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【お役立ち情報】自力でトルコ語を勉強するなら手元に持っておきたい参照文法書(英語編)

トルコ語の和書、つまり日本語で書かれたトルコ語についての本はたくさんあるのですが、レベルの高い読者の中には「物足りない」と思っていらっしゃる方も多いかも知れません。

実際、文法の全体像のどのくらいをカヴァーしているかというのは気になるところで、特に「初級」とタイトルに入っている場合は、じゃあ中級は?上級だとどんな文法項目が?といった疑問が湧いてきてもおかしくありません。

というわけで、日本語のテキストで紹介されていないぞ、という文法項目を自力で調べるために持っておきたい本を何冊かご紹介いたしましょう。

1. Ketrez, Nihan F. (2012) A Student Grammar of Turkish. Cambridge: Cambridge University Press.

トルコ語の勉強はしたいけど、英語も忘れないでおきたいという方にオススメの一冊と言えましょう。練習問題がついているのがセールスポイントで、事実上英語話者向けのトルコ語語学書と言えます。

押さえてある文法項目もかなり広く、もしどこかの大学学部後半か大学院あたりでトルコ語の授業をするということになったら、使用テキストの候補として真っ先に挙げたい1冊と言えるかもしれません。

2. Göksel, Aslı and Kerslake, Celia (2005) Turkish: A Comprehensive Grammar. London: Routledge. 

参照文法の王道の本で、トルコ語文法のことについて何か調べ物をするなら必携と言ってよいでしょう。文法項目ごとに章立てがしてあり、調べやすい構成になっています。文法研究の叩き台としても最適。

3. Kornfilt, Jaklin (1997) Turkish. London: Routledge.

こちらは、やや言語研究者指向のトルコ語文法書と言えるかも知れません。構成が音声からではなく、統語構造(文構造と言い換えてもよい)から始まっているというのが特徴の一つです。

また、文法的でない例を提示してあるというところが面白くて、データの中には言語学的な知識が多少要求されるところもあります。私自身、トルコ語の文法研究のネタ探しは先ほどのGöksel and Kerslake (2005)か、このKornfilt (1997)をまず見るところから始めることが多いです。

最後に一冊。こちらは長年のセールスを誇る、コンパクトながら内容の充実した参照文法書です。

4. Lewis, G. L. (1967) Turkish Grammar. Oxford/ New York: Oxford University Press.

大学学部の2年生のとき、文法の指定の教科書がこれだったのですよね…当時はなんでまた英語の本なんか買わすねん…と一瞬不満を感じたものでしたが、結局後になってみれば初期投資としては十分元が取れたと言える一冊となりました。

他にもあるんですけど、とりあえず文法事項の参照に使いたい本、4冊というところでしょうか。

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え?英語の本は高い?まあそういうもんです。だから言ったでしょう…トルコ語は沼だって…!

え?英語を読みたくない?まあその気持ちはわかります。だがね、こういう文法説明の英語って、言うほど難しくないから大丈夫ですよ…
私が言うのですから、まあ間違いありません。それに、なんだかんだ英語に抵抗のない人の方が、こういう文献の使い方一つとってもアドバンテージがある…

だからね、学校の英語の試験の出来などはひとまずおいといて、外国語そのものへの心理的な抵抗はないほうが幸せになりやすいです…ええ、ええ。

というわけで、英語もトルコ語もがんばりましょうね。本を買う資金に余裕のあるそこのあなたへ、私の推す定番4冊を紹介しましたということで。



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吉村 大樹
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