【97】箱根西麓からの元旦の富士山:2023.1.1
元旦にはまだ暗い内から箱根西麓の絶景ポイントに行き富士山の新年の夜明けを撮影するのを恒例としています。
その絶景ポイントは箱根の芦ノ湖から西に降った斜面の途中にあり、山林の所々が切り開かれて畑になり箱根西麓野菜というブランドで出荷されています。箱根の斜面を降り切ると、その先は富士の裾野となり長い傾斜の先に富士山がそびえています。【78】の記事に地形図を載せていますが、箱根と富士の境界になる谷に当たる部分は箱根山の北側を回る迂回路になっており、御殿場線や国道246号、東名高速などが通っています。
昔は東海道線はこちらを通っていたそうで、丹那トンネルの開通によって今のルートに変更されたのです。
絶景ポイントはその谷越に富士山の全景が見晴らせる場所にあり、このサイトで載せている写真はほとんどがそこから撮ったものです。
今年も元日の朝6時過ぎにはこのポイントに行き三脚を立てて夜明けを待ちました。
地面には霜柱がバリバリに立つ冷え込みの厳しい朝でしたが、風が無く穏やかなお天気だったので、思ったよりしのぎやすかったです。
今年はなぜか例年より明るくなるのが早く、6時15分頃に到着した時には東の空はすでに明るくなりはじめていましたが、富士山のある北西の空はまだ暗く、薄闇の中に白く浮かび上がる富士山の右側に星が光っているのが見えました。多分御者座のカペラという1等星だと思います。
富士山には暮れに降った雪がまだ沢山残っていて富士山らしい富士山の姿を見せてくれていました。富士山の左下の明るい光は人工雪のスキー場「スノーパーク イエティ」のゲレンデです。
空は少しずつ明るくなり始めていてカペラはすぐに見えなくなり、ほどなく富士の上空の空気がぼんやりと赤く染まり、それが徐々に降りてきて富士の背景を後光のように包むのでした。
そして6時49分に2023年の最初の光が降り富士の頂を薔薇色に染めるのでした。
そしてその光の当たる範囲がみるみるうちに拡がって下に降りてゆき、宝永火口に影が落ちるのです。
富士のふもと付近まで光が降りてくるのが6時56分頃、富士の山体全体が薔薇色に染まります。
赤富士の時間は10分足らず、7時2分頃には日の光は裾野にまで達し、光は白くなり始めています。
その後、薔薇色はどんどん薄くなり、7時20分にはもういつも通りの白い富士になっていました。雲一つなく青空がいっぱいに拡がった穏やかな年の明けになりました。
ほんとうに、今年がコロナもウクライナ侵略も収束し、中国も北朝鮮も暴発せず、平和な年になってくれることを切に望まずにいられません。