im,

えかきのことば

im,

えかきのことば

最近の記事

〈大きくなったね〉

自由な幹が生き生きと高くなるのを わたしは知っている けれどそれを見守っても、見守っても 傍にいても、広がることを知っていても 幹がわたしの背を追い越して はじめて知っている、を目にするのだ 雨の日も、凍える日も、暑さに焦がす日も そんな日々を経て はじめて知っている、を憶えるのだ さわやかな陽の光に満ちる てっぺんに手を広げて 心地よい木陰をプレゼントしてくれるほど いつの間にか届かないほど 成長した あなたの頭を撫でて そして、

    • 〈かけら〉

      空 見上げると、泳いでるのは なにかわかんないけど 目に映るのは ふよふよと、きらきらと 光の粒 青空でも曇天でも、眼球に映る なにかの欠片 脳みそが煮詰まった時は 空 見上げて、泳ぐ光の欠片と戯れて 息を吸い込んで また前を見るんです 変なやつだとおもいますか? わたしはお手軽にしあわせですよ。

      • 〈なつのまま〉

        コンクリートの階段で蝉が眠る むじゃきなこどもたち ゆうやけこやけ 明日が来ると信じて疑わない コンクリートの階段で蝉が眠る むじゃきなこどもたち それぞれの扉へ帰っていく あちらこちらからただよう夕食の気配 上級生に憧れて、母に強請った紐靴が 階段を駆け上がる (くしゃり) また明日、そう言って手を振った コンクリートの階段でくだけた蝉の なきがらだけが未だ夏のまま。

        • 〈いっか、いつか。まあいっか〉

          かみなり、バリバリ お煎餅をたべる音 吹き荒れる雨に お家に傘をさしてあげたい なんて小さい頃よく思ったよ 誰かが言った 短く観れば悲劇でも、長く観れば喜劇なんだって いつかみんなで大団円できたらいい あんなことありましたな、そうですな あの時はお世話に、こちらこそ やらかしてすんません、お互い様や 今起こるすべてがそうなればいい 晴れたらさ 田んぼのミステリーサークルを 探しに行こう 傘を抜け出して

          〈ひとつぶ〉

          おちた 底なし沼 おちていく 鈍色のぐにゃりとしたなまあたたかさ おちる 息は止めない 目も開けたままに 少しずつ 少しずつ 濁りが薄れてゆく まるで濾過される雨水のように ただひたすら 底なし沼 けれど 鈍色から澄みきった透明まで たどりついた そこは、まるで 深海、もしくは、宇宙 溢れんばかりの、果てないのちの粒 伝えたいことがある いのちの粒、そのひとつこそが、わたしであり あなたであると

          〈ひとつぶ〉

          〈えのぐ〉

          I pray for peace, I pray for love, and I use my imagination as paint. (私は平和と愛を祈り、想像を絵の具にして描く)

          〈えのぐ〉

          〈おひるね〉

          こんな日中の明るい時に おひるねをした、わたし こんな世間で暗いニュースが絶えない中で おひるねをした、わたし 目が覚めて、わたしねむるあいだにも もう瞼をあけることない誰かが、なんて まるで渦中にいないからこそ 無責任に心配なんてしてみて だってこんなに暢気にね おひるねをしていたの、わたし

          〈おひるね〉

          〈ひかり〉

          眼の奥にあるもつひとつの窓をひらくと 光の粒が、ぱしゃぱしゃ、ゆらゆら、およいでて 日常の景色の中で遊んでいる とても無垢で、とても無垢で そしてすべてを解っているように 光の粒が、ぱしゃぱしゃ、ゆらゆら、およいでる すべては宇宙と繋がっているよ と はしゃぎながら

          〈ひかり〉

          〈かたち〉

          ことばの砂、風に運ばれ どこか遠くへ行きました だからもう、いない、いないの わたしを離れて飛んでいった 形をかえて、風に運ばれ わたしを離れて飛んでいった おーい、おーい、届きましたか そう、そうか、そうですか ことばの砂、形をかえて もはや伝えたかった姿は どこにもいませんでした

          〈かたち〉

          〈しずく〉

          いきよう と きめた わたしはながれるみずのなかのいってきのしずく ただ いきる いのちのかぎり ひたむきに そのあとは天命におまかせして いつか大海にまざる日まで いきよう と きめた いきたい と おもった

          〈しずく〉

          〈that's why〉

          僕が僕を大切にするために 言葉はいらない 僕が世界を見つめるために 言葉はいらない 僕があなたを慈しむために 言葉はいらない 僕がちゃんと知っているなら 言葉はいらない 伝えなくても 同じ形がかえってこなくても ほら、こんなに愛おしい 僕がちゃんと知っているから

          〈that's why〉

          〈life〉

          掌をあわせて 食べた 美味しかった 今日もどなたかの命をいただいて 明日のわたくしの命をつくっている 食べた 美味しかった ごちそうさまでした

          〈life〉

          〈I hate you〉

          いいよ。 うん。 大丈夫。 そうだね、安心して。 ちゃんと嫌いだから。

          〈I hate you〉

          〈icebox〉

          俯いて歩けば項が焦げて日焼けした皮膚にシャワーの水圧が痛い。 暑さに瞬殺されたアイスクリーム。 現実的に考えて、そんなことより寝ていたい。 ひんやりと、冷蔵庫の中で。 おやすみ。、

          〈icebox〉

          〈Happy birthday〉

          いのち、おめでとう 愛するあなたのいのち、おめでとう なんでもない一秒を あわただしい一日を せわしない一週間を きどあいらくの一ヶ月を どうかまた、歳を重ねる時 ふりかえって 案外幸せだったかもなんて そんな そんな 一年になりますように お誕生日、おめでとう

          〈Happy birthday〉

          随想:ネガティブばかり言わないですよ

          あたふたしてる こんがらがってる 忙しなく生活に追われてる 当たり前のように 仕方ないからさって 不器用なもんでね でもね 昨日良い言葉を聞いたよ あたふたしてた お母さんに のんびりとした口調で 息子さんが 「そんなにネガティブな事ばかり  言わないですよ。」 お母さんを今現在こんがらった頭にしてるのは 実はその息子さんなんだけど 息子さんは自分と同じ不器用さんなんです (ストレートに言えば発達障害) でもね そりゃ、迷惑かけてはおりますが あたふた

          随想:ネガティブばかり言わないですよ