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庄田ボーイと、丸山奏子
「自分も、ああ生きられたらな…」
わしらが、輝いてる人を眺めた時。
無意識に心の中でこぼれる、素直なセリフである。
輝いてる人を、世間は「スター」と呼びがちだ。
暗い世の中、暗い夜空を眺めた時。
目が追ってしまうのは、輝く星たちだ。
先日、漫画家のわしは、ある若者と会うために。
石川県は能登半島、その先端にある輪島市に旅立った。
日本海の後ろは、すぐに険しい山。
そのわずかな隙間に集落がある、人口2万人の小さな港町である。
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庄田 祐生 28歳。
愛称は「庄田ボーイ」
日本プロ麻雀連盟の、若いプロである。
28歳は、わしの数字の打ち間違えじゃない。本当に28歳だ。
あの丸山奏子と同じ年頃である。
多くの麻雀プロを、夜空にまたたく星たちと例えたら。
庄田ボーイは、6等星くらいの薄暗い星だ。
天文学者くらいしか存在を知らず。
都会に住む一般市民たちが、見つけて、指をさすことはない。
輪島から、麻雀プロを夢見て上京。
しかしプロになって8年目、経済的にどん詰まり、田舎に戻った。
そして今、わしの目の前で。
子供の頃から食べ慣れた、大好きな焼きそばを完食。
この笑顔である。
学生時代の庄田ボーイは、youtubeの切り抜き動画で
小島武夫、滝沢和典という「色気のある麻雀プロ」と出会い。
一発でハートを撃ち抜かれた。
彼は別にゲイではない。
遥ちゃんという、当時から長く片思いしてる幼馴染の同級生がいる。
とにかく、勝負師の色気がある麻雀プロの姿に、胸ズッキュン。
少年は心底、惚れ込んでしまったのである。
まるでテレビでアイドルのダンスを見て一目惚れ。
きっかけでアイドルオタクになるように。
彼はその日から、重症の「麻雀プロオタク」へと、スクスクと育ち始めた。
まわりの友人が憧れるような、人気の芸能人には、まったく興味を持たず。
朝昼晩、動画で眺めるのは、麻雀プロ。
彼にとっては「芸能人=麻雀プロ」になってしまった。
思春期の男子オタクが、坂道アイドルを全員覚えるがごとく。
麻雀格闘倶楽部やロン2参戦の麻雀プロを、全員覚えた。
しかし彼は、そうは言いつつも。
片思いの遥ちゃんに顔がそっくりな、前田敦子に大ハマリ。
AKBを見ようと、輪島の田舎者が、深夜バスで秋葉原に降り立ち。
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劇場そばのゲームセンターで、連盟プロの黒木さんに会ってしまう。
前田敦子に会おうとして、なぜか黒木さんに会う時点で、すでに面白い。
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「サインをくれませんか?」
庄田少年は、黒木さんに色紙を差し出した。
彼は「東京に行けば、憧れの麻雀プロに出会えるかも?」と信じて、色紙をしっかり持参していたのである。
10年以上前だ。
当時は今ほど麻雀プロに憧れてるファンも少なく。
さらにタレント的なスター選手ではない、黒木さんに憧れてる少年。
しかも色紙持参のファンは、黒木さんも出会った経験がほとんどなく。
驚いてしまったようだ。
「麻雀プロになりたいんです」
庄田少年は、黒木さんにそう熱く伝えた。
麻雀プロオタク少年は「麻雀プロに会いたい」から「麻雀プロになりたい」に欲望がステップアップしていた。
「自分も、ああ生きられたらな…」
それを行動に移し始めたのである。
ボクだって、ああ生きてやる、と。
その頃の黒木さん。
麻雀プロ志望の若者には
「やめといたほうがええで」
と必ず伝えていた。
真っ当ではない、滝沢や寿人なら仕方ないが。
そうでもない普通の純朴な若者は、こんな職業なんか目指すんじゃないと。
しかし、庄田くんを前にした黒木さん。
その時だけは色紙に
「がんばって」と書いてしまった。
浮かれてしまった、その少年はやがて
反対する親に、ちゃんと就職したうえで麻雀プロになることを条件に、18歳で上京、20歳で連盟のプロ試験を受け、晴れて麻雀プロに。
早々に、第30期チャンピオンズリーグで優勝してしまう。
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しかし、その後はなかなかタイトルも獲れず。
根性で、ロン2のレーティング1位に輝いたりしつつも。
目立つこともないまま、麻雀業界では、Mリーグが発足。
Mリーガーという、輝く大きな1等星ばかり目立ってしまう星空に。
プロになって8年後。
6等星の彼は、気づけば能登半島の彼方に、また沈んでしまった。
さて。
わしがそんな庄田くんと、輪島で海鮮丼を食べている頃。
麻雀界隈では。
赤坂ドリブンズの契約更新発表で、ファンが騒いでいた。
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村上ずんこと、丸山まるこの
早い話、解雇である。
わし個人はかなり遅れて、その発表を帰りの電車で知った。
丸山さんの解雇については、あまりショックはなかった。
そうなるだろうと予測し、かなり前から覚悟して、やがてくる激しい寂しさに備え、耐える心の準備をしていた。バッチコイである。
そうはいっても、やっぱり寂しい……!
帰りの電車、穴水から七尾へ向かう、鈍行列車の座席。
丸山奏子という、無名の若手が。
Mリーグ2年目のドラフト。
ドリブンズに入団した、あの日を思い出していた。
わしの当時の感想は、今になって正直に言えば
(嫌だなあ、イジリずらいな…。誰だよあんた、面白いのかよ?)
である。
なにせ情報がない。初めて聞く名前。顔も知らない。
しかも漫画を描くために集めた、宣材写真やオフショットが。
とにかく「めっちゃ美人、それのみ!」なのである。
美人ほど、漫画に描きづらい生き物はいない。
パーツもバランスも整いすぎだ。似顔絵でまったく誇張できない。
どうやら「たまに眼鏡をかけている」くらいしか、個性の見当たらない美人さんを、どう漫画のキャラにすればいいのだ?
ちなみに、これが
「初めて丸山奏子を描いた漫画」である。
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わしが当時、がんばって考えたネタは
「おまえ誰だよ?」と大勢に思われてる、無名の子が。
逆に、有名な人たちに向かって「誰?」と言い放つネタである。
まだイジリ方がわからず、とりあえずの軽めのネタである。
しかし似顔絵を描こうと、よくよく顔を眺めたら。
とてつもなく、愛嬌が隠れていることに気づいた。
真面目な表情を作った宣材写真では、ただただ綺麗なお嬢さんさんなのだが。それが一転、笑顔になると…
めちゃくちゃ華がある!
大人っぽい可憐な美人が、笑うと一瞬で小学生のような、無邪気な顔に変わるのだ。おいおい、これは可愛いぞ。好きになれるかもしれない。
そう思ってた頃。
丸山さんご本人が、漫画のセリフそのまま。
「ふぁ〜〜〜ら〜〜〜お〜〜〜〜」
と、笑顔で言ってる動画が、ファンから送られてきた。
「この子、好き…!」になるまで、秒針の移動が必要なかった。
サービス精神がすこぶる高い、明るく素敵な女の子に間違いない。
しかもわしと同じ、出身が北海道の旭川市と知ってしまった。
もうこれは地元応援で、さらに好きに拍車がかかる。
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丸山さんのデビュー戦。
伝説となった見逃し倍満ツモ、さらに嬉し涙で、麻雀ファンも感動。
無名の若手プロが、輝く新星になるまで、まったく時間がかからなかった。
しかしその先、不穏な雨雲が、その星の輝きをゆっくり隠し始めた。
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とにかく丸山さんの出番がないのである。
みんな丸山さんの麻雀をもっと見たいのに、全然試合に出てこない。
1年目は、たった登板10試合である。
さらにチームも、初年度ほどの強さを見せられなかった。
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チームはなかなか勝てないし、丸山さんは出てこない。
とにかくドリブンズファンのムードが悪くなってきたので。
気分を明るく盛り上げ、ファンに鬱憤を解消してもらうために描く、そんな励まし漫画が増えてくる。こっちはあまり描いていて楽しいものではないが、ドリブンズファンは嬉しかったようだ。仕事ではないが、漫画家の役目とは、本来そういうものだと。
しかし翌年、わしの不満もおさえられなくなってくる。
いい加減、まるこを見せろと。
今年も変わらず、登板が少なすぎだろと。
まるこを出せ!
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この頃になると、わしが丸山さんを描く筆もノッて来る。
ノリノリである。キャラクターとして、何をさせても面白いのだ。
もっとネタの素材をくれ。そのために試合に出してくれと。
しかしこの年も、登板は10戦ちょっとと、試合をほとんど見られずに終わってしまった。「試合に出せ」を伝えたいネタ漫画が増えてくる。
![](https://assets.st-note.com/img/1685514569584-YCjn3blaxj.jpg?width=1200)
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あまりこういう漫画は、チーム関係者や本人が見たら、気分はよくないだろう。しかし漫画家は、大勢の読者の要望に答えるのが役目なので。
「まるこを出せ!」という大勢のファンの気持ちに寄り添ったものになる。
読者を放り出し、スターに媚びたら。
スターに好かれようと、漫画を描き始めたら。
風刺で生きてる職業の、漫画家としては負けよ。
案の定、どんどん嫌われていったのであろう。ドリブンズ関係者から、作品にいいねをもらうことはこのあたりから、ほぼなくなってしまった。
そして3年目のMリーグの決勝戦、ドリブンズは大炎上することになる。
くわしい話は今さらなので置いておくが、丸山さんが出てこない鬱憤も重なり、ファンはかなりの大荒れとなった。わしもだいぶ野次を飛ばした。
その野次を飛ばした後に、描いた漫画がこれである。
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なんとか丸山さんを試合に出してあげようと、わざと行方をくらます3人の先輩と。それより4人がいいと、一緒に来ちゃうまるこ。
そんなホッコリ漫画である。
もちろん漫画の中だけの、架空のドラマであり。
選手たちがどんな気持ちで、チームの方針と向かい合っていたかはわからない。ただのファンの願望である。
チームはとても悲しいくらいドライだが。
せめて選手は人間臭くあって欲しい。
このあたりから
「ドリブンズはいつか、バッサリ丸山さんを切るんだろうな」
…と、予測がついてしまった。
翌年、4年目のMリーグ。
開幕の瞬間、わしはこんな漫画を描いた。
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開幕の瞬間
「まるこを出せ!」から始まる
わし個人の、強い願望を吐き出した、個人的な漫画である。
ところが。
ところがだ。
この画像を、藤田社長がRTしてしまった。
Mリーグの開幕の瞬間。
Mリーグの一番偉い人が、ツイッターでやったことは
「まるこを出せ」の拡散である。
笑うを通り越して、怖くなってしまった。
しかし、この年もドリブンズは不調。
そして翌年も。
2年連続敗退。
![](https://assets.st-note.com/img/1685515905139-MfSol2Jy1u.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1685515930598-mRevXSiYxJ.jpg?width=1200)
そして、とうとう今年、5月末。
恐れていた日が来てしまったのである。
予想通り、丸山さんの解雇である。
さらに、ずんたんこと、村上プロまで解雇は驚いてしまった。
丸山さんと並んで、キャラクター的に、すごく愛されていた選手。
おそらく惜しむファンからいっぱい、チームへと野次がとんでいたであろうが。わしはその頃、能登半島は七尾駅で雨の中、電車がなくてシクシク泣いていて、その様子を眺める余裕はなかった。
たぶんツイッターでは、この話題で大炎上していたのであろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1685516744316-Bo27tnkitH.jpg?width=1200)
丸山さんと、村上さん。
この2人に共通点があるとすれば。
キャラクターが「人間臭い」ことである。
「泥臭い」とも言える。
とにかく、泣く。
苦しんでは泣き、嬉しくても泣く。
わしらも、ついつい、もらい泣く。
契約を切った理由は、監督のみぞ知る。
丸山さんはまだ若手で、オジサンより未熟だし
村上プロは運が悪すぎて、かなり負けすぎていた。
しかし、わしが想像するに。
思い切ってチームを大改革し
「理想の強いドリブンズ」を、あらためて構想した時に。
どこか、この2人が持つ「人間臭さ」が。
淡々と勝利を目指していく、ドリブンズのチームカラーに合わず。
未来の構想に、イメージが合わなかったのかも知れない。
人間臭く、泥臭いチームカラーといえば、雷電なのだが。
ずんたんとまるこ、この2人だけでも雷電に匹敵できるくらい、ドラマチックで泥臭いのだ。
汗や涙や根性、それはもう、ドリブンズには合わないだろう。
勝利への確実なルートを、心を揺らすことなく、黙々と追い求め。
勝った時も、負けた時も。
園田さんのように笑い飛ばし、たろうさんのように自然体で受け止める。
2人は、そんなドリブンズのイメージに合ったキャラである。
ドリブンズの強者アピールは昔から「余裕を見せること」だった。
自分の麻雀を信じて、揺れない、あわてない。それがドリブンズ。
しかし、まるこやずんたんのように、たった1勝に涙を流してしまうキャラクターは。ファンがいくら感動しても、チームとしては、何かイメージが違うのだろう。
ドリブンズにとって、感動なんていらないのだ。
弱いからじゃない。
ずんたんなんて、強いに決まってる。
脳みそ、怪物だぞ、あれは。
ただただ、解雇の最終的な理由は。
シンプルに、チームに合わないのだ。
それだけだ。
選手はまったく悪くない。
わしは「勝手に」そう考えて、無理矢理に納得することにした。
野次を飛ばす時間があるなら、その時間で応援した方がいい。
そして、ここが大事なのだが。
そんな泥臭い、ファンを感動させる、熱っぽいドラマチックな選手を。
いらないチームより、欲しいチームのほうが多いに決まってるのだ。
あの2人を。涙を呼び起こす、あの2人を。
絶対にエンタメの世界の偉い人は、放ってはおかない。
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能登半島からの、帰りの新幹線。
「わしはなんで庄田なんぞに会おうと、地の果てまで来てるのだ?」
と、あらためて、首をかしげた。
金もかかるし、時間もかかる。
昼に輪島を出て、東京についたのは夜の22時だ。
これが能登半島の果てに、丸山奏子が待っているなら。
その手段が、徒歩でも、五体投地でも、喜んで進む。
Mリーグで輝いた大スターには、その価値がある。
しかし同じ年齢とはいえ、庄田くんは、6等星。
うっすらと光る、ちっぽけな星だ。
世間では今、まることずんたん、大きな流れ星2つを
目に涙浮かべ、大勢が見つめている。
しかしそんな頃、わしはなぜか庄田くんを見ていたのだ。
庄田ボーイと丸山奏子、6等星と1等星。
輝きが全然違う、2つの星。
「自分も、ああ生きられたらな…」
そんなこと、47歳のわしは
この2人を眺めて思うことはない。憧れはしない。
つまり、まだまだスターではないのだ。
しかし、そんなわしでも
多井たかはるプロを眺めては、つい、そう思っちゃうことがある。
今年度、優勝チームのボスだ。大人気選手。名声も金もある。
優勝後の配信では、開始3分くらいでスパチャが50万円を越えていた。
しかし、その華やかで景気の良い光景を眺めてる時に
「ああ生きたい」とのセリフが、心のうちに流れたことはない。
「うらやましい」や「いけすかねえ」は、心のなかで連呼しているが。
その憧れの眼差しは、お金に対してである。
もし同じお金をもらえるなら、この自分のままでいい。
しかし多井プロが、苦しそうにツモリながら、ここぞの牌を引いてきた、その刹那。その感無量の表情を眺めた時。
モニターの前のわしは
「自分も、ああ生きられたらな…」
と、うっかり声を漏らしてしまうことがある。
シンプルにいえば、勝利の結果よりも、その瞬間のかっこよさに痺れているのだろう。一瞬、夜空が昼間になったような、まぶしい輝きだ。
その一瞬以外は、ただの面白い顔のオジサンである。
でも楽に順当に生きてきた人間では、作れるような輝きじゃない。
ほんの一瞬だ。今までの努力や苦悩が実った瞬間。
あの顔を、自分も誰かに見せたい。
若き日の庄田少年は、同じように。
そんな麻雀プロの姿や顔を見て、輪島から動き出し、東京に出ていった。
輪島から人を引っ張り出すなんて、小島武夫はとんでもない引力を持っていたんだなと驚いてしまう。重力とも言える。
そうさせてしまう引力の強い人間を見た時
「自分も、ああ生きられたらな…」
と、人は思うのだろう。
たった一度の人生、軽くフワフワ生きたくはない。
誰かに影響を与えてみたい。心を揺さぶりたい。
そう、スターとは、輝きじゃない。
引力であり、重力だ。
そして今わしは、泥にまみれてジタバタしてる庄田くんを
「面白いw」と思って、東京から輪島へと、逆に引っ張り込まれた。
あの小さい輝きの星にも、何かの引力はあったのだ。
つまり、のちのスターの素質がある。
ちなみに、あの太った身体の重力は
東京で知った、つけ麺が作り出したものらしい。
おそらくMリーグという星座から離れると。
どんなスター選手であろうが、以前よりも輝きは失い。
星座図を眺めながら、キャッキャと夜空を眺める子供たちの、その視界からは外れ、隅っこでポツリと光ることになる。
それでもなお、丸山奏子の試合には強い引力があり、小さい体には重力があり。あんな庄田くんにすら、ちょっぴり引力がある。
時にジタバタ、時にじっと我慢。
不器用で、その人生はいつだって、都合良くはいかないけれども。
そんな姿を、ついついわしらは眺めて共感し、同情し。
そして今後も期待し、見つめ続けては応援してしまう。
人生の浮き沈みこそドラマ。
そこに立ち向かう姿こそが、引力なのだ。
ドリブンズの目指すかっこよさに、重力はあるのだろうか?
…なんて考えてしまう。
星座から外れても、まだその後も、人を引き寄せる力があるのかと。
たろさんは、園田さんは。そしてやがてくる新選手は?
Mリーグの星座に輝けるのは、おそらく全員が一瞬の時間なのだ。
しかし、その後も麻雀プロ人生は、老後まで長く続くのだ。
わしは、ずんまるちゃんねるで
村上プロの、契約解除後のコメントを聞いた。
「年齢は48…麻雀の力が上がるかどうかは、かなり難しい…」
そう村上プロは、寂しそうな表情で語った。
わしは正直あきれた。
アホかと。どんだけ素直でピュアな男なんだよと。
わしも同じ歳だから、言ってることはよくわかる。
日々、衰えは痛感するし、本音だろう。
でもそんなこと、わざわざ言わなきゃいいのに…と。
「まだまだやれます!強くなります!」って言えばいいのに。
自分がピークを過ぎたこと、アピールしてどうすんだよ…。
なんて、思いながらも。
![](https://assets.st-note.com/img/1685520781947-Yy2ACz6Su3.jpg?width=1200)
そのTシャツのプリントが、全裸の男たちだったり。
そのバックで、タイミング良く、カラスがカアカア鳴いてたり。
面白すぎるwwwww
そこで、カラス鳴くかね。
頑張れって気持ちで、キュンキュンしてしまう。
たぶん大勢が、この麻雀以外は不器用なオジサンを眺め、そう思っているのだろう。今も、これからも。
村上淳、この人の人生に、引力しかない。
ズルいくらいに。
みんなずっと眺め続け、この2人を応援していくのだろう。
その応援が頂点に達したところで、また星座に戻るのだろう。
そんなこんなで、ジジババになるまで。
広く長く、愛されながら。
…と、安心したところで。
雑多な感想を描き並べたが。
最後に、この言葉で終わろうかなと思う。
まるこを出せ。
まるこはいいぞ、まるこは。
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