2024.10.17

15時頃。鬱がだんだん抜けてきているのを感じている。まだうっすら残ってる。部屋が散らかったままだ。今日は会社でコーヒーを淹れる気にようやくなって飲んだから、鬱が改善されている!と喜んだ。コーヒーをよく飲む人は鬱になる率が低いらしい。だから私の中でコーヒー指数イコール元気指数になっているのだ。カルディで買ったバードフレンドリーブレンドみたいな名前の豆がおいしかった。私好みだった。マンデリンはすっぱくてあんま好きじゃなかった。たぶんその名前だった。4キロ太ってしまってから全然体重が落とせない。でも全然まだ懲りてなくてもっと食べたい。糖の中毒になっていると感じる。糖中毒から抜け出したことがあるから糖中毒の状態がわかる。

公園に違法駐輪しておいた自転車で会社から家に帰る途中、昨日彼に酒粕アイス美味しいから早く食べてみてほしいって言ったら「たべる」と返信がきたから、その材料である酒粕をスーパーに買いに行った。危うくスーパーを通り過ぎる寸前だった。ルンルンで自転車を停めて店の自動ドアを抜けて「今から彼氏に作るアイスの材料を買う彼女」の顔でカゴを左手に持った。パプリカがなんとひとつ98円で度肝を抜かれて2つ買った。最近、野菜が高くて買えなくて野菜不足だったのでありがたかった。パイナップルも食べたかったけど安くなってなかったし、固そうな見た目(真っ黄色ではなく白っぽい)だったのでやめた。アボカドも手に取ったけど1つ160円するしダイエット中だったしそこまで食べたい気分では無かったので戻した。国産丸大豆のいつもより30円高い納豆が美味しくて、今日は納豆ご飯にしようと考えながら豆腐コーナーの端に置いてある酒粕をカゴに入れた。海鮮コーナーからお肉コーナーを通って、買わないけど一応みて、割引シールが貼ってある鯖に手を出しそうになりながら、冷凍庫がパンパンで食べるものが溢れていることを思い出してやめて、常備している明治ブルガリアヨーグルトが特売だったので念の為ひとつだけカゴに入れた。酒粕アイス作るのに、いい牛乳で作りたいなと微かな希望を胸に抱いているのを見透かされたのか、よつば牛乳が100円引きになっていた。思わずカゴに入れてしまう。アイスコーナーを横目に無事通り過ぎ、惣菜コーナーへ「ネギ塩せせり焼き」が割引になってないかと覗く。このスーパーで唯一美味しい惣菜だ。今日は売っていなかった。実はヨーグルトを手にしたあたりか、本当はもっと前かもしれない、だんだん心が不安定にゆらゆらしていた。牛乳の時には泣いていたかもしれない。レジに向かう途中のお酒コーナーに用もないのに突っ立って、銀色ではなく白い新しい方のアサヒビールの缶を見てアルコール度数とアルコールの量の数字をぼーっと眺めた。350mlと500mlの缶ではアルコール度数は同じだけどグラムの量は違う。いつからか思い出せないけど頬へ温かい涙が伝っていて、でも目元は熱くならなかった。鬱の時の泣き方だ。まだ家に帰りたくなくて、ふりかけを見に行った。子供の頃は紫蘇が苦手だったのに、今では一番好きなふりかけは「ゆかり」だ。ふりかけを見ると元彼が言っていた「タンパク質取りたいからおかかにしてる」という言葉を思い出す。めっちゃくちゃ微量じゃんとおかしくなりながら、栄養バランスを気にかけているところが偉いと思った、夜ご飯をスナック菓子で済ませたりするくせに。結局ふりかけは欲しくないなと思い左に一歩ずれると次はご飯のお供コーナーで小瓶に入った海苔の佃煮とか食べるラー油が並んでいた。イカの塩辛が目に入りちょっと欲しいなと思う。初めてイカの塩辛を食べた子供の頃を思い出す。白いほかほかのご飯に塩辛はすごく美味しくて家族でこぞって食べていた。お父さんが七味やラー油、ごまやネギをたくさん混ぜて特製のイカの塩辛にしていた。得意げに「美味しいやろ」といってニヤッとして、私と妹は「うん」とか適当に返事をし、よく好んで食べていた。あれは今思えば、大切な家族団欒の時間だったんだとよくわかる。大切、というかこうやって心に思い出として残っているということは大切なんだなと思う。イカの塩辛食べたいな、でもこのスーパーで売られているのは桃屋の塩辛で、私が子供の頃に食べていたのはおじさんのイラストが描かれた「社長の塩辛」ってやつだ。だから買わなかった。こんなことを泣き続けながら考え、ようやく家に帰る気分になってきた。私が俯き気味だから気にしていないだけで、すれ違う大人は私を見て見ぬふりしてくれているような気がする。例えばこのときに、家族、彼氏、会社の人、友達などが私を見かけたら一体全体どう思うんだろうか。完全に様子がおかしい私を見て、どうするんだろうか。涙が倍量になったからこれを考えることはやめにしてレジに向かった。いつもの太っちょメガネのおばさんのレジに並ぶ。私がクレジットカードをあえて見えるように差し出しているのにちょっとも見ずに必ず「お支払い方法は?」と息切れの声で早口言葉のように唱えてくる。私は渋々、優しい気持ちで「カードで」と小さな声で答えた。タッチ決済できる新しいクレジットカードだから秒速で会計を済ませる。このカードで今月10回決済をしたら確か2000ポイントもらえるはずだ。いつもよりゆっくり丁寧に商品を袋詰めした。なぜならゆっくりした動作しかできないからだ。時折停止して空を見つめたり無になったりしながらスーパーを出た。鬱だ。

家に帰ったら普段通り可愛い猫がお腹を見せて転がってアピールしてくる。私はお腹が減ってるはずなのに台所へは向かわず、床に座り猫を撫でる。結局そのままベッドにダイブした。Youtubeやインスタをひとしきり見たあと、Twitterを見ながらクリトリスにバイブを当ててオナニーして、壁を見てぼーっとする。寝たか寝てないかわからない時間を過ごす。ついにお腹が本当に減って冷凍庫にあるお母さんがくれたおかず、「小松菜の煮物」「ポテトの肉巻き」をレンジにかける。その2分間さえもベッドに横になる。レンジが鳴っても起き上がれずにいると宅配業者によるインターホンが鳴り、仕方なく起きて荷物を受け取る。ついでにレンジの中身を取り出す。ベッドで食べるご飯はなんだか最高だ。悪いことをしているみたいだから。お母さんに美味しいありがとう、小松菜の煮物って懐かしいなとラインする。小松菜は歯に挟まるとか噛み切りにくいとか悪口を二人で言い合う。またしばらくぼーっとする。Youtuberが懸命に話をしている。お腹が膨れたらついになんだかやる気になってベッドから起き上がる。けど結局そのままカーペットに座りこむ。こんな精神不安定で稼ぐ力もない、特技もない、無能な私だと彼に知られたら…と考えたらゾッとして、彼が私と付き合う意味が全くもってわからなくて、捨てられるよ見合ってないよと答えを言い切る前に久しぶりにお薬を飲んだ。いつしか、自分は躁鬱だと思って、大きな目で綺麗な二重の美人な医者もそう言って、診断書書いて仕事休みましょうか、とまで言って、でも多分結局そうではなかった、というあの一連の時にもらったお薬を飲んだ。彼は私が無能で精神が不安定なことは知っている。のんびりしてるから深く考えてないと思うけど、知ってはいる。その事実だけを強く心に持った。スピルリドのアメル、強すぎて眠気がすごいからと錠剤を半分に割って、一つ一つ袋に入れられている。これを用意してくれた男性の薬剤師さんは優しかった。私が精神を病んでいると知っているからなのかもしれないけど、物腰が柔らかい人だった。安心した。お礼を言いたい。アメルを飲んで1分後にはもうふわふわしていてその即効性に驚かされる。すぐパソコンを開いてこれを書いていると落ち着いてきたけど猫が紐で遊んで欲しいとうるさい。明日はバドミントンへ行く。強いサークルだ。正直そんな気分ではないけど韓国人の友達と約束しちゃったし、日曜日は大会があるから頑張るしかない。こうやって元気を無理にでも与えられる場面があることは大変ありがたい。今朝、出勤して会社の階段を上っている時にも思った。西田敏行が死んで、70いくつかの年で、あと40年も50年も生きると思うと気が滅入る。どうせ生きるんだったら輪廻転生して他の人生でやりたいけどどう足掻いてもそんなことできないからつべこべ言わずに生きていくのが一番効率的で合理的なんだろうな。

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