【241】岩合光昭写真展 PANTANALを見に行きました 2024.9.16
岩合光昭さんの写真展を佐野美術館に見に行きました。
パンタナールは南米大陸の中央部、ブラジル、ボリビア、パラグアイにまたがる世界最大の湿地地帯であり、ジャガー、カピバラ、パラグアイカイマンをはじめとする多種多様な生き物たちの生息する生命の宝庫なのです。
岩合さんの撮る動物たちの写真はいずれも生命力に溢れ、大きいものでは畳3枚ほどもある写真は圧倒的な迫力と美しさで、色彩の輝かしさはたとえようもありませんでした。
写真1枚1枚に添えられた岩合さんの文章が、臨場感に溢れて美しく的確で素晴らしいのでした。
暑さと虫の攻撃の中を待って待って待ち続けて、そうしてついに来たチャンスを逃さずにシャッターを切る。真剣勝負の岩合さんの気迫が伝わってくる稀有の写真たちでした。
中で、巨大なパラグアイカイマン(ワニ)の死体が白い腹を上にして流れてゆく写真があり、これを見た時に岩合さんの頭に
「パンタナールに生まれ、パンタナールに死す。」
という言葉が浮かんだそうです。
すると、隣にいた奥さまが「パンタナールに育ち」も入れたいわねとおっしゃったそうで、さらに死すというより還るだねとなり、
こうして
「パンタナールに生まれ、パンタナールに育ち、パンタナールに還る」
という言葉が生れたそうです。
パンタナール! 世界にまだこんなところが残っているということは恩寵だと思いました。