【シリーズ】あるじとしもべのダイアローグ(2)

「あるじ」
「なんやしもべ おまいから話しかけてくるとは珍しい」
「たまにはこちらから話題を振ってみようかと思いまして」
「ええ心掛けや それで今日はなんの話よ」
「うちにきてどのくらいになりますか」

「うちって、アンカラのおまいの家に来てからってことかいな」
「左様です あるじがまだちんまりしてとてもかわいかったころ」

「おまいその言い方なんかひっかかるな 今はかわいくないみたいやないか」
「ことばのあやですあるじ 今も一部では大変かわいいとネットで評判で…」
「一部では、ておまい メチャメチャ人気やんけ ツイッターのアカウントまで作ったがな フォロワーこそ少ないが」

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「あれ運営するの面倒なんですよ」
「運営とか言うな ワイがツイートしてるテイにしとかんか」
「あーはいすみませんそうですねすみません いずれにしても見てくださいこの幼少期 玉のようにかわいい わたくし、本当にねこの写真モデルさんとしていけるんじゃないかと、家にいらして数ヶ月間のころはわりかし本気で…」

「今もある種モデルさんみたいなもんやないか 写真撮られまくってるしネットにあげられ放題やで おまいがワイに無断でやってんの黙認してるんやんけ」
「まあせっかくなので うちで黙っててもおもしろくないでしょ？ 日本でほら トルコ産のねこというのもまあまあレアですし」
「トルコ産言うな まあそうかもしれんけど」
「そんなレアなねこさんのあるじですが、もうかれこれお付き合い3年半ですよ」
「そんなにか 月日のすぎるのははやいな Zaman hızla geçerってやつやな」
「左様ですあるじ トルコ語的には てのひらにのるほどのサイズだったころからお世話しておりますからこうやってまじまじと見ると感慨もヒトシオです」
「そうか おまいワイが一生終えるまでちゃんと世話せえよ」
「そうですね 連れて帰ってきてしまったからにはしかたがない なんとかしましょう」
「おまいはラッキーなおじさんやで こんな素直でかわいい人気者のしもべで」
「そうですね…こんなことになっていなければほんとに」
「こんなことにってどーゆーことやねんな」
「その…去勢した後、ずいぶんお体が大きくなってしまって…」

「大きいことはええことやないか どっかのえらいひとも言うてた」
「まあ大きいかどうかというより、健康でいらっしゃるということのほうが大変ありがたいです 正直」
「そやな 見てくれワイを 膀胱炎にこそなったけどそれ以外は健康健康 日本にきてからは全然病気してへんねん 水が合うてんのかな」
「インシャッラーですあるじ 水道水が飲めるというのは大きいですかね」
「そやな トルコは人間と同じで飲料水は買ってこな飲まれへんかったからね」
「その意味では日本でねこといっしょに暮らしてて数少ないいいところの一つかもしれません しかしいずれにしろ…」
「なんやねん」
「ちょっと大きくなりすぎているかもしれませんね どうしましょう ごはんの種類は最近体重ケアのものに完全に移行しましたが」
「ちょっと待って何すんの やめてダイエット ワイの人生の楽しみが減る」
「…おやつ…減らしましょうか…」
「えー…おやつ減らすの…」
「ちゅーるの食べ過ぎはよくないのでは」
「おまいそれは殺生やで ワイなにしに日本来たと思うてるの おまいと一緒に暮らすためにきたわけやないんやで」
「とすればいったい」
「ちゅーる生産国って聞いたから喜んでついてきたんやないか ちゅーるのない日本なんておまい」
「ちゅーるのない日本なんて…なんですか？」
「えーとクリープをいれない…なんやっけ」
「たとえが古いですあるじ トルコ生まれを疑われますよ」
「トルコ生まれておまい このダイアローグは創s」

（次回に続く！！）