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「テュルク世界にロマンを感じませんか?」: 昔とある後輩に逆に聞かれた話

おかげさまでnoteの記事も、だいぶたまってきました。これもひとえに、リアクションやサポートをしてくださるみなさまのおかげです。心より感謝申し上げます。ありがたいことです。

引き続き応援していただけたら、私は「のぼせ」(こちらの方言で「お調子者」とかそういう意味で使われる言葉ですね)なのでさらに記事が増えていくと思います。どうぞ引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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さて、テュルクテュルクとうるさいほどSNSで書き続けている昨今ですが、すでにいろんなところで書きましたように、大学のトルコ語専攻からスタートした私、最初からアゼルバイジャン語やウズベク語などに関心があるというわけではありませんでした。ましてや、タタール語などとてもとても。

特に大学院生になってからは、ことばの分析の方法論に関心のほとんどが向かっていたので、その分析の対象にするのはトルコ語だけで手一杯という感じでした。その際も、他のテュルク諸語ではどうなのか、という視点はほとんどなかったように思います。日本語の文法もあまり興味なしといえる状態でした。

奇妙なことに聞こえるかもしれませんが、今でも日本語を単独の対象にした研究や分析に関してはまったく自信がありません。常に「トルコ語の文法から見て」というフィルターを通して見ないと(または、最近はそれこそアゼルバイジャン語やウズベク語も脳裏には浮かびますが)日本語の文法はこうだ、と言えないというのが正直なところです。

それもそのはず、実際に言語をコミュニケーションのツールとして話す・話せるということと、分析ができる(または、先行研究を把握した上で新しい知見を出す)というのは全く違うことなのです。

ある人はこの関係を、「車が運転できるか」ということと「車の構造を知っているか」ということに喩えていましたが、なるほどこれはうまい喩えだなと思ったことがあります。

ともかくそんなわけで、トルコ語、またそれを分析するための方法論が学術的な関心ごとのほぼ全てだった頃、大学で、私はその学生氏に会いました。

彼もまたトルコ語専攻の学生でしたが、奇抜なカラーリングのファッションでキャンパスを歩いていたので、見つけやすかったことを覚えています。

ここ最近は直接会っていないですが、最近数年はだいぶ落ち着いて来ているような気もしますがそれは本題と関係ないので、さておいて。

その学生氏、とにかくトルコ語だけじゃなくて、テュルク諸語やらユーラシア大陸やらのことを熱心に語るのです。やれウズベク語は面白いとか、他のテュルク諸語に関心がある、とか。

もちろんそれはそれで彼の考えることだからいいのですが、言語学に興味ある、と堂々と言った先のその発言だったので、ちょっと欲張りすぎなんじゃないの、と当時若かった私は思ったわけです。

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対象言語はとりあえず絞ったほうがいいんじゃないの?と。本人にもそれを直接話したことがあります。今思えば私も余計なお世話だったと思いますが。

そしたらその彼の返事が、タイトルに絡んだ内容で。正確には覚えていないのですが、このような趣旨でした。確かに彼は、「ロマン」と言ったのだけは間違いない。

「いやあ面白いですよテュルク諸語。あの地域にロマンを感じませんか?」

ロマン? …ロマン!? んーーーーーーー。

ロマンか…感じひんわー。

そう答えたと記憶しています。同時に、なんか見てるところが全然違うのかなあ、とも。

そんな彼は、その後トルコにも留学し、有言実行でロシア語まで勉強して、大学院にも進学してなんだかんだ言語学方面の道に進み、その後どういうわけだか私と同じ年に日本語教育能力検定試験を受けて、私よりも数日早く合格通知を受け取って喜びやがってこちらに多大なるプレッシャーをかけたり、トルクメニスタンに日本語教師として1年か2年ほど現地で経験を積んで日本に帰ってきました(以上、超早口で)。

その彼が、なんかnoteを始めたらしいぜ、という話をですね…したかったわけです…。

トルクメン語トルクメニスタン
いやあ、楽しみじゃあありませんか。テュルク系の国でも、かなり謎の多い国という印象があります。

どんな人たちがいるの。何を着ているの、何を食べているの。それおいしいのどうなの。首都アシハバードはどんな街並みなの。地方都市はどうなの。トルクメン語ってどうなの、等々。

ぜひ大いに語って欲しいなと、ようやくここ数年テュルク諸語全体に関心が向いてきた私は一読者として期待しているところです。テュルクにご関心のみなさまもぜひ彼の更新をチェックしてみてください。

先日、このリンク先の本を紹介しましたが、ええそうです。まさにその彼です。

で、冒頭の「ロマン」です。今はどうですか?と聞かれたらどうなんだろうなあ…

ロマンを感じるかどうかは自信がありません。でも、当時よりははるかに興味が持てているということは間違いないんじゃないのかなと。それを「ロマンを感じる」という言葉で説明していいかどうかも、自信がないけども。

ただ、若かりし頃の彼との会話でよく覚えているエピソードでもあります。なんとなく彼の紹介のついでに、そういうことを今日は月曜日だから(だからとは?)書いてみたってわけ。




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吉村 大樹
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