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八犬伝と秋山メモ帳と。

実写映画で公開中の「八犬伝」。山田風太郎さん原作の映画。山田風太郎さんという名前は聞いた事あるようなないような状態で原作の「八犬伝」を読み始めたら、止まらなくなってしまい、一気に上下巻を読んでしまう。八犬伝も子供の時にぼんやり各地に字の書かれた玉をもった犬の字が入っている名前の侍達がなんやかや集まって戦うくらいは知っていたものの、お話そのものをちゃんと読むのは初めて。金玉のどっちかに「信」「義」「智」とか浮かぶのかと思っていた。普通に光る数珠の玉の一つ。いやはや、めちゃくちゃ面白い話だな。いろんな少年漫画の根源じゃかなろうか。馬琴さんパートも葛飾北斎さんとほぼ喋ってるだけなのだけど、作者の苦悩を描いていて、こちらも読む手が止まらなかった。

28年かけて「八犬伝」を書いたそうだけど、「ハンターハンター」や「ワンピース」も調べたら、そろそろ28年だ。ハンターハンターは休載が多いけど。「ワンピース」はあまり休むことなく、1997/7/22に連載が始まり、もう27年連載しているようだ。来年で28年だ。ちなみに「ハンターハンター」は連載開始が1998/3/16で連載26年。

八犬伝の最後の犬士が、子供なんだけど強すぎて描写がギャグみたいになり、なんだかワンピースのルフィの最終進化版のニカの雰囲気に似ている気がした。
実写の映画の方も観たけども、滝沢馬琴と葛飾北斎を演じる役所さんと内野さん、それから馬琴の奥さん役の寺島しのぶさんはさすが。くらいかな。眠くてしょうがなかった。山田風太郎さんの小説をもっと読みたくなった。


話は変わって、ロバートの秋山さんのラジオイベントを観に行く。BAYFMで放送中の「俺のメモ帳」。千葉の八千代台というところへ初めて行った。ユアエルム八千代台という昭和の香りが漂うデパートの屋上でのイベント。そういえばラジオのイベントに行くのが初めてで、聴いているラジオの他のリスナーの顔を初めて見る。老若男女いて、あんまり暗い感じの人はいなかった。イメージ的にもっとジメジメしてるのかと思った。

イベントが始まってすぐに、観客席の後ろの方で怒声が聴こえて、そちらの方を見ると、土方っぽい白髪短髪歯が二本のおじさんがパンをちぎって食べながら、「何でここで見れねぇんだよ」的な事を言って警備員に絡んでいた。しばらくしたら、いなくなっていた。

イベントは進み、少し前にいる観客誘導のバイトらしき、あんまりモテそうにない若い男がいて、秋山さんがネタを紹介したり、ボケたりするたび、吹き出したりニヤニヤしているのを見て、なんだかほっこりした。モテそうにない若い男性が自分のリスナー像だったから、この人が私の思うリスナー像の塊じゃないかしら、とデパートの屋上の16時過ぎの夕焼けに照らされていた光景が妙にこびりついてしまう。こびりつかせんなや、と変に怒りがわく。

しかしながら、わたしは途中で疲れてしまい、終わりかけに帰ってしまった。イベントが1時間延長していて、野外が寒かったのもある。けれど、毎週30分のラジオを2時間浴びるのは、ちょっとしんどかったかも。毎週楽しみにしている週刊連載のギャグマンガを単行本で一気に読むと疲れる感じに似ていた。

最近、レンタサイクルで会社から家まで帰っている。そろそろ寒くなってきたけど、ちょうどいい季節。帰り道の途中でちょうど部活帰りらしき高校生の男女が手をつないで走っていて、なんだか泣きそうになる。お小遣いをあげたい。

夜になり、日が落ちてから、荒川を渡る大きな橋を通るのがちょっと怖い。川に吸い込まれそうで落ちそうな気がしてしまう。スピードを落として渡ろう。
すると、夜の帳の川の中から、光り輝く玉が現れて、私の方へ降ってきた、「危ない」と思い、目をつぶってしまった。おそるおそる目を開くと、パンをちぎって食べているおじさんが玉を掴んでいた。おじさんが私に玉を見せてくれると「パン」の文字が。反対側から、さっきの部活帰りの男女のカップルが私の方へ走ってきて、「あれを見て」と、男の方が叫ぶ。荒川から大きな竜が水しぶきをあげて飛び出し、その濁流に飲まれそうになった私を男女のカップルが間一髪空を飛び、私を助けてくれた。男女の首元にネックレスのように首から下げた光る玉があり、それぞれ「部」と「活」と書いてある。「パン」のおじさんも空を飛んでいて、パンをちぎっては竜に投げていた。竜の背びれがシンゴジラのように青白い光を下の背びれから順に上へ明滅をはじめると、竜の口元から炎が吐き出された。その刹那―。観客誘導のバイト君が竜の目の前に立ちはだかり、右手を高々と掲げた。手の中には「リスナー」と書かれた文字の玉が握りしめられていた。バイト君の前に光の壁が現れて、炎は消えた。空の上から大きな玉の中心に「金玉」と刻まれた玉が降りてきて、竜を押しつぶした。竜は粉々に砕け散った。
「無事だったかい?」と声を掛けられ、振り返るとロバートの秋山さんがほほ笑んでいた。秋山さんの後ろには「パン」と「部」「活」と「リスナー」の玉を持った男女が並び、秋山さんが「金玉」の文字を掲げると八犬士たちは「えいえいおう」と勝鬨をあげた。申し訳なさそうに、「遅れてすいません」と三人の男たちがそれぞれ「信」「義」「智」の球を持って現れた。

私は気が付くと、橋を渡り終えていた。どういう意味?

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