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最も美しい女神は誰?
これは数学の話ですが、数式を使いません。
ゼウスが羊飼いのパリスに妻のヘラ、娘のアテナ、
愛と美の女神アフロディテの3人の女神から、
一番美しいものを選ぶというお話からの作問です。
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【問題】
アテナは
「最も美しいものはアフロディテではない」
アフロディテは
「最も美しいものはヘラではない」
ヘラは
「私が最も美しい」
と言ったとき、誰が最も美しいでしょうか?
ただし、最も美しい女神は一人であり、
最も美しい女神だけが真実を述べているとします。
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こういう問題も数学なのです。
数学では「仮定」を立てて検証していくという考え方もあります。
そして、「仮定」を立てるということは
もし、アテナが最も美しいとしたならば、
この文章は正しいのかどうか検証し、
もし矛盾したら、その「仮定」は違うということで
答えを模索していきます。
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では、それぞれ「仮定」して考えてみましょう。
①『アテナが最も美しいと仮定』
つまり、アテナだけが真実を言えば良い。
アテナは
「最も美しいものはアフロディテではない」
→真実
アフロディテは
「最も美しいものはヘラではない」
→真実
ヘラは
「私が最も美しい」
→ウソ
②『アフロディテが最も美しいと仮定』
つまりアフロディテだけが真実を言えば良い。
アテナは
「最も美しいものはアフロディテではない」
→ウソ
アフロディテは
「最も美しいものはヘラではない」
→真実
ヘラは
「私が最も美しい」
→ウソ
③『ヘラが最も美しいと仮定』
つまり、ヘラだけが真実を言えば良い。
アテナは
「最も美しいものはアフロディテではない」
→真実
アフロディテは
「最も美しいものはヘラではない」
→ウソ
ヘラは
「私が最も美しい」
→真実
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このように検証してみると
②の場合のときだけ、問題の条件(最も美しいものだけが真実をのべる)に当てはまります。
正解は
『アフロディテ』
数学と聞くと、「難しい」「三角比から分からなくなった」「苦手です」
などと言われますが、数式を使うことが数学ではありません。
論理を組み立てて、誰もが納得するように伝えるにはどのようにすれば良いのかを考えることそのものも数学にはあります。
数学の世界はとても広いです。
学校で学ぶ数学は、数学の世界のほんの一部に過ぎません。
数学は自由であり、創造することの楽しさを感じさせてくれます。
一人でもその世界に魅力を感じてもらえたら幸いです。