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デザイナー視点で磨くパワーポイント|読書感想と実践の記録

昨年12月、翌年の会社紹介資料を刷新しようと考えていた際、駅構内の書店で気になる本を見つけました。

これまでにも「伝わるデザインの基本」(後日紹介予定)などの資料作成本を読んだことがありますが、今回の本は特に
・実際のパワーポイント資料を事例として取り上げ
・改善のステップを解説している
という点が魅力的でした。

資料作成において、 伝えたい内容をわかりやすく整理し、視覚的にも見やすくする ことは非常に重要です。
この本を読んだことで、資料の問題点をより深く理解し、具体的な改善方法を学ぶことができました。本記事では、本書から得た気づきをまとめ、実際に活用してみたテクニックについても紹介します。


1.具体的な事例での問題点

どうも省庁などが公表している資料がベースになっているのですが、大体は以下のようなパターンになっていて、それを改善していくといったステップです。

ここで挙げられている、よくある問題点を以下に整理してみました。デザインの基本にもなってくる、近接/反復/コントラスト/整列の基本ルールの他、色や余白、行間・字間、不要な線など、デザインの書籍によく書かれている内容のルールにそぐわない例が出ているということがわかります。

・色のトーンが揃っていない(ロゴとメインカラーが異なる)
・色が多い(乱雑な印象、関連性がわからない)
・コントラスト比が確保されていない(見えにくい)
・トーンが鮮やかすぎる(薄めにして落ち着かせる)

囲み・線

・無駄な文字の囲み(窮屈に見える)
・囲みの大きさがバラバラ(統一感がない)
・位置が揃っていない(整列されていない)
・囲みが多い(線が多くなる)
・表の線が多い
・無駄な外枠が不要
・グラフ上の補助線が無駄

文字

・行間と字間が狭い
・強調部分が下線のみ

余白

・余白が少ない

イラスト

・イラストを多用すると色が多くなり、情報量が増えてしまう

グラフ

・円グラフの引出し線が多い
・グラフの凡例が大きい

図形

・吹き出しがどこに対応しているのかわかりにくい
・バランスが悪い(矢印が大きいなど)
・脇役のはずの図形/写真がメインになっている

全体

・メリハリ(強弱)がない
・整列できていない

2.どう修正していくのか

本書では省庁の公開された資料をベースに修正ステップを示してくれているのですが、このような問題点を抱えた資料は省庁などに限らず、身近でも見られる資料かなと思います。

デザインを普段使うパワーポイント資料に取り入れることで、随分と理解浸透のスピードが早まるのではないか、と思いました。

これをどのように改善していくのか、というステップが書かれていて、大まかには
まずデザインの基本ルールに沿ってその形のまま修正し(STEP1)
さらにより強調をした修正し(STEP2)
最後にテイストを加える(STEP3)
という修正のステップで書かれていて、そのためのテクニックなどが別の章で紹介されています。

3.参考になったテクニックは?

修正のステップの中で私が参考になったと思ったのは、STEP3でテイストを加えるために行っている、色々なテクニックです。実際に自分の会社紹介資料などでも使ってみましたが、急に雰囲気がでました。

以下が実際に用いてみた紹介されていたテクニックです。

グラデーション

これまであまり使っていなかったのですが、
スライド全面をグラデーションを配置することで、1色の塗りつぶしの単調さを緩和しつつ方向性を感じさせることができます
と説明されていて、ブランドカラーをベースに濃淡でグラデーションをつけると、一気に雰囲気がでるようになります。

画像

これもあまり積極的に活用していなかったのですが、
・画像は資料を見る人に文書よりも、直接的なイメージを与えることができます。具体的な情景を伝える内容で使用すると効果的です。
・スライド全体に画像を敷くことでそのスライドの雰囲気を感じさせることができます。

とあって、画像の上に透過させた色を置いて、その上に文字を配置するなどで、例えば会社のミッションやビジョンなどを表記する場合には、すごく雰囲気がでるな、と思いました。

3D

これはどこかで使いたいなと思った内容ですが、図形を「3D変形」の効果を使用することで奥行きを出すことができるようです。これは活用事例がないのですが、「ホーム」タブの「図形描画」内にある「図形の効果」から指定できるようです。

ニューモーフィズム

ニューモーフィズムとは、ベースとなる背景から要素が押し出して見えたり、窪んで見えたりする表現のことです。2020年ごろから出てきたデザインの方向性で、IoTのリモコンアプリなどで使われているようです。デザイン性の高さを感じさせるので使ってみたいところですが、どこで使おうか・・・と迷うところです。
実際に本書に書いてあるとおりに試してみましたが、確かに格好いい資料になるような感じです。

4.今後について

これまで、資料作成に関する本はコンサルタントが書いたものが多く、ロジカルな構成やストーリーテリングの観点から学ぶことが主でした。しかし、近年は デザイナー視点で「伝わる」資料を作るための本 も増えてきています。

本書で学んだ 「基本ルール」「強調」「デザインテイスト」 の3つのステップは、今後の資料作成においても非常に役立ちそうです。特に、 グラデーションや画像の活用 など、デザインの要素を意識的に取り入れるだけで、見栄えが大きく変わることを実感しました。

実際に会社紹介資料にも取り入れてみたところ、 視認性が向上し、より魅力的な印象を与えられるようになった ので、今後もデザインの工夫を積極的に取り入れていきたいと考えています。資料作成の際には、ぜひ本書のテクニックを試してみてください!


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