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トルコ語講座の余談: 「授業後の雑談タイム」は正解だったはず

今年度はトルコ語の講座を公的に一つ、水曜日の夕方から毎週90分やってきました。いよいよ最後の学期も、残り数回となりましたが、最後までなんとか自分のテイストが出るトルコ語の講座になるとよいなと思うばかりです。

さて、まだ講座全体を振り返るには早いかもしれませんが、今年度の試行錯誤の結果得られたことを一つ、今日は書いておこうかと思います。

春学期の反省から

2021年度春学期はなんとか自分のトルコ滞在時代に経験したことなどを話して場をしのいでいたのですが、これではあまりに一方的すぎて、対面でやるのと明らかに差がですぎていけないなという反省がありました。

このままでは夏学期、秋学期と進むにつれて受講者は減っていくだろうなと思ったのです。ただでさえ内容的にも難しくなっていくのに、講師がただしゃべってるだけというのではつまんないだろうなと。自分が受ける側になった時のことを考えれば、それはもう明らかだったといえます。

ブレイクアウトルームと、オンラインの「オフィスアワー」

それで、もうちょっと受講生がアクティブに何かを演習する時間帯も必要だなと思って、他の講座でやっていたらしいというので、Zoomの機能の一つ、「ブレイクアウトルーム」を夏学期から導入するようにしました。

そう、Zoomの中でさらにいくつか部屋を割って、その中に参加者を割り振っていくシステムです。恥ずかしい話ですが、そういった機能を使うという発想は人に教えてもらうまでまったく考えもしませんでした。

これは効果てきめんだったように思います。何より、これを導入することで受講生がお互いにコミュニケーションをとることができるようになったのが大きかったでしょう。

対面ならもちろん受講生同士のコミュニケーションは期待できることの一つなわけで、オンラインでの授業でもそれが実現したというのはある意味講師(すなわち、講座の企画側ですね)としても安心できたことの一つでした。

そしてもう一つ、おそらく他の先生たちもやっている方は多いだろうなとは思いながら導入したのが、授業後の「オフィスアワー」でした。

こちらは、講座で使用するZoomアカウントは当然使えません(講座が終わったら早々にログアウトしなければならない)から、自分のZoomアカウントをお伝えして、そちらのほうに来てもらっていました。

ご希望の方、すなわちトルコ語が話し足りない方、質問がある方、受講生どうしで話がしたい方どなたでもどうぞ、という時間帯を設定したのです。当初は週に2回、1時間ずつ時間を設定していました。

講座の日のすぐ後に1時間、その時間帯は来れないという人もいるかもしれないと思ってさらに週明けの夕方に1時間。ご都合のよいほうにいらしてください、とお伝えしたのです。

ただこれは、導入してみますと講座の直後の時間帯の方が圧倒的に参加率が高かったのと、自分にとっても週2回は負担が大きかったので結局週明けのほうは途中でこちらが撤回。講座の直後にすぐ開くようにしました。

講座の体制、および使用しているGoogle Classroomの仕様上、どうしても直接受講生の方が講師に質問がしにくいということがあったようなので、その解決策の一つとして提示したことでした。

苦肉の策でしたが、おかげでメールに書いて質問するまでもないことなどを、講座終了直後に拾えるという点ではこちらにとってもなかなかの策だったかもしれないと思います。

それに、なんといっても話題がトルコ語だけではなく、結果として様々な話題が出てくるので、対面で授業した後近くの喫茶店だかコーヒーショップだかに行って雑談するのと同じような感覚でコミュニケーションを取れたのは自分の精神衛生にとってもたいへん大きかったといえます。

ご存知の通り、私自身が長崎のかなり隅の方に現在居住しておりますので、その身分でありながら東京の大学が主催する講座を担当できている時点でもちろんオンラインの恩恵を受けています。しかしそれだけではなく…

講座だけでなくその後のオンラインの雑談時間を設定したことで、きっと受講された方にも自分にも結果としてプラスになったのではないかと思います。もっとも、直接参加された方々にお尋ねしたわけではないので、自信こそありませんが!

ヒントは、フォロワーさんからいただいた

これ、今書いていて思い出しました。この「オフィスアワー」のヒントはこの方、「ちゃわん」さんにいただいたのです。

ちょうど昨年の夏、それこそトルコ語夏学期が始まる直前の時期でしたか、ちゃわんさんが企画されていた「オンライン雑談会」に参加してみたことがあったのです。大変面白い企画でしたし、参加して楽しかったんですよね。

これは使えるな、と確かにその時思ったのだろうと思います。ちゃわんさんはご自分の趣味も兼ねて自発的にやってらっしゃる。いっぽう私の方はというと、「これ、トルコ語講座に応用できるんじゃね?」みたいなことを私はその時考えたのだろうと思います。

そうやって思い返すに、物事には興味を持ってみるだけでなく、思い切って参加もしてみるものですよね…。どなたからどんなヒントを賜るかわかりません。

授業をする側からすれば当然ながら、試行錯誤しつつの1年間でした。
オンラインで通年でトルコ語の授業を担当したのは、よくよく考えたら今まであまり経験がなかったかもしれません。

トルコに行く前はもちろん対面で大学でもトルコ語の授業を担当する機会を得たことはありますが、いずれも半期で終わるスケジュールでしたからね。そういう意味でも、いろいろ講師として得ることの多い1年だったと思います。このようなお仕事を賜ったことに、ただただ感謝するのみです。

来年度も、ありがたいことに満員御礼。
聞いたところでは、募集開始2日目で満員御礼になったとか。トルコ語に携わる身として、これほどうれしいことがあるでしょうか(いやない)!

トルコ南東部、マルディン…の、ミニチュア。
イスタンブルにある、「ミニアテュルク」というテーマパークの一角にありました。
(2013年8月撮影)

そういうわけで来年度も、トルコ語講座、そしてその後の「雑談の時間」は引き続き導入しようと思います。

来年度、つまり4月からは火曜日の夕方が講座の日ということになりますが、その後はさらに1時間程度オフィスアワーを用意しよう、ということです。受講生のみなさまは、そちらのほうもぜひご利用を。

というわけで2022年は!火曜日がアツいぜ…!まちがいない!

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吉村 大樹
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