論文マラソン23 荒屋舗透「アカデミー・ジュリアンの日本人画家―画学生コロニーについて」
今日の論文は、荒屋舗透さんの「アカデミー・ジュリアンの日本人画家―画学生コロニーについて」(『日本近代美術と西洋 明治美術学会国際シンポジウム』中央公論美術出版、平成4年)です。
この間からいろいろ読んでいるアカデミー・ジュリアン関係の論文です。
4章構成ですが、章タイトルなし。
アカデミー・ジュリアン、ローランスのアトリエの教授法などを詳細に紹介。
外国人留学生は、アカデミー・ジュリアンなどの私立の画塾に受け入れられたため、彼らは外光主義を、その創始者であるフランス印象派とは異なる形で育んだ。彼らは、印象派が異議申し立てを行ったサロンや国立美術学校に敵対することなく、より柔軟な私立の画塾から巣立ったのであったという指摘が興味深い。
アカデミズムの伝播は、「美術が技術として伝播される時に生じる用語法の誤認」、「首都では絶えず批判に晒されながらも、温存されたアカデミズムを従順に吸収する辺境の留学生」という「辺境地域の問題」などが絡み合っているようだ。
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