【完全版】UnaSlidesの使い方大全

VRChat用プレゼンシステム「UnaSlides」の使い方や設置、カスタマイズ方法を完全網羅したユーザーガイドです(v0.7準拠。基本操作はv0.6以前も同様)。ここに書いてあることができることの全てです。ここに書いてないけど欲しい機能は作者の @uezochan 氏にリクエストしましょう。

🚀クイックスタートガイド

  1. (ワールド制作者のみ)Exampleシーンに設置されているUnaSlidesをコピーして、ワールドのシーンに配置

  2. PowerPoint等で作成した資料をPDFにエクスポートしてから「1秒1スライド」の動画に変換し、Youtube等にアップロード(公開または限定公開)

  3. UnaSlides設置のワールドでSlideControllerのURL欄に動画のURLを入力

  4. ◀️▶️ボタンでスライド送りしながら発表

最低限の手順は上記のとおりです。この記事では、上記以外の基本機能や応用的な利用方法等について網羅的に解説していきます💪

🖥スライド操作関連

スライド操作には主にSlideControllerのControlタブを使用します。以下の画面にあわせて解説していきます。

SlideControllerのControlタブ

スライド送り・スライド戻し

▶️ボタンで次のスライドに進み、◀️ボタンで前のスライドに戻ります。また、メインスクリーンの左右をレイキャストで選択することでも進む・戻るを制御することができます。

指定した番号のスライドの表示

「#」のテキストボックスにスライド番号を入力すると、そのスライドまで一気にジャンプして表示されます。

先頭スライドの表示

「↩︎」ボタンで先頭スライドに戻ります。

動画の再生

「>>」ボタンで、スライドが1ページ毎の進行ではなく通常の動画として音声付きで再生されます。また、再度ボタンを押すと通常のページ毎の進行に戻ります。
スライド資料の中にデモ動画を組み込めば、UnaSlidesと動画プレーヤーを切り替えることなくUnaSlidesの中で完結することができます。

スライド送りの権限制御

「SP」ボタンが表示されているときはスピーカーのみがスライド送り可能、「All」のときは参加者全員が可能、「Lock」のときはスピーカーを含めてスライド送りができません。
通常は「SP」のままとし、スライドの内容について参加者と一緒に論議するときは「All」、誤ってスライド送りすることを禁止したいときは「Lock」を使用してください。

📥スライド読み込み関連

スライド読み込みにはSlideControllerのLoadタブを使用します。以下の画面にあわせて解説していきます。

SlideControllerのLoadタブ

外部スライドのURL指定読み込み

SlideControllerの「Enter URL…」のテキストボックスにスライド資料のURL(Youtubeや動画ファイルの任意のURL)を入力すると、外部スライド資料が読み込まれてメインスクリーンに表示されます。

スライドあたり秒数の設定

「Duration」のテキストボックスに1スライドあたりの秒数を入力すると、スライド送り毎にその分の秒数を再生位置に加算します。デフォルト値は1.0秒です。
この機能により、UnaSlides以外のスライドシステム用に作成された動画(1スライド2秒など)をそのまま利用することができます。

再生オフセット秒数の設定

「Offset」のテキストボックスに再生オフセット秒数を入力すると、スライドあたり秒数にその秒数を加算したところを再生位置とします。デフォルト値は0.35秒です。このとき、1スライド目は0秒+0.35秒=0.35秒目を表示、2スライド目は1秒+0.35秒=1.35秒目を表示といったようになります。
この機能も、UnaSlides以外のスライドシステム用に作成された動画(オフセット1秒など)をそのまま利用することができます。

参加者のスライド読み込み状況の確認

「Status」ボタンを押すと、「ロード完了人数/インスタンス内人数」がキャプションとして表示されます。分子・分母が一致しないとき、読み込めていない人がいますのでサポートが必要か問いかけてみましょう。

スライドの再読み込み

「Reload」ボタンでスライドがインターネットから再度読み込まれ、先頭スライドが表示されます。影響範囲はインスタンスの全員です。
SlideControllerではなくワールドに設置された「Reload」ボタンを押したときも同様ですが、登壇者ではなく参加者が押した場合、影響範囲は当該参加者のみに限定されます。

スライドのアンロード

「Unload」ボタンを押すとスライドがアンロードされ、URLや進行ステータスに関する内部管理情報がリセットされます。発表終了後や不具合時にソフトリセットする際に利用します。

✌️その他の便利機能

ペンタブレットの利用 [v0.8]

スクリーンにマークや文字を書き入れることができるペンタブレットを提供しています。ペンツールとしてQvPenを利用する場合、Surftrace機能(タブレットの画面表面に書き込む機能)のOn/Offや書き込んだ内容の全削除もタブレット上で行うことができます。
「B」「W」ボタンはそれぞれBlackout / Whiteoutの意味で、押すとスクリーンを真っ黒 / 真っ白に切り替えます。スライドの途中でちょっと図を書いて説明したいときにご利用ください。視線をスライドから登壇者自身に移動させるといった上級テクニックにもご活用いただけます。
なお仕組みとしてはペンタブレット画面をカメラでスクリーンに投影するものですので、DefaultレイヤーにあるものはQvPen以外のペンシステムをはじめ何でも映り込みます。

プロンプターの利用

PowerPointのノートのように、スライド毎に発表するメモを書き込み・参照できる機能をプロンプターとして提供しています。なおプロンプターはローカルオブジェクトですのでオーディエンスからは見えません。
使い方は簡単で、プロンプターのテキストエリアにスライド毎のメモを入力するだけです。「Sync」にチェックを入れると、スライド進行に合わせてプロンプターも次のスライドのものが表示されるようになります。
また、「====」で区切ることで複数スライド分を一括して貼り付けることもできます。PC上でノートを準備して、VRChat上でペーストすると良いでしょう。当該形式でのエクスポート用PowerPointアドインも同梱していますのでご利用ください。

例)以下をコピーしてVRChat上でプロンプターに貼り付けると3スライド分が一括して登録されます

スライド1のノート
スライド1のノート
====
スライド2のノート
====
スライド3のノート
スライド3のノート
スライド3のノート

ペン使用時等のスライド送りロック

メインスクリーンの左右をレイで操作することでスライド送り・戻しできますが、この機能が裏目となってQVPenなどでスライドに書き込み(強調やコメントなど)をする際にスライドが進んでしまうことがあります。
これを防止するには、「SlideLock」スクリプトをペンのオブジェクトにアタッチしてください。当該スクリプトがアタッチされたオブジェクトを手に持っているとき、スライド送りが行われなくなります。

手元用タブレットモニター

メインスクリーンと同じ内容を参加者が手元で閲覧できるタブレットスクリーンを提供しています。グローバルなオブジェクトですので、タブレットを指差しながら他の方と会話することもできます。

🎞スライド資料の作り方

PDFから作成

UnaSlidesのデフォルト設定で表示する資料を作成するには、PDFを1秒1スライドの動画に変換する必要があります。任意の方法で変換することができますが、ブラウザで利用できるコンバーターも提供しています。
https://unagiken.com/unaslides/

PowerPointから作成

PowerPointから作成するには、まずはファイル→エクスポートでPDF化します。PDF化したものを上記の「PDFから作成」の手順により動画化してください。なおPowerPointのエクスポート機能でMP4に出力することもできますが、厳密に1秒1スライドにならないため、スライドの表示ずれなど不具合が生じます。

Google Slidesから作成

PDFとして保存してから、上記の「PDFから作成」の手順により動画化してください。

Quest対応

Quest単体ではYoutubeの再生に対応していません。そのため、以下いずれかの方法で対応する必要があります。なおどちらであってもホワイトリスト外のURLとなるため、Untrusted URLsの再生を許可するようにガイドしてください。

  • S3やAzure StorageなどURLでアクセス可能な場所にMP4ファイルを配置

  • 陣内システムやUnaSlidesのURL変換を利用(https://unagiken.com/yt?url=<YoutubeのURL>)

🌏ワールドへの設置

設定済みコンポーネント一式の設置

Exampleシーンを開くと、すぐに利用可能な状態に設定されたUnaSlides関連コンポーネントが配置されています。これらをコピーしてご自身のワールドにペーストすれば、そのままご利用いただくことができます。設定漏れを防ぐことができますので、まずはこちらの設置方法をオススメします。

以降の手順は上記によらず個別にプレファブをワールドに設置していくための手順ですので、こちらに加えて実施いただく必要はありません。

必須コンポーネントの設置

「UnaSlides.prefab」をシーンに配置します。特に設定する必要はありませんが、以下、利用するスライド資料の仕様に合わせて必要に応じて変更してください。これらの値は実行時にワールドでも設定変更できます。

  • SlideDuration: 1スライドあたり秒数。デフォルトは1.0秒

  • StartOffset: 表示位置のオフセット秒数。デフォルトは0.35秒

タブレットモニターの設置

「TabletDispenser.prefab」をシーンに配置して、PresentationEngineにシーンに配置済みのUnaSlidesを設定します。ワールド内でこのボタンを押すとタブレットのオブジェクトが生成されます。
ディスペンサーにはあらかじめ20個のタブレットがプールされていますが、より多くのタブレットを取り出せるようにするには、シーンに配置されたTabletDispenserの子要素の「TabletPool」に「TabletMonitor」のプレファブを追加し、また、TabletDispenserにアタッチされた「VRC Object Pool」のPool配列の要素を増やして追加したタブレットを設定してください。
タブレットをワールドにあらかじめ配置しておく場合は「TabletMonitor.prefab」を必要数分ワールドに配置して、PresentationEngineにシーンに配置済みのUnaSlidesを設定してください。

プロンプターの設置

「Prompter.prefab」をシーンに配置して、PresentationEngineにシーンに配置済みのUnaSlidesを設定します。

ペンタブレットの設置

UnaSlides標準アセットのほか、同梱されている「UnaSlides_vX.X_pentablet.unitypackage」を読み込みます。
追加された「PenTabletManager.prefab」をシーンに配置して、PresentationEngineにシーンに配置済みのUnaSlidesを、QvPenにシーンに配置済みのQvPenを設定します。なおQvPenはv3.2.5.1で動作確認しています。
また、あわせて追加される「ExampleQvPen」シーンを開くとペンタブレット設定済みですぐに動く状態のワールドになっています。

リロードボタンの設置

「ReloadButton.prefab」をシーンに配置して、PresentationEngineにシーンに配置済みのUnaSlidesを設定します。
なおメインスクリーンの下にもリロードボタンが設置されていますので、この手順は別の場所にリロードボタンを配置したい場合に必要になります。

サブスクリーンの作り方

スクリーンとしたいオブジェクトのマテリアルとして「UnaSlides > Materials > Screen」を設定します。

独自コントローラーの作り方

同梱されたSlideController以外からスライド進行を操作したい場合、PresentationEngineの以下のメソッドを呼び出してください。簡単に独自コントローラーを作ることができます。

  • Next(): 次のスライドに進む

  • Back(): 前のスライドに戻る

  • GoTo(int slideNumber): slideNumberに指定した番号のスライドを表示

  • GoToTop(): 先頭スライドを表示

  • PlayVideo(): スライド資料を動画として再生します。再生中であればポーズします。

その他、「SlideController.cs」を参考にしてみてください。

初期状態のスクリーンのカスタマイズ

何もスライドを表示していないときのスクリーン表示を切り替えるには、UnaSlides > Materials > UnaSlidesSplashScreen.pngを上書きしてください。
イベントやワールドの世界観にあったものにカスタマイズすることができます。

その他カスタマイズに関する事項

依存関係として、各種コンポーネントはPresentationEngine(UnaSlides.prefabにアタッチ)に依存しています。一方で、PresentationEngineからの依存はありません。
上記関係を理解しつつ、各種コンポーネントにアタッチされたスクリプトを参考にしていただくことで、独自の拡張機能のカスタマイズを行なっていただくことができます。
例1)SlideController相当機能+プロンプターが一体となった演台
例2)司会進行役やスタッフが登壇者に代わってスライドを切替

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