卒業ないしは卒業後のこと
三月下旬、わたしは大学を卒業した。コロナ・ウイルスの流行がキャンパス・ライフのほとんどを覆っていた大学生活であった。
授業のほとんどはリモートで行われた。わたしは家庭内のあまりの息苦しさに、外出する理由を求めて、ウーバーイーツの配達員として仕事をはじめた。授業や就職活動の時期を除いて、ほとんどの時間をこの配達の仕事に捧げた。そのせいで卒業するころには容姿に似つかわしくないほど太ももの筋肉が肥大化し、就職活動に使っていたスラックスは入らなくなっていた。他のパンツ類もすべて買い替