あやしうこそものぐるほしけれ。
書きたい欲。というのが私の中にはずーーっとずーっとあり続けた。この25年目になる人生でずっと。
小説が大好きで、私の人生に深く影響していると思うのだけれど、これを自分で書いてみようと思い立ったことがある。でも実際書いてみてその難しさと、私の持続力のなさに早々に諦めた。
なぜ小説が書けなかったのか。その答えのひとつを教えてくれた本がある。『読みたいことを、書けばいい。』テレビでかの林先生が激推ししていたので気になって読んでみた。
小説はフィクション。実際にはないことを頭の中で創造する作業の連続。起承転結全て想像と創造。これはかなりの専門性を要する。
逆に、私は挑戦しようと思ったことすらないけれど、ルポルタージュのような完全ノンフィクションは、事実のみを組み立て、忠実にリアルに、しかもちゃんと伝わるように、書く。これも同じくかなりの専門性を要する。
世の中に溢れている(特にネットで)文章のほとんどは、随筆。事実と感情がまぜこぜで書かれている文章。事実とそれによって生まれた感情が記されている文章。
そうか、私が今書けるのは、書きたいのは、随筆だ、と。
心に思うことは、経験や知識や感情が、降り積もるほどにたくさん、深くなっていく。これも大好きな、大好きな、私が深く愛している小説の中の言葉だけど、『言葉とはそういうものだ。聞く者の中に呼応する要素があれば巧拙を問わず正しく響く。なければどんな至言も露と消えるだろう。』そう、響く要素が自分の中に積もっていくほど、いろんな物事からいろんなことを感じる、ということが言いたかった。
留めておきたい。ちゃんと見えるように表現したい。
そんな気持ちから、遂に私も、ずっと気になっていた〝note〟なるものを始めてみました。
心にうつりゆくよしなしごとを そこはかとなく書きつくれば あやしうこそものぐるおしけれ
的な感じで書けば書くほど、自分の頭の中が明確になり、書くほどに考えが深まっていき、どんどんどん書きたいことが浮かんでくる、この感じが私はとても好きだ。
ちなみに私は、源氏物語より圧倒的に枕草子派。枕草子のはっとさせられるおもしろさよ。1000年以上も前の文章に、圧倒的に共感するの、神秘よねー。
*参考・引用*
●読みたいことを、書けばいい。/田中泰延/ダイヤモンド社
●ファルネル大陸偽王伝4 闇と光の双翼/高里椎奈/講談社