麻雀界隈に疲れました(その3)
悪鬼ウヒョ助と、怪物たかはる
わしがヨチヨチとSNSを始めたのが、12年前。
2012年。
打ち切りピンチをなんとか切り抜け
「鉄鳴きの麒麟児シリーズ」は近代麻雀で続行。
ネットの集団イジメにも、たった1人で対抗し。
そんな中でも、フォロワーをどんどん増やし続け。
5年後。
わしは悪鬼になっていた。
麻雀界隈の暴れん坊である。
「なんか、わしに文句あるのか? 言えよホラ」
「すっこんでろ人糞。誰じゃおまえは、なれなれしい」
怖いものなしの、むこうみずである。
アンチの悪口全部に言い返す。喧嘩屋である。
しかも相手が虫の息なのに、過剰にダウン攻撃を繰り返す。
こんな高速で朝から長文Note3本書けるウヒョ助だ。
レスバで一般の人が勝てるわけがない。口喧嘩無双。
小学校でイジメられていた優しい子が、ぐれてしまい
中学校で不良になってしまったようなものである。
やさぐれた大きい理由が2つあった。
「天鳳位ブロック事件」
「天女杯騒動」
この2つは、わしの心にわずかに残っていたピュアなハートを、ずたぼろにしていった。くだらねえな麻雀界隈、と。
くわしい話は、過去Noteにあるので、知りたい人は読めば良いのだが。
1つは「どんなに理不尽でも、フォロワーが多い人気者が力技で勝つ」
2つは「業界の偉い人がリンチを起こせば、麻雀プロはリンチに加わる」
を、つくづく味わった事件である。
学んだことは
「自分を守るにも、誰かを守るにも、フォロワーを増やさないとダメだ」
なのである。
ここからわしは、フォロワー数を増やすことを意識し始める。
アンチとの「公開の喧嘩」すらもフォロワーを増やす手段にした。
そしてファンサービスを頑張るのはもちろん、業界関係者からのお願いごとも、どんどん受けて頑張った。味方を増やすのだ。
そのために、自分に課したルール。
「もらった全部のリプに返信する、誰もブロックせず受け止める」
なのである。
結果、ファンも増えれば、アンチとの喧嘩も増える。
フォロワーもグングン増える。
ルールを徹底するのはしんどいが、わしはあの理不尽な暴力を忘れられない。今に見てろよアサピ…いや、麻雀界隈の人気者たちよ。
しかし当時、わしとまったく同じことをしていた
怪物がもう一人いたのだ。
全リプ返し、ノーブロック。
多井たかはるである。
「今に見てろよ?」の情念が、わしなんかより格段も上だった。
当時まだMリーグが始まる前である。
わしがフォロワー1万人を突破した頃、たかはるは2万人に向かっていた。
全リプ返しの労力と時間がわかるだけに。
わしより桁違いにファンからリプが押し寄せる、たかはるのしんどさは、わしが一番わかったと思う。普通の人間には無理である。
マジでやったら、寝てるヒマがない。
徹夜続きの漫画家のわしと
ショートスリーパーのたかはるだけができた荒業。
「まじで怪物だな、あれは」
「いったい過去に何をされて、その情念だ?」
と、震えてしまった。
しかし、そんなたかはるに一目置くどころか、リスペクトしかけるも。
その頃、悪鬼だったわしは、麻雀プロなんて「権力に従う犬っころ」
麻雀業界の偉い人が、一般女性相手にネットリンチを起こせば。
肯定してリンチに加わる、くだらないやつらだと思っていた。
たかはるもきっと、そんな1人だと思っていた。
そして、連盟プロから無視されるのも、6年目に突入していた。
そんなわしが一番やさぐれている頃に
立ち上がったのが「Mリーグ」である。
2018年であった。
いけすかねえ!からのMリーグ漫画
サイバーなんとかという、大きい会社が、麻雀業界に助け舟を出して。
とんでもないビッグイベントを起こすらしい。
その名も「Mリーグ」
いけすかねえええええええええええええええええ!!!
ドラフト会議。
たかはるが目に涙を浮かべてる。気持ち悪い。
なんだよ、あんたも結局、権力の犬かよ。
もっとトガッてる男だと思っていたぜ。
魚谷さんがドキドキ深呼吸をして、胸が鳩みたいな動きをしている。
可愛い…!!
連盟プロがいっぱいドラフト受けてるな。
わしを無視し続けたやつらだ。気に食わねえ。
魚谷さん以外、潰れてしまえMリーグ。
7チーム21人、全員魚谷さんにしろ。
そもそも、わしくらいを毛嫌いする潔癖なやつらが。
これからエンタメの大舞台で、スターになれるのかよ?
ちょっとイジられたくらいで、怒るんじゃねえのか?
覚悟あるのかよ?
見てやろうじゃねえか、麻雀業界のために頑張るって言うのなら!
どれほど、イジられてピエロになる覚悟があるのか!
くらえ!
わしの煽り漫画をおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
わしがイラッとした勢いで描いた、Mリーグ漫画、第一号である。
怒りたければ、怒ればいい。
近代麻雀に圧力かけて、わしの連載を消せば良い。
できるだろ、やっただろ。
もうこちらは麻雀界隈に幻滅しておるのだ。
ただ、もしわしに圧力かけたら
未成年の10代少女ファン食ってた、麻雀プロの名前
全部吐いて消えるからなあああああ!!
メガンテぇええええええええええええええええええええ!!!!
しかし、その結果。
白鳥プロから、いいねが入る。
あれ?
怒ってないぞ?
しかも、麻雀ファンのみんなが大笑いしている。
たかはるの顔に。
おかしいな、こんなはずじゃなかった。
アベマズはやさしいのかもしれない。
じゃあ次、いってみるか。
パイレーツはどうだ?
わしの嫌いな、あいつがいる。
一部のアサピンファンが
「馬に似ているなんて失礼だろ!」と遠くで怒ってるが。
過去にボコ殴った奴らなので、怖がって直接は文句を言ってこない。
フーハハハ。
馬に似ておろうが!
どうせ1年後には、本人もネタにするようになるんだ!
しばらくして、ありえないことが起きた。
嘘だろ?
コバゴーが、このクソ漫画を、RTしたのである。
面白いと。
Mリーガーが、このイジリ漫画を「肯定」してしまった。
その瞬間「あ、面白がっていいんだ…!」と、モジモジ遠慮して眺めていた麻雀ファンがいいねボタンを一斉に押し始めた。
コバゴーで幕開いた、Mリーグ漫画。
それから1000本近く漫画が続いたのは、コバゴーのおかげだからな。
いいか、忘れるなよ、みんな。
あれがなければ、2本で終わってた。
一番エンタメわかってる。
しかし連盟プロはどうだろう?
あいつら、お固い、つまらないやつらだ。
やさしい白鳥プロがこっそりいいねを押してくれるだけで、また大勢がガン無視するに決まってる。
よし行くぞ、3本目!!
連盟プロの一番偉そうなとこを煽ってやるぅううううううううう!!!
雷電だ!!
瀬戸熊、萩原、黒沢ですよ。
連盟の重鎮もいいとこですよ。
ほら、今頃、黒木さんがピリピリきているぞ。
一番イジっちゃだめなチームだ。
ほら来いよ、連盟。
クレーム出せや。
来いよ連盟!!
来いよ瀬戸熊!!
あんた次期、連盟会長だろぉおおおおおお!?
…来たああああああああ!!!
まさかの展開。
その漫画をべた褒めしてくれる瀬戸熊さん。
神かよ。
連盟の一番リーダーシップが強そうなところから、激励が入ったので。
(あれ、ウヒョ助は連盟のブラックリストじゃなかったのか?)
(違うのなら、ポチッ)
急に連盟プロからのフォローが増え始める。
何が起きているのだ?
加速して増えていくフォロワーの数。
ようし、だったら全チーム描いてやるよおおおおおおお!!!
重鎮も重鎮、一番危なそうな前原さんもいってやる!!!
全チーム、描き終えてみた。
どこからも怒られない。増え続けるいいねとフォロー。
そしてたかはるがつぶやいた。
「藤田社長が、漫画の俺の顔見て、大爆笑してた」
あそこがOKなら、全部OKだろ!!
いけええええええええええええええええええ!!!
本来の目的なんだったっけぇえええええええ!??
スマッシュヒットを記録した
「ドリブンズ合宿」
たまには感動ものはどうだろう?
そして、毎日のように漫画を描き続け。
気づけばこの年だけで、142ページ。
コミックスが出てしまう枚数だ。
Mリーグ1年目は、ドリブンズが優勝で幕を閉じた。
わしの漫画も最終回となった。
もうこの最終回の頃には。
読めばわかるじゃろ。
たかはるリスペクト&瀬戸熊さん大好きになっておる。
Mリーグに飲み込まれたあああああああ!!!
ここからは、現在まで続くライフワークになってしまっている。
おそらく1000本は超えている。
煽るために描き始めた漫画が、気づけば盛り上げ応援や
ファンサービスに変わってしまった。
あまりの反響に、近代麻雀から「雑誌でやらないか」みたいな話や。
お金になる仕事の話も、あちこち来ていたのだが。
ピークアウトが始まるまで、6年間。
全部断った。
これは、わしを受け入れてくれた感謝である。
連盟プロからのフォローも欲しかった。
すごい寂しかった。
やさしくされたのも、6年目でやっとなのだ。
嬉しいのだ。やっと孤独じゃなくなった。
お金はもらえない。
もう何かはもらっておる。
Mリーグ漫画の苦しみ
あれから6年。
忙しくなって、更新も昔ほどできなくなったが。
Mリーグ漫画をSNSに流すことは続けている。
その日のMリーグが面白かった時。
さらに食後のデザートを求めるように
「ウヒョ助の漫画まだー?」
「今夜のあれ、ネタにしてくれるんでしょ?」
との、声が飛ぶようになった。
大量に来る。
できるだけ期待に応えたい。
でも体調が悪い日も、〆切り前で忙しい日も
今日は天鳳でゆっくり遊びたい日もある。
さらに
「今日は◯◯プロの誕生日ですよ、何か描かないのですか?」
も、頻繁に飛んでくる。
そう言われて「描かない」とは言えないじゃないか。
描くことになる。
なるべく心を込めて描きたい。
その時は、休日の楽しみにしていた予定をあきらめることになる。
サササッと描いてるようで、けっこう時間はかかるのである。
時にまだ試合中にも関わらず、1ページ漫画を完成できるのは。
それを何年も、1000枚も続けられるのは。
たぶん漫画家でも、わしの他にあんまりいないはずだ。
特殊な才能なのだ。
どんどんファンの要望は強くなる。
2時間かけて描いた漫画に
「俺は高宮プロの漫画が見たかった」
「それより、あのネタの漫画は描かないのですか?」
みたいな感想がつき始める。
「それより」って。
しんどい。
ちょっとねぎらって欲しい。むしろそんなこと言うなら無言でいてほしい。
仕事じゃないのに、なんかいつも何かに追われてるような焦り。
描かなきゃ。
さらに、わしの漫画を数年、長く楽しんでいたであろう人が。
ちょっと気に食わない発言があると
「漫画を読んでやってたのに、嫌いになった」
とか言ってくるのである。
読んでやった……ですか。
はい……。
「誰もブロックしない主義」をやめたのも
こういう発言が積み重なって、心がギュウウウウウとなったからである。
気分が落ちると、漫画は描けない。
楽しみにしてる人に、数多く届けるには。
気分を落とす人を排除しなくてはならない。
つい先日も、あった。
某プロのファンで、わしの描いた某プロの漫画をヘッダー画像にしてるフォロワーさんから。気に食わない発言があったと、キレリプをいただいた。
よくよく読めば、一連のポストは、そのプロへの応援なのだが。
条件反射で一部分だけ見て、キレたのであろう。
よく簡単にキレられるな。
わしも名指しで悪口言われないかぎり、リプをしに行ったこともないよ。
わざわざ肩を叩いて「おい聞け!」って文句言うほど、偉くないもんよ。
せめてエアリプでいいじゃん。
あんだけ長く、そのプロの漫画を楽しんできて。無料で。
漫画はくれ、どんどんくれ、俺の気に食わないことは言うな。
偉い人なのかのう。
せめてコミックスの告知応援くらいしてくれてたら嬉しいが。
それもない。
なんじゃ、わしはと。こんなんばっかりだ。
しょんぼりした気持ちが、さらに重なったのであります。