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形態構築アプローチの概念と診方 その5

書籍「形態構築アプローチの理論と技術」を持っていない、知らない人は知っていただくために(^^)/
持っている人は書籍の内容がより理解できる様に、そして臨床で活用できる様に、弟子の土屋元明が研修で学んできた事を踏まえて解説いたします。

今回は運動域を確保する際に押さえておきたいポイントです。
是非一読くださいm(_ _)m

動きのこだわりテーション 土屋元明


運動域を確保する際に
押さえておきたいポイント


前回は体幹の運動域について説明しました。

そして今回は、運動域を確保した上で、体幹を前方または後方に移行すると、身体にはどういった変化が起こるのかについて説明していきます。

さらに、四肢の関係についても少し触れていきます。この内容が理解できるとアプローチの幅が広がると思います(*^-^*)

体幹前方移行のポイント


体幹を前方に移行することで、四肢は図14の様な関節可動域の変化が認められます。ただし、他動運動と自動運動における対応は少しだけ違いがある事を知っておいてください。

それは、他動運動で関節可動域に変化を与えたい場合は、体幹を前方移行にしたまま、セラピストが関節運動を行うということ。そして、自動運動で関節可動域に変化を与えたい場合は、体幹を後方から前方に移行しながら、相手が関節運動を行うということです。

ベッド上でセラピストが、マイルドに関節可動域の拡大を図りたいのであれば、他動運動を選択すると思います。この場合は、あらかじめ体幹を前方に移行させておけば、四肢は図14の様な関節可動域の拡大がみられるということです。

また、患者自身が得られた可動範囲をしっかり動かしてほしい場合は、体幹を後方から前方に移行させる運動域を確保しておけば、四肢は図14の様な関節可動域の拡大がみられるということです。

このことを理解して臨床を行うと、様々な発見があると思います(*^-^*)


体幹後方移行のポイント

体幹を後方に移行することで、四肢は図15の様な関節可動域の変化が認められます。ただし、これも他動運動と自動運動における対応は少しだけ違いがある事を知っておいてください。

それは、他動運動で関節可動域に変化を与えたい場合は、体幹を後方移行にしたまま、セラピストが関節運動を行うということ。そして、自動運動で関節可動域に変化を与えたい場合は、体幹を前方から後方に移行しながら、相手が関節運動を行うということです。

やはりこのことを理解して臨床を行うと、様々な発見があると思います(*^-^*)




手と足の関係と機能について


「ヒトという動物は後脚で胴体を運ぶ生き物ですが、四つ足動物で使っていた機能を今も上手く活用している」と山嵜先生は言っています。

この機能というのが、手の撓屈/尺屈と足の内反/外反の関係であり、対側の関係で機能を成しています(図16)。
(これを活用したアプローチは研修ノートに記載しております)


手の撓屈は対側足の内反と相関し、手の尺屈は対側足の外反と相関します。
そして、撓屈は上肢屈筋を優位にする機能があり、内反は下肢伸筋を優位にする機能があります(尺屈は上肢伸筋、外反は下肢屈筋となります)。

つまり、四つ足動物が移動する際の機能そのものなのです。

例えば、右後脚と左前脚を振り出す場合、右後脚(右下肢)は外反で屈筋を優位に働かせないと振り出すことはできず、左前脚(左上肢)は尺屈で伸筋を優位に働かせないと手を伸ばしてつくことができないということです(図17)。


少し難しかったですか?
これが理解できると臨床で様々な事に応用できますよ(^^)/
そして、次回は治療効果を持続させるインソールについて説明していきます。

形態構築アプローチという考えに少しでも興味をもっていただいたり、再び興味をもっていただければ幸いです。あなたの臨床のヒントになれば幸いです。


動きのこだわりテーション 代表 土屋元明
理学療法士/JMFS常任理事

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