『あなたの涙は蜜の味』イヤミス傑作選を読んで
パッとしない子/辻村深月
福の神/宇佐美まこと
コミュニティ/篠田節子
北口の女/王谷晶
ひとりでいいのに/降田天
口封じ/乃木アサ
裏切らないで/宮部みゆき
豪華なメンバーのこのアンソロジーはハズレ作品がありませんでした。
みんな違ってみんないい。
辻村さんの「パッとしない子」と篠田さんの「コミュニティ」は既読でしたけど、再読でもやっぱりちゃんとゾワゾワ気持ち悪くて抜群に面白かったです←変態
嫉妬とか承認欲求とか歪んだ優越感とか、おんなって怖い。だけど、傍目から冷静に読んで気持ち悪さを楽しんでしまえるのがイヤミスの良いところですよね。どんだけイヤミス好きなんだって、自分で自分にひきますけど、人の振り見て我が振り直すって気持ちになるから良しとしてください。
作品の感想を一言ずつだけあげときます。
辻村さんの「パッとしない子」は考えなしの勘違いおんなが絶望しつつも今後も変わらないんだろうことを感じさせられ、ちょっといい気味だと思いました←性格悪い
宇佐美さんの「福の神」のなんとも言えない気持ち悪さはさすがでした。
篠田さんの「コミュニティ」は団地の団結感の気持ち悪さがありそうでなさそうで、でもありそうで嫌な気持ちにさせられました。
王谷さんの「北口の女」は最後の咆哮にやられました。うまいなぁー!
降田さんの「ひとりでいいのに」は死んで欲しいと願うほどの憎しみ合いの怖さにゾッとしました。
乃木さんの「口封じ」は嫌な主人公の嫌な仕返しになんとも嫌な気持ちにさせられました。
宮部さんの「裏切らないで」は火車を彷彿とさせる題材で多方面から嫌な気持ちにさせられました。やっぱ宮部さん好きだわ!
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