【28】笑ってしまっていいのか?:実家の法事で気まずかった話 2022.6.6
ある人が実家で父の3回忌の法事があり田舎に帰った時の実話です。
大きな座敷に祭壇をしつらえ、その前にお坊さんが座り、木魚を叩き、鐘を鳴らし、力を込めてお経を唱えています。集まった親族一同はその後ろに正座して神妙に手を合わせています。
先刻から延々と読経は続き大人でも足がしびれてくる頃合い、小さい孫たちに到底我慢ができるわけがありません。一人立ち、二人立って歩き回る。果ては鬼ごっこを始めて座敷中を走り回るという状態に・・・
それを見かねたのが親族中でも強面で知られる叔父さんです。
すっくと立ちあがると、
「坊主うるせえぞ!」
座敷中に響き渡る大声で怒鳴ったのです。
その瞬間、読経の声がはたと止まり、木魚を叩く音が止んだ。
心臓が止まるような静寂が拡がり、それが15秒ほど続いたのち、何もなかったように読経が再開された。