おりもののヒミツ
今回は女性にとってすこし疎ましい「おりもの」について書きます。
生理中でもないのに分泌物で下着が汚れていたりするとテンションが下がってしまうものですよね。
そんなちょっと嫌われ者な「おりもの」は、わたしたちの体をひっそりと、でも確実に守ってくれる大切な存在でもあります。
【おりものの役割】
『子宮や卵巣を悪い菌や異物から守ってくれている』
目にゴミが入ったときに涙を流すのと同じように、腟に異物が入った場合、おりものと一緒に流してくれる役割があります。
腟は肛門や尿道から近いため、大腸菌やブドウ球菌などが入りやすいところ。
「おりもの」にはデーデルライン桿菌という善玉の乳酸菌がいて、腟内を酸性に保って悪い菌から守ってくれています。
『受精を助ける働きをしている』
とくに「おりもの」は排卵期に多く分泌されます。
性行為をするときには愛液と呼ばれる潤滑剤の役割となって、女性が心地よいように助けてくれるためでもあります。
ちなみに、腟内は普段は酸性ですが、排卵期だけは子宮頸管近くがアルカリ性になって、精子が子宮までたどり着きやすいように働いてくれるんです。
わたしたちの身体は、よくできていますよね!
その「おりもの」をチェックをしてみましょう。
★元気で健康なおりもの★
・半透明~白っぽい色 うすい黄色「トロン」としたタマゴの白身のような粘り気がある
・無臭、少し甘酸っぱいにおい
・下着に付いて時間がたつと、黄色っぽくなるのは正常な範囲です
また排卵期には、ドロリっと粘り気があるものが出ることがあります。性行為の後や翌日は、腟の自浄作用が強まって、「おりもの」の量が増えることもあります。
★心配なおりもの★
・水っぽく大量に出る
・たくさん血が混じる
・カッテージチーズのようにポロポロしている
・緑色、灰色、赤紫色、茶色
・魚の腐ったようなキツイにおい
・強い痒みがある
・痛みがある
もし、こんな「おりもの」が出てきたら迷わず早めに婦人科に相談してみましょう。
もしかしたら、性感染症や子宮の病気にかかっている可能性もあります。
早期発見には、あなたに「いつもと違う」と感じ取れる観察力があるか次第。普段から無頓着で見もせずただナプキンを捨てるだけだと、自分の「いつも」の状態がわからず、身体が出しているサインに気づくのが遅れる恐れもあります。
【おりものに布ナプキン】
この「おりもの」が気になるからと市販の「おりものシート」を使用している女性は、実に78.7%。
そのうち、ムレやカブレなど肌トラブルを感じている女性は、なんと61.1%にも上ることがわかりました(1060名 回答中)。
非常にデリケートで経皮吸収しやすい部位ですから、ナプキンのケミカル素材の影響を受け、炎症が起きたり、毒素を排出しようとして分泌が増えたりすることもあるようです。
「おりものが増えるからシートを使う、シートを使うからおりものが増える」というような悪循環がおきている可能性もありますから、まず自然素材で通気性のよい布ナプキンを使用してみませんか。
そして、できるだけ布ナプキンをこまめに交換し、ときには就寝時にノーパンにして触れるものがなにもないフリーな環境をつくるのもおすすめです。