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東京依存性

 やっと仕事が終わった帰り道。少し寒くなった東京の街を歩いて帰る。10月も終わりなのに暑い日が続いて、感覚がおかしくなる。春と秋が短くなっている気がするけど気のせいじゃない。だんだんと、でも確実に季節は変わりつつある。そんな中で変わらないと思っていた日常も変わりつつあるかもしれない。

 「東京女子図鑑」と「東京男子図鑑」を見て共感を覚えた世代。地方から出てきてそこにあった東京に憧れて、今も生きている。東京という街には底知れない魅力があった。合う合わないは別としてだけど、惹きつけられていまうような何か。

 そんなことを考えながら、家路に急ぐ。東京に慣れてしまったかというとそういうわけではない。落ち着けるのではなく、せかせかと。何かに置いていかれるような焦燥感を持って気付いたら時間が過ぎていくみたいな。

 上手くいかないことがあって、少し凹んだりして、それでも東京は僕を待ってはくれない。早く追いつかないと置いていくよ?って笑っている先輩みたいであり、何物にも捉われない自由な存在のようであり、いつでも誰でも受け入れてくれる象徴のような存在である。

 失敗して成功して、悩んで喜んで、またここに帰ってくる。もう少しここで足掻いてやる。

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