見出し画像

I won`t cry,cry,cry.

 何気なくTwitterを見ていたらPIZZA OF DEATHのツイートでツネさんが亡くなったことを知った。嘘だろうと思った。は?って感じで信じられなくて受け入れらることが出来なかった。少しぼーっとして、改めて見直したらやっぱ理本当のことだった。何もする気が起きなくて、ベッドに寝転んでいると、頭の中にメロディが流れてきた。

 my heart feels so free 、last of sunny day、growing up、the sound of seret minds、this is love、my first kiss、stay gold、mosh under the rainbow。そして、brand new sunset。

 僕がハイスタに出会ったのは中学の頃だった。流行りのJ-POPしか聴いたことのなかった僕に、音楽好きな友達が教えてくれたのがHi-standardだった。部活の休憩時間、ラジカセから流れてきた音楽は、荒々しくてシンプルで英語で、そして抜群にかっこよかった。

 好きになってから、下敷きに歌詞を書いて自分で訳した。英語が嫌いで成績も最悪だった僕が、一人で単語の意味を調べてた。何故かわからないけど夢中になって、彼らの唄を知ろうとして、上手く言葉に表そうとした。自分の言葉で何かを表現したのはこれが初めてだった。思いを言葉にすることが好きになったのはハイスタのおかげだった。もし出会わなかったら、国語の先生にもなってないかもしれないし、noteも書いていないかもしれない。

 苦手な英語の歌詞を全部覚えて帰り道に口ずさんだ。中学生の僕にはハイスタがどうしようもなくかっこよく見えて、それを覚えて歌っている自分もなんだか同じように自由でかっこいいような気がしたんだ。

 荒々しかったロック(Last of sunny day)からメロディ(Growing up)、パンク(Angry fist)、ポップ(Making the road)、エモ(Love is a battle field)。日本のメロコアはハイスタが完成させた。

 特に好きだったのがbrand new sunset 。聴くとなぜか寂しくなり切なくなった。旅立ちであり青春。誰もに訪れる終わりと次への予感を孕んで、曲は進んでいく。見た事がないはずなのに既視感のある風景。誰もいないビーチ、1人でいる部屋、錆びついた自転車、昔貼って色褪せたポスターを剥がそう。

 声高らかに歌い上げる難波さんの声と健さんのコーラスとギター、そこにツネさんのドラムが重なったのが、ハイスタだった。

 そのたくさんの曲をいつも聴いていた。励まされて、泣かされて、元気を貰った。部活の試合で緊張した時にはfighting fists,angry soul。頑張りたい時にはgrowing up。馬鹿馬鹿しい時にはPentax。

 数えきれないほどハイスタに救われてきた。

 ただ、僕が聴き始めた時、既にハイスタは活動を休止していた。いつか生で見ることができたら、と願っていた僕はいつしか社会人になった。2017年のTHE GIFT TOURのファイナル、さいたまスーパーアリーナ。初めて生でハイスタを見た。14歳の僕に言ってやりたかった。夢は叶うんだって。

 それから5年以上の時が経った。相変わらず僕は時々思い出したようにハイスタを聴いて、勝手に救われている。僕だけじゃない。いろんな人が同じ気持ちだと思う。でも、もう二度と三人のステージを見ることは叶わない。そう思うとなんだか無性に泣けてくる。あの日から僕はずっとハイスタを聴いている。昨日も今日も明日も。

 ツネさん、何があったのかはわからないけどさ、まだ死ぬには早すぎるよ。一回活動休止になって二度と見られないと思っていたけど、一回だけでも三人の楽しそうな姿を見ることが出来たことは一生忘れない。ハイスタの曲、ずっと聴き続けるよ。三人の曲は永遠に残るから。

 僕は泣かない。だって強い男の子だから。

 辛いことがあっても、一度だけ見ることが出来た三人の姿と残り続ける音楽を聴いて、明日も頑張る。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?