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麻雀界隈に疲れました(その2)

漫画家はSNSのオモチャ


わしがもし漫画の夢や才能もなく、何もない20代の小僧だったら。

きっと地元でアルバイトでもしながら。
雀荘に連日通っては、たまにパチンコ。
仕事に疲れ、自宅に戻って服を脱ぎ散らかし、スマホを握り。

麻雀が唯一の趣味だからと、Mリーグを眺め、SNSで麻雀の話題を追い。
一番の楽しみはゴシップネタや炎上ネタに乗っかり、誰かをめちゃくちゃ叩くこと。さあストレス発散だ。

バイト先では上司から理不尽にキレられ放題だが。
SNSでは自分は匿名で無敵だ。少しでも麻雀プロに、非のありそうな発言やアクションがあれば、まるであの上司のように思いっきり叩きまくれる。
ああ、なんて楽しいんだろう。
お、強打したのか、けしからん、上司のように怒ったれ!

……そんなことを、わしも思って、やっていたかもしれない。

そんな小僧ばかりの麻雀タイムラインに。
ある日、漫画家が現れた。

「ウヒョ助」あきらかに、3流の漫画家のペンネームだ。
聞いたこともない。雑魚もいいところだ。

「ボクは麻雀が大好きな漫画家です。鉄鳴きの麒麟児という麻雀漫画を連載することになりました!よろしくお願いいたします!天鳳も頑張ります!」

…さて、小僧たちはこの漫画家を、どう見るだろうか?

「ああ、そうなのか。応援してあげよう」

と、なるであろうか?
きっと他のジャンルの業界だったら、応援コメントがそこそこ集まるだろう。「好きになってくれてありがとう」「漫画にしてもらえて嬉しいです」などなど。ほぼほぼ社交辞令だが。

麻雀界隈なら、さてどうだ?

もうみんな想像がつくはずだ。12年前は、今みたくライトファンなんていない界隈だ。雀ゴロやイキリオタク、説教くさいオジサンしかいない。

ただの、馬鹿にされ続けるオモチャですよ。

今もですよ。変わんねえ。


このウヒョ助とかいう漫画家、だいぶ俺たちにペコペコしてくるぞ?
どんなに悪口をぶちこんでも、明るく面白く返そうと頑張ってやがる。
しかもすべてのリプに、丁寧に返信している。
俺たちと仲良くなりたくて媚びてるのか?
それはいい気分だ、もっとバカにしてやれ。
この漫画家フォロワーも少ないし、固定ファンなんかもいないだろ。
どんなにイジメても、味方のファンからやり返されることもない。
個人だから、麻雀プロみたく、後ろの団体や仲間が出てくることもない。
ヒャッハー、オモチャだオモチャだ!

これがツイッターを始めた、わしの1年目である。
まあ、しんどいですよ。

でも馬鹿にされても、オモチャになっても、きっかけで覚えてもらえるし。
「鉄鳴きの麒麟児」という作品も知ってもらえる。
なにせコミックス1巻が売れなければ打ち切りなのだ。

SNSでの努力、この1年以内が勝負だ。

Mリーグもなかった12年前、麻雀ファンたちのブームは
ネット麻雀「天鳳」である。

何者でもない自分が、家にいながら、匿名のまま。
全国の猛者と腕を競い合い、そして一目置かれる存在になれる。
特に九段、十段。はては天鳳位になれば。
そのへんの麻雀プロよりも、有名になれて大人気。
この麻雀界隈で、神様のような存在になれる。

当時の若者たちが、雀ゴロまでも、みんなががむしゃらに打っていましたよ。みんな根っこは麻雀大好きで、何かを夢見ておるのですよ。
本来は素敵な世界ですよ。

そんな中。

あの俺達のオモチャ、あの漫画家も天鳳を始めた。
ウヒョ助、あいつ麻雀上手いんか?
上手いわけがない。

さあさっそく観戦だ、馬鹿にしてやるぜぇ!!

…まあ、こうなりますよ。

「ウヒョ助ドヘタ鑑賞会、開こうぜー!」
友人の家に集まり、わしを馬鹿にするため
観戦するイベントが開催される。
募集される。

そんなログを見ながらの、天鳳ですよ。
しんどいですよ。
たぶんそのへんのプロより、観戦者多いですよ。
ミスるたび晒され。馬鹿にされ。同卓すると嫌がらせ打ち。

そんなノリの若者たちの中には、現在プロになった者も多い。

全員覚えているからな。



おまえがタイトル穫った時、掘り起こして、大声でいうからな。
このプロは、人の麻雀を馬鹿にして、笑って遊んでいた
クソみたいなやつだと。
拍手の中、6万人フォロワーの、この大声で言ってやる。

クソ野郎だと。

名付けてドルフィンアタックですよ。
忘れたような顔で生きやがって。
ただ、おまえら。
まだタイトル獲れてねえけどなぁーーーーーーーーっ!!

さてそんなこんなの中。
わしは漫画の宣伝のために、一つの目標があった。

当時「鉄鳴きの麒麟児」の監修の渋川さんが、天鳳十段
当時は十段もなかなか達成者がいなかったので、この頃からすごい。

そして、近代麻雀の担当編集者が、天鳳八段

わしは「ウヒョ助」のアカウント名で
連載同時に天鳳をイチから始めたばかりである。

ネット麻雀打ちが主人公の漫画なので、もしわしが段位を上げることができれば。それこそ上級者たちが力を合わせて作ってる麻雀漫画。
これば勉強になりそうだと、若い子たちに注目してもらえるかもしれない。
わしも天鳳を頑張ろう!目標は、七段!

結果。

頑張りすぎた…。
こっちは漫画の宣伝に、ガチで人生がかかっておる。
命がけだ。


天鳳九段を超えて、十段が目前に。
Rランキング1位になってしまった。
ネット麻雀の頂点を踏んでしまった。


想像してくれ。
1年たっぷりドヘタと馬鹿にしてた漫画家が、ある日
自分たちが届かない段位にタッチしてしまったのだ。
「わあ、すごいな! 見直したぜ!」
って、なるだろうか?


なるわけがない。


麻雀界隈の陰湿さをなめるな。
大勢が心を一つにして、壮大なイジメのオーケストラですよ。

思うことは「SNSやめたい」ですよ。
でもこちらは食わせなくちゃいけない家族がおるもので。
そうはいかないのですよ。

このあたりくらいから
「やめるくらいなら、いっそ喧嘩してやるぜ、もうアッタマきた!」

徐々に、みんながよく知ってる
「喧嘩屋のウヒョ助」が形成されてまいります。

徐々に、理不尽すぎる悪口には文句を言い始め。
言い返し。

この時あたりから「わしに言い返されたやつ」が
現在の、わしのアンチの半分ですよ。

「オモチャに殴り返された、陰湿ないじめっ子たち」ですよ。

それでも「わしは」「じゃろ!」
みたいな口調になるのは、まだまだ数年先のことでした
ボクは…と言いながら、敬語だけど、ハッキリ言い返す。

これがツイッター2年目くらいでございます。


良くも悪くも自由な協会プロ


SNSはしんどかったのですが。
悪い人ばかりじゃ、もちろんありません。

「応援します!」「読んでみます!」「天鳳頑張って!」
と、声をかけてくれる新しいファンとも知り合えましたし。
売れない漫画家でも、過去作品を知っていてくれて、やさしかった読者さんもいました。すぺねこさんとか、そうですな。

連盟プロからは、相変わらずガン無視されておりましたが。

一番、当時のわしにやさしかったのが。

協会プロ!

日本プロ麻雀協会、呼びやすく「協会」ですよ。



元々、監修の渋川さん協会の所属ですしね。
渋川さんは当時から、仲間にすごく好かれていた若手プロでしたので。
当時、作品の話題をしてくれる協会プロが多かったのですよ。

特に天鳳を頑張っていたプロは、早いうちからフォロワーになってくださいました。あれは嬉しかったなあ。

須田プロ、橘プロ、綱川プロ、矢島プロ、あと誰だっけあいつ?
あ、思い出した、比嘉プロ
あれから12年。みんな売れたなあ。
みんなが知る名前、知る顔になって。大活躍してるもんね。

比嘉プロ以外。

今は行方不明


協会プロが、無名の漫画家でも、やさしくかまってくれまして。
だから頑張れたって感じの、SNSのスタートですよ。
そこはとても恩を感じておるのですよ。

協会は、他の団体と比べて、所属プロの年齢が若いのですよ。
団体に偉い人も、頭が固いジジイなんて少ないし。
代表の五十嵐さんが、サイバラ先生にこれでもかと漫画でイジられてオモチャにされてきた人なので。

偉い人たちが、ヤンチャ盛りの、若い子たちの気持ちをよくわかっており。
若い子に寛容なのですよ。かつて自分たちもヤンチャですし。
それが協会のいいところなのですよ。

なのでヤンチャっ子には、おそらく居心地の良い団体だと思われ。
自由に発信して自己アピールしたい芸能界の方や。
「いつ辞めてもいいや」気分のヤンチャな子とかが

思い出づくりのように加入してきます。

連盟や最高位戦は、所属プロに対し
「ファンに見えるところでのヤンチャ」には厳しいのですよ。
連盟だとガッツリ叱られ、最高位戦だとドライにクビになる。

協会は「わかるけど、やめようよう」と寄り添う感じで。
「体罰のない戸塚ヨットスクール」みたいな場所ですよ。

でも伸び伸びさせた結果。
かつてのヤンチャっ子が、今、そこそこ大人になって、看板スターになっていますので。悪くはないのですがぁああああああああああ。

わしがSNSを始めて12年。
プロからのアクションで、不快に感じたり、悪口言われたり、馬鹿にされたり、雑に扱われたり。嫌な思い出は。

8割以上、協会プロからなのですよ。


わしの陰口言いながら、見つかっても気にせず、アイコンの似顔絵を頼んでくるやつもおるからね。さすがに笑っちゃって、引き受けたんだけど。そのハートの太さは、麻雀強くなると。

アイコン頼んでおいて、完成品をSNSにアップしない子もおる。
見ただけかい、と。気に食わず、アイコンに使わなくてもいいけど。
アップはしてくれよ。きみ個人が楽しむために、わしは休日を1日使ったのかと。

こういうの全部、協会プロ。

バツが悪いこと指摘されて、あいつをだまらせろと
編集部に圧力かけてきた女流プロも、協会プロ。
あいつ、元気?

フランクに拡散の頼み事をしてくるのも、協会プロが多く。
でもそれは可愛いのですよ。
人によっては、頼み方がずいぶん雑だなあw…思いつつも
そのガツガツさが大事な時期ですので。応援したいのです。

ただ、たまに雑すぎて、ううう…ってなることも多く。
おまえ親しくもないのに、そのDM。
同じ文面で、片山先生や森川先生に送れるのかと。
送れないだろ。

じゃあわし相手にもダメだ。
3流の漫画家とはいえ。
こっちも「わしのこと3流と思ってるから、このDM送れるんだな」ってわかるので。気分いいわけないだろ。送るな。

ちなみに連盟プロから嫌なことをされたことは、ほぼゼロなんですよ。
12年間で。まったく。
せいぜい厚谷くんにイラッとしたくらいで。可愛いもので。
おまえ協会行けよw

なので、先日も若い協会プロから2連続、オラついたアクションをいただき。しかも忙しい時に長時間、粘りに粘り。
最後は不良丸出しの口調で、49歳の漫画家に。
おうおうおう職業見て、なめやがって。

まわりは眺めるだけ。仕事は遅れるわ、体調悪い中イライラするわ。
仲間内にウケたいだけの、しょうもないアクションに。

で、吐き捨てたわしへの悪口に、いっぱいつく、いいねのハートマーク。

わしの知らないとこで、知らないうちに貼られていた
若手プロの、コピペみたいな謝罪文に。
「謝罪させられて可哀想〜〜〜」みたいな、仲間内の声。

ログ読めや…。
勘違いかつ、フライングの、クソ絡みじゃねえかよ。
意味わからないなら、一連のログをちゃんと読むか
「どういう意味ですか?」を1回はさめよ。
なんで初手から、オラついてこれるのじゃ。
勘違いとわかってから、クソ粘りしやがって。

漫画家をナメてるのか。
まあ、ナメるよな。

でもまわりの人は、ログなんか読まないんですよ。
頼み事はしやすい漫画家だけど。拡散便利グッズだけど。
漫画家と、団体の仲間を天秤かけたら、やっぱり仲間なんですよ。
「何があったかしらないけど、可哀想」なんですよ。

わしが謝れって言ったわけじゃねえわ…。
絡まれて、仕事遅れて、最後は悪者かよ。
拡散応援してた子たちからも、悪者エンドかよ。
相変わらず、オモチャかよ。

いいか。

この12年、可哀想なのは

わしじゃああああああああああああああああああああああ!!!


このへんで、だいぶ「若手の応援なんて、もう嫌だ」になって。
この12年の、最後の我慢が、パーンってなった感じですな。

拡散応援するんでも、RT押せばいいわけじゃないからね。
その中身を読んでもらえるよう、つけたす言葉を選ぶのも、にぎやかすもの、そのための下調べも、けっこうお時間かかるんだけどね。

フォロワーを増やすお手伝いは、もっとお時間かかる。

そんなの何百回がんばったところでね。わしは外の人間だからね。
仲間内で「可哀想、ウヒョ助ひどいねえ」で終わるんですよ。

無駄な時間でございました。
疲れた。

12年目にしての、パーーーンですよ。

報われない。
何か見返りがほしいわけじゃない。
求めたこともない。

便利グッズの、オモチャは嫌だ。
みじめな気持ちになる。

頑張れば頑張るほど、みじめが積み重なるのは嫌だ。


それでもSNSは幸せになれる

嫌なことは、いっぱいあるんですよ。
まだ書ききれないけど、とにかくしんどいんですよ。

次章は
「Mリーグ漫画、描けば描くほど、ファンは傲慢に」
いきたいんだけど。
これけっこう可哀想だよ、わし。

もう、やめたいw

タフなわしでも、しんどいんですよ。
個人ですからね。

ただそれは「麻雀界隈」だから。
この世界の人間がきついだけで。

SNS自体は、ものすごい人生を変える力があるのですよ。
頑張ったほうがええのです。
特に若い子は。いい時代に生まれたものだ。


SNSを頑張れば何とかなるかも?…と始めた
「鉄鳴きの麒麟児」

4巻で打ち切りになりました。
ちょっと粘れたけど、やはりコミックスは売れず。
打ち切りです。

やっぱりSNSの宣伝だけでは、麻雀漫画は売れないのですよ。
Mリーグもなくて、世間から麻雀が隔離されていた時代ですよ。

ただ、4冊コミックスが出ている間に。
イジメられている間に。
フォロワーさんがかなり増えたのですよ。

ファンサービスを頑張る内に
応援してくれる人も集まりました。

言いたいことはハッキリ言う。
でも他人の応援や、ファンサービスは人一倍頑張る。

拡散力がなかった近代麻雀に、久しぶりにメガホン持って
注目される漫画家が現れたってことで。

打ち切りと同時に、続編が決まりました。

SNSが強い。
それだけでの、連載続行です。


おそらくこの先も、フォロワーさんを増やし続けるだろうと見込まれたのでしょう。


フォロワーが増えるほど、馬鹿にしてた人たちの態度も変わります。圧力かけてきた女流も、今は無理でしょう。とっくにフォロワー数を追い抜かし、編集者に送ったクソ圧力LINEも晒されて終わりです。

デマを流されても「これデマだよ」一発で打ち消せます。
コミックスの宣伝も、だいぶ効きます。

さあこのフォロワー数をどう使おうか。
復讐に使おうか。
なんて考えた時に。

やっぱり、冷静に考えると。
わしを応援してくれた方々のおかげで増えたフォロワーさんなので。
12年間でもらったものは、返さなくちゃ…という心境になりました。

Mリーグ始まったあたりですね。
今までも、できるファンサービスや応援をやってきたのですが。
より頑張るようになりました。

知らないうちに、連盟プロの皆さんにもフォローをもらえるようになりました。

今は、Mリーガーに近いくらいのフォロワー数。
拡散すると一発で、麻雀業界全体には届かせられます。

この拡散力は自分のためじゃなく。今こそ。

あの日わしが悔しかった時代と同じように
もがいてる若い子のために使うべきじゃないかと。

フォロワー500人の若手プロ
「ゲストがあります!」「フォロワーさん募集」と告知しても
なかなか読まれずに、SNSの波に流されていくけれども。

わしは約60000人に、届けられるんですよ。
ドヤッ!
そこに面白い紹介文を乗せて、コントみたいに会話もすれば
みんなジットリ読んでくれます

コミックスの宣伝と同じく読まれて知られてナンボです。
RT押すだけじゃ無意味。
相手を思うなら、ひと手間、ひと工夫。

可愛い自撮りに
「可愛いいいいいいいいいいい!」と絶叫して流せば
「ホントだ、誰?」とフォローボタンも押してもらえます。

可愛くない男子プロでも
「この子にフォロー押してあげて!」と叫べば
日頃Mリーグ漫画で楽しんでる人たちの中には

「漫画のお礼に、ウヒョ助のお願いを聞いてやるか」と
ポチリと押してくれる、やさしい読者さんも多いです。
けっこう多いです。

そのために描いてるMリーグ漫画でもあるのですよ。
普段何もしないやつが、何も与えてくれてない人が。
いきなりお願いしても、人はきいてくれません。

その繰り返しだと思うんですよ。この先、10年20年。
もらったものを返す。またもらう。返す。

ただ

麻雀業界、そんな報われないw
さすがに12年間でわかる。

黄河のんに「頑張れば報われるってば」と、かけ続けた声も
今は自信がない。
「頑張れば報われる、麻雀界隈以外!」って言いそうだ。

なので、これからは



女子プロレスですよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!

黄河のん、マスクかぶれ。

次の章では
「Mリーグ漫画はけっこうしんどい」
「ピークアウトはもっとしんどい」

の愚痴を垂れ流そうかなと。



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ウヒョ助
ご機嫌がよろしい時、気分で小銭を投げていただくと嬉しいです。ただあまり気はつかわず、気楽に読んでくださいませませ。読まれるだけで感謝です。