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無農薬について②

前回に引き続き、無農薬について、とりわけ今回は、僕が営む自然農と無農薬の関係について書いていこう。

自然農の最大の魅力は、目の前の自然への向き合い方にあると思う。

現在、一般的に知られている農法は数多あれど、自然農はそれらとは全く違う態度をとる。

人間が自然をコントロール下に置き、その成果物としての野菜を獲得する従来のやり方ではなく、自然の営みに沿い、応じ、従い、任せることが自然農の本質であり、醍醐味だと言える。
人間が自然を従わせる「〜農法」と、自然の営みに寄り添う「自然農」は、その一点において全くの別物だろう。

自然農には、①耕さない②農薬、肥料を使わない③草や虫を敵としない、という原則がある。
人間は、自然農の畑の序列においては、草や虫と同じであり、一つの生命でしかない。草や虫を農薬で制御することは、周りまわって人間の生命をも奪うことにつながる。

農薬の原料は遥か遠くの土地からやってくる。その過程で消費する生命の数は計り知れない。遠くの国の生態系を破壊し、自分たちの食べる野菜を作ることは、結果、環境を破壊し、自分たち人間の首を絞めるだろう。

食料生産性の向上を否定するわけではないし、誰もがその恩恵に預かってきたことは言うまでもない。
けれど、人間のエゴが行き過ぎたらどうなるか、少し考えてみてほしいと思う。

「人間→自然」ではなく「人間=自然」という態度が自然農の魅力であり本質なのだ。


自然農は、宗教であると言われたり、スピリチュアルなイメージがあるらしい。綺麗事を並べただけのアマチュア農家とも。
顔の見えないSNSの世界で飛び交う批判や嘲笑は、誤解や偏見を増幅させていく。

わかりにくい部分はあると思うが、怖がらずによく調べてみてほしい。

自然農にはそもそも農薬を使う理由がない。それは自然への敬意であり、生態系への当たり前の態度である。

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