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【シリーズ】あるじとしもべのダイアローグ(3)

「おいコラ」
「はいあるじ 今日はずいぶんお怒りのご様子で…」
「お怒りもなんもあるか ちょっとここ座れ」
「ここですか またひざまくらですか?まったくもうハハh」
「アホか 正座せぇそこに 今日はおまいに説教します」
「説教ですか なにかわたくし粗相でも…」
「粗相やないかい 昨日のことや なにワイをバッグの中に押し込んどんねん」

「あるじ朝からしんどそうだったでしょ 頻繁にトイレ行ってて、それなのにぜんぜんおしっこも💩もしないから、ああこれは…と思って」
「そうや おトイレでぇへんかってん せやかておまい バッグに無言で詰め込むのはいかがなものかなあ」
「買い物バッグでは外に連れて行けませんから」
「それはそうやけどおまい 心の準備とかさせえよ 『あるじさまあるじさま 大変申し訳ございませんがこれからお外にお連れしないといけないのでどうかどうかこのキャリーバッグに入ってはいただけないでしょうか』的な」
「めんどくさいですねあるじ」
「めんどくさい言うな💢 おまいねこを飼うセキニンカンいうもんはないんか」
「なかったら日本まで連れて帰ってきませんとも あるじも苦労したでしょ」
「そうやねん もう2度とあのちっちゃなバッグには入らへんからな あれ捨てたか?ワイもうあのサイズじゃ入らへんで」
「記念に残してあります あとでプレミアものとして売れる可能性もワンチャン…」
「あるかそんなもん はよ捨てんかい ダンシャリやでダンシャリ コンマリでもええけど」
「まあそのうち。お話はそれだけですか?」
「アホ まだあるわ💢 それでおまい、何楽しそうにワイを車に乗せとんねん はしゃぎやがって」
「なんかこう、ねこと車で出かけると言うのもなかなかないことなので」
「おまいデートやないねんから 行った先がただの動物病院さんやないか ワイはな 獣医さんとでかいワンワンが世の中で大嫌いベスト3やねん あともう一つはアレや 爪切り」
「なるほど でも仕方ありません。トイレが不調なのはとても危険で…」

「…そんなに危ないの…?」
「危ないんですよあるじ。アンカラでも1度経験したでしょう おしっこも💩も出ぇへんいうて さんざん訴えてたじゃないですか」
「あーーー思い出した思い出した アレはもうまじ2度とカンベン」
「でしょ 同じ治療を受けに行ったんですよ よかったですね帰ってきてからさっそくなんとかトイレが出ていました」
「出た出た いちおうな」
「ただ油断はなりません。明日からは朝晩お薬飲みましょう これもアンカラで経験あるでしょ」
「えーーーー あれ嫌いーーーー」
「コドモみたいなこと言ってはいけません おしっこ出ないのとどっちがつらいですか」
「おしっこでないのがつらいです…」
「声が小さいですあるじ もっと大きな声で」
「おしっこでないほうがつらいです」
「でしょ ということで無理矢理朝晩飲ませますから逃げないように」
「グスン ワイほど世界で不幸なネコチャンはおらへんねん おしっこは出ぇへんわ車で動物病院とか言うこの世の果てまで連れていかれるわ おまいは道中やたらはしゃいでカーステレオ大音量で歌うたってるわ 帰ってきたら帰ってきたでお薬飲まそうとか言うわ」
「下部尿路ケアのごはんにまた戻したほうがいいよ、って言われちゃいましたね…」
「そうやな…ワイ、あの「体重ケア」のやつ気に入ってたのに」
「仕方ありませんあるじ やはり下部尿路ケアのほうで様子をみましょう ちゅーるのほうもいろいろな味のを買っていましたが、下部尿路ケアのに替えましょうね 残ったのは、親戚のネコチャンにでも…」
「えーーーーあげちゃうのーーーーー いやです」
「メッ またおしっこでなくなりますよ?」
「…」
「まあ、たくさん買っておいてあげますから また あるじのグッズも何点か売れましたし ナイス社長」
「ワイのグッズ売れたんかいな」


「よかったですねあるじ ファンがいますよファンが」
「ファンいるのうれしいな」
「うれしいですね 買ってくれた人にお礼を言いましょう」
「せやな ツイッターで言うとくわ」
「そうしてください というわけで注射も打ってもらって、よかったよかった」
「注射はでもやっぱり、何回経験してもいややな〜」
「まあそう言わんと。…トルコ語で『注射』はなんと言いますか?」
「注射っておまい…iğneやないか」
「あえてカナ書きしたらどうなりますか?」
「イーネ」
「でしょ…おあとがよろしいようで」
「◯す」

(次回に続く!!)

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