Kargoから入ったターキッシュ・ロック
トルコに初めて行ったのが1998年、大学3年生のとき。その時にイスタンブルで知り合った邦人留学生の方がおられて、その方からトルコの音楽でロックが好きなら、Kargoというバンドがオススメですよ、ということを教えてもらうということがありました。
思えばそこが、彼らの音楽にはまったきっかけでありました。
その旅行でたいしたお金も持たず、カツカツの滞在費の中からせめてCDの1枚くらいは買って帰ろうというので、Kargoというバンドの名前だけは覚えていて、街中のCDショップからアルバムを1枚買って帰ったのでありました。
リンク先がそのアルバムで、正直このアルバムは帰国後聞いてみましたが、今一つピンとこないなという個人的印象はあったのですが。あれだけ勧められたのだから、もっといい曲があるんだろうなというので、その後ネットでいろいろ聞いてみたりはしていました。
そしたら、ついに見つけた。彼らの名曲。この曲でしびれてしまいました。
Boğaziçi.「ボスポラス海峡」を意味する語です。シンプルな曲名ではありますが、それがまたいいではないですか…!
リリースは1998年というんですから、この曲が入っているCDをトルコに行ったときに買えていれば運がよかったのでしょうけどね。しかし、当時まったく勝手を知らないイスタンブルでもあり、CDショップでは見つけられなかったのか、はたまた気づかなかったか。とにかくネットのストリーミング放送でこの曲を聴いて、イントロからサビからボーカルから、全部にしびれてしまったのでありました。
なんせトルコ語専攻の大学生だったとはいえ、音楽といえば当時聴いていたのは邦楽がほとんど。洋楽といってもビートルズが好きだったくらいで、それ以外の音楽の知識はゼロでした。そんな自分にとって、トルコの音楽、それも伝統的なところではなく、ターキッシュロックに触れた、ある意味では記念すべき瞬間だったといえます。
以後、もし留学あるいはまたトルコに行くことになったなら、ぜったいKargoのCDだけは追いかけようと思ったことでした。で、2004年に留学したときには、実際見つけ次第買っていました。たとえばこのアルバムなども最高です。今でも長崎での市内移動で車を運転するときに再生したりしています。
音楽を語ることばを持ち合わせていないので、どこがどう具体的にいいと思うのかということをうまく説明できないのが申し訳ないのですが、このCDがベスト以外のアルバムとしては一番好きかもしれません。特にこのアルバムでは3曲目、"Son Kez"という曲…あとは7曲目の"Dur gelir bir an"が大変気に入っていました。
そんなKargoですが、ボーカルのKoray Candemirが脱退してしまうと、残ったバンドが全然違うテイストになってしまいまして…それであっけなくKargoから離れてしまったというオチではあるのですが。ボーカルが強すぎたんですねえ。しらんけど。
もっともその後、私自身は女性ヴォーカルのターキッシュロックにも目が行くようになりました。Özlem Tekinとか、一番最近のトルコ滞在だと2015-2020の間ですが、その時はŞebnem Ferahとか。
かっこいいんですよŞebnem Ferah. ぜひみなさんも聴いてみてほしい。
トルコ語がわかるかどうかはおいといて(音楽っていうのは、ひとまずその言語がわかるかどうかを一旦捨象できるというのがいいですよね。わかったらわかったでもちろんよいわけですけど)。
ターキッシュロックというジャンル、本当に数えきれないほどいいアーティストがたくさんいます。ぜひ興味のある方はリサーチしてみてください…邦人の知り合いだと、Mor ve Ötesiをこよなく愛する人にも会ったことがありましたっけね。あとはアンカラ出身のロックバンドというので、Seksendörtとか。
トルコの音楽というのは、本当に多様だなと改めて思わされます。
ポップスはポップスで中毒性高いものが多いし、伝統的な音楽もかっこいいし。私の場合はトルコ語を始めたことで、こういったところにもチャンネルが開かれたという恩恵にあずかっている、ということは言えるのかなと思っています。つまり、「音楽つまんねー」と言わなくてすむ人生を送れている。
なんせ車の運転をしながらでも、トルコ語の音楽を聴きながら勉強までできてしまうのですから。得した気分にもなれるというおまけつきでもあるわけでね!
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