チタンは軽くない
チタンを好きになると最初にしてしまう勘違いに「チタンは軽い」という思い込みがある。実際、チタン製品は他の金属に比べて同じものでも軽い(クッカーなど)ことが多いので「チタンは軽い」と覚えてしまうのだが、実際にはチタンはアルミよりも重い。
比重で表すとアルミ2.8に対してチタンは4.5であり、アルミの1.6倍重い。ちなみにステンレスは7.9とだいぶ重い。チタンはアルミとステンレスの中間の重さなのだ。
なぜ「チタンは軽い」と勘違いしてしまうかといえば、秘密は「強度」にある。同じ厚みであればアルミよりチタンの方が重いが、アルミはチタンより強度が低いため、製品化するにはチタンより厚くする必要があり、そうすると完成品としてはアルミの方が重くなってしまう。チタンは薄くても強度があるため、他の金属では不可能な薄さで製品化することができ、そのため結果的に軽くなるというわけだ。
偉そうに言っているが僕も実際のモノを手にするまで気が付かなかった。というのも、noicoyamaico ULトレックテーブルをさらに軽くするためにチタンを検討したのだが、今のアルミ板を同じ厚みでチタンにすると逆に重くなってしまった。そこでチタンの強みである薄さを生かしてプレートを薄くしたのだが、比重の関係で実際には全く軽くならなかった。
現在noicoyamaico ULトレックテーブルで使っているアルミ板は0.5mm。チタンで10g軽くするには、半分以下の薄さにする必要がある。しかし流石に0.2mmだとチタンとしてもペラペラ過ぎるので、0.3mmのチタンを使用してみた。
0.3mmの1.6倍は0.48mmとなり、比重の計算上は同じ大きさならチタン0.3mmとアルミ0.5mmはほぼ同じ重さになるはずだ。
うん。その通りだった。アルミをチタンに変えたところで2gしか軽量化できない。しかも強度があるとは言え、ただの板だとアルミ0.5mmとチタン0.3mmだとやはりアルミの方がコシがあってしっかりしている。チタンはペラペラだ。
そして一番の問題は「チタンはめちゃくちゃ高い」ということだ。この板1枚でも10倍も値段に差がある。これは実用的ではない。チタン板での新製品を考案していたのだが計画は脆くも崩れた。
チタンの魅力は焼き色がつけられることなので、腹いせに焼いてみた。
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