見出し画像

ただの本好きが文豪で遊べるゲーム「文豪とアルケミスト」に思うこと

本が好きで、太宰が好きで、いつか大学の文学部に社会人入学したい…という話はまた別にしようと思う。

本好きにおすすめのゲームがある。「文豪とアルケミスト」というゲームで、ウェブブラウザ、スマートフォンアプリで遊ぶことができるのだが、このゲームには、夏目漱石や芥川龍之介といった近代文学の文豪が登場する。

DMMゲーム 文豪とアルケミスト https://bungo.dmmgames.com/

"近代風情が漂う平和な時代"の図書館が舞台となっている。侵略者に汚され読めなくなってしまった著名な本を浄化(元に戻す)することが目的なのだが、浄化する際は侵略者を武力をもって倒さなければならないので、アルケミストの能力を得た司書が文豪を現代に転生させ、文豪が当時の活動内容に応じた武器(刀・弓・鞭・銃)を持って侵略者を攻撃する。

残念ながら、太宰治の武器は桜桃ではないし、芥川龍之介も蜘蛛の糸ではない。彼らは刀を持っている。


歴史上の人物がゲームになったりすると、たいていは美化されすぎるが、文豪とアルケミストにおいてはただの美化ではなく、その文豪が生前執筆した作品のイメージを持って美化されている。例えば、童話作家の新見南吉や宮沢賢治は幼稚園児並の容姿になっているし、谷崎潤一郎は超ド変態のニューハーフだ。

ただ、梶井基次郎の美人すぎる外見と、中原中也の目つきの悪さ、堀辰雄の中学1年生くらいの容姿には、まだ戸惑いを隠せない。

見た目があまり変化しないのもいる。夏目漱石だ。彼だけは肖像画が有名なので、あえて変えなかったのかもしれない。


ちょっとやってみたいと思ったけど、ゲームできないしな…と思われた方にも安心していただきたい。私もゲームができない方だ。

ほのぼのと借金を返すゲームである「どうぶつの森」と、世の中のあらゆるもので塊を作る「塊魂」は得意だが、基本的にゲーム音痴だ。

ゲームが得意な友人が1週間もあればクリアできるものを、私は半年もかかった。ちなみにキングダムハーツ2だ。1はオープニングのリクとソラの木の上のかけっこ競争で、普通であれば数十秒で終わるところが、40分程かかった。

これだけ恥を晒せば、ゲーム音痴でもできるということがお分かりいただけるだろうか。



ただのゲームとは十分理解していても、本から入った人間としては、感情移入が止まらない。

特に作品が好きな文豪、太宰治や梶井基次郎、堀辰雄など、どんな生き方をして何歳でどのように亡くなっていったのが頭に入ったままゲームをしているので、戦闘シーンはあっても食事であったりほかの文豪との会話をしている穏やかな様子を見ていると、ゲームとは十分理解しているのだが(二回目)、生前の波乱万丈な人生とはかけ離れた楽しい暮らしを送っているように見えて、つい感情移入してしまうのだ。評価されないまま夭逝した文豪にはなおさらだ。



文豪とアルケミストのゲームから入った方には、ぜひお気に入りの文豪を見つけてその本を読んで欲しい。先述したが、キャラクターはそれぞれの作風の雰囲気を纏っているので、キャラクターを好きになれたなら作品も好きになれる可能性があるからだ。

運営側も記念館などとコラボしたりして、文学側に引っ張っていくつもりもあるらしい。これを機に、ぜひ、文学にはまってほしい。

本が好きな方も、ぜひこのゲームをプレイしていただきたい。あの文豪があんな姿に変化していたり、台詞では代表作の一文が聞けたりする。


もし、本を手に取ったりゲームを始められた際には、ぜひ私と、気軽に文アルと文学の話ができる友達となって欲しい。ツイッターで気軽にリプライをくれると嬉しい。


いいなと思ったら応援しよう!