウイをと考えました。
そこで下のような本を買ってきたのです。
するとこの本にはキウイの他にブルーベリー、フェイジョア、ババコウの3種の珍しいフルーツが紹介されていて、これらもすごく魅惑的だったのでした。
この本がフェイジョアとの出会いでした。
結局、キウイの他にブルーベリーとフェイジョアも苗木を購入して植えることにしました。
結果的にこの選択は大正解で、キウイ、ブルーベリー、フェイジョアの3種ともその後元気に育ってくれて、毎年美味しい実をつけてくれています。
ちなみにババコウというのはパパイヤに近い熱帯果樹でその実は最大で長さ30cm重さ1kgにもなるという話なので是非トライしてみたかったのですが苗木を入手できるところが見つからず断念しました。
30年の間に、ブルーベリーはメジャーになり、フェイジョアも色々な家の庭先や公園などにも植えられていてよく見かけるようになりましたが、ババコウは未だに謎のフルーツのままですね。
フェイジョアの話に戻りますが、この木は南米原産の亜熱帯性常緑果樹でフトモモ科に属しています。
このフトモモ科というのが面白くて、グアバ、レンブ、フトモモ、ジャボチカバ、ピタンガなどの果樹や、香辛料のチョウジ(クローブ)、オールスパイスなどが含まれるという有益な科なのです。
フェイジョアはその中でも寒さに強くて-10度に耐えられるので関東以南ならまず問題なく越冬でき、何も手入れをしなくても育ってくれる元気な樹なのです。
果実は冒頭の写真のように卵型で、熟しても緑色のままなのですが、熟すと自分でポロっと落ちてくれるので収穫時期を悩む必要もありません。
ちょうど今収穫期に入っているのですが、朝庭に出てみると木の下にころんころん落ちているので拾ってきて、洗って輪切りにしてスプーンですくって食べます。その味はパイナップルとバナナ、リンゴをミックスしたようなと形容されますが、甘くて良い香りがしてとても美味しいです。
フェイジアについては下のマガジンの中で度々書いていますので、興味ありましたらご覧ください。
2 フェイジョアの(皮を使った)ドリンクのレシピ
今回書きたかったのは、フェイジアのドリンクのことなのです。
今年の猛暑は元来熱帯果樹であるフェイジョアにとってはよかったのか他の果樹は弱ってしまったものが多かったのに、フェイジョアだけは豊作で、食べきれないほど成りました。小さい実がほとんどで他人様にあげるのは憚られるという状態だったのでどうしたものかと調べてみたら面白いレシピを見つけました。
フェイジョアの皮を使ったドリンクなのです。
作り方は簡単で、
1)フェイジョアの実を洗って、輪切りOR縦切りにして果肉をスプーンですくって食べてしまう。
(今回は取り出した果肉を砂糖で煮てジャムにしてみましたが、とても香りのよい美味しいジャムになりました。)
2)果肉を食べて残った皮を広口瓶に入れ、砂糖をかけ水を8-9分目くらいまで入れて置いておく。
これだけです。
砂糖の量は味を見ながらお好みで入れればOKです。足りなければ後で足してもよいので適当で大丈夫です。
2-3日もすると、フェイジョアの皮に付いた酵素によって発酵がはじまり、砂糖が分解されてアルコールに変わり始めて細かい泡が出てきますので適当な所で味見をしてみます。
3 お味は?
液をグラスに注ぐと綺麗な琥珀色、氷を浮かせて飲んでみるとフェイジョアの良い香りが口の中一杯に拡がって、とて美味しい芳醇なドリンクになっていました。
漬けた後半日もおけば美味しく飲めますのでお子さんなどの場合は発酵する前に飲むと良いと思います。
長く漬けておくと、発酵が進みアルコール分が強くなり、砂糖が分解されるので甘さが減っていくそうです。
今のところまだ漬け置き中なのですが、味を見ながら好みの所で皮は出して、液は冷凍にするか、加熱して発酵を止めて冷蔵庫保存にしようと考えています。
4 やらないと損、やれば絶対お得です。
普通の果実酒は焼酎に漬けるとかするわけですが、このドリンクは食べた後の捨ててしまう皮を砂糖水につけるだけでできるのでものすごく簡単だしお得です。
フェイジョアを入手した方に是非おすすめのレシピです。
*注意:雑菌が入って液が濁り、腐ってしまう場合もあるかもしれないので、そのような場合は飲まないようにご注意くださいね。