「最高のコーチは、教えない。」を読んで
読書日記第11弾。
今回読んだのはこちら。
千葉ロッテマリーンズの監督として、厳しい戦力層の中でやりくりして連続2位を成し遂げ、強豪チームへと変貌させている名監督の著書です。
監督をやる前は日本ハムやソフトバンクで投手コーチとして優勝請負人に。
ロッテでは投手コーチの他のピッチングコーディネーターとしてマネジメント業務も行い、WBC日本代表の投手コーチも務めています。
筑波大学でコーチングの理論を学び、それを遺憾なく現場で実践されている理論派の監督です。
この考え方が吉井さんのコーチングの原点となっています。
吉井さんが日本ハムの2軍コーチを務めていた15年以上前から実践していたのが、「振り返り」というコーチングです。
試合後のミーティングで、その日に登板しない投手を記者役に指名し、登板投手に試合内容をインタビューさせています。
試合で投げた投手も、試合を見た投手も、自分事として試合の流れを見ることができ、成長が促される、という考えです。
この「振り返り」という手法は私がすごく大事にしている考え方で、私の学校での活用法を4つ紹介させてください。
①
ちょうど先日、教育実習生が学校に来ました。
模擬授業を参観し、その後アドバイスを求めてきたので、自分からは言わずにまずは振り返っていただきました。
「どうですか、やってみて、『これはうまくいったな~、良かったな~』って言うのは?」
と聴いたら私が思っていたことと同じだったので強く同意しながら、さらに具体的な場面を挙げて褒めました。
「逆に『ここもっとこうすればいいな~』と思ったことはありますか?」
と聴いたらこれも私が感じていたことが同じ。
「確かにそこ難しいですよね。言いすぎると思考の幅狭めちゃうし、でも言わないと指導したいことが伝わらないし」
と共感しながら、
「もっと生徒を待ってあげても良いと思いますよ。生徒の中で出た意見を取り上げて『あ、確かに量を調節しやすいから使いやすいね』って生徒の意見を活かす形にしても良いかも」
とアドバイスしました。
最後にさらに良い点をサンドウィッチ方式で褒めて終了。
授業以外の点も含めて苦労した過程や率直な感想も引き出すことができました。
②
夏以降になると、3年生の面接練習が始まります。
学校の方針で、3~4人1組程度のグループで、まとめて面接練習をしています。
それぞれの面接練習の運用は各担当の教員に一任されていますが、私は1人ずつ面接をした上で他の人に動画を撮影させています。
後で見返して自分を客観的に振り返ってもらうためです。
と同時に、見ている人から面接者の「良いところ」を1つ以上挙げるように指示しています。
見ている人に面接時の注意点を客観的に分析し意識するきっかけづくりとしてです。
面接者としても多様な視点と見られている意識により自身の振り返りの深まりが期待されます。
さらにその後、面接者自身にやってみての振り返りをさせます。
その観点を切り口に一緒に振り返っていき、今後の改善点を伝えていきます。
自ら問題意識を言語化することで、「自分事」として考えられると思います。
やる前は文句言っていて面倒くさがっていた生徒が、「もっと直す点ないですか、どうやったらAになりますか」とか「これこの期間に他の先生にお願いに行ってもいいんですか」とか積極的な姿勢を見せるようになりました。
この考え方が吉井さんのコーチングの原点となっています。
吉井さんが日本ハムの2軍コーチを務めていた15年以上前から実践していたのが、「振り返り」というコーチングです。
試合後のミーティングで、その日に登板しない投手を記者役に指名し、登板投手に試合内容をインタビューさせています。
試合で投げた投手も、試合を見た投手も、自分事として試合の流れを見ることができ、成長が促される、という考えです。
この「振り返り」という手法は私がすごく大事にしている考え方で、私の学校での活用法を4つ紹介させてください。
①
ちょうど先日、教育実習生が学校に来ました。
模擬授業を参観し、その後アドバイスを求めてきたので、自分からは言わずにまずは振り返っていただきました。
「どうですか、やってみて、『これはうまくいったな~、良かったな~』って言うのは?」
と聴いたら私が思っていたことと同じだったので強く同意しながら、さらに具体的な場面を挙げて褒めました。
「逆に『ここもっとこうすればいいな~』と思ったことはありますか?」
と聴いたらこれも私が感じていたことが同じ。
「確かにそこ難しいですよね。言いすぎると思考の幅狭めちゃうし、でも言わないと指導したいことが伝わらないし」
と共感しながら、
「もっと生徒を待ってあげても良いと思いますよ。生徒の中で出た意見を取り上げて『あ、確かに量を調節しやすいから使いやすいね』って生徒の意見を活かす形にしても良いかも」
とアドバイスしました。
最後にさらに良い点をサンドウィッチ方式で褒めて終了。
授業以外の点も含めて苦労した過程や率直な感想も引き出すことができました。
この考え方が吉井さんのコーチングの原点となっています。
吉井さんが日本ハムの2軍コーチを務めていた15年以上前から実践していたのが、「振り返り」というコーチングです。
試合後のミーティングで、その日に登板しない投手を記者役に指名し、登板投手に試合内容をインタビューさせています。
試合で投げた投手も、試合を見た投手も、自分事として試合の流れを見ることができ、成長が促される、という考えです。
この「振り返り」という手法は私がすごく大事にしている考え方で、私の学校での活用法を4つ紹介させてください。
①
ちょうど先日、教育実習生が学校に来ました。
模擬授業を参観し、その後アドバイスを求めてきたので、自分からは言わずにまずは振り返っていただきました。
「どうですか、やってみて、『これはうまくいったな~、良かったな~』って言うのは?」
と聴いたら私が思っていたことと同じだったので強く同意しながら、さらに具体的な場面を挙げて褒めました。
「逆に『ここもっとこうすればいいな~』と思ったことはありますか?」
と聴いたらこれも私が感じていたことが同じ。
「確かにそこ難しいですよね。言いすぎると思考の幅狭めちゃうし、でも言わないと指導したいことが伝わらないし」
と共感しながら、
「もっと生徒を待ってあげても良いと思いますよ。生徒の中で出た意見を取り上げて『あ、確かに量を調節しやすいから使いやすいね』って生徒の意見を活かす形にしても良いかも」
とアドバイスしました。
最後にさらに良い点をサンドウィッチ方式で褒めて終了。
授業以外の点も含めて苦労した過程や率直な感想も引き出すことができました。
②
夏以降になると、3年生の面接練習が始まります。
学校の方針で、3~4人1組程度のグループで、まとめて面接練習をしています。
それぞれの面接練習の運用は各担当の教員に一任されていますが、私は1人ずつ面接をした上で他の人に動画を撮影させています。
後で見返して自分を客観的に振り返ってもらうためです。
と同時に、見ている人から面接者の「良いところ」を1つ以上挙げるように指示しています。
見ている人に面接時の注意点を客観的に分析し意識するきっかけづくりとしてです。
面接者としても多様な視点と見られている意識により自身の振り返りの深まりが期待されます。
さらにその後、面接者自身にやってみての振り返りをさせます。
その観点を切り口に一緒に振り返っていき、今後の改善点を伝えていきます。
自ら問題意識を言語化することで、「自分事」として考えられると思います。
やる前は文句言っていて面倒くさがっていた生徒が、「もっと直す点ないですか、どうやったらAになりますか」とか「これこの期間に他の先生にお願いに行ってもいいんですか」とか積極的な姿勢を見せるようになりました。
③
今年から新たにやっているのが、「考査返却時の振り返り」です。
今までは出席番号順に並んでただ機械的に返していただけですが、それだと考査返却の50分を有効に使えないことが多かったです。
今年は1人ずつ廊下に呼び、「どうですか手ごたえは?何点ぐらい取れていると思う?」と聴いてから返します。
そして「ここケアレスミスでもったいなかったな~」とか「この大問だけ極端に悪かったけどどうした?」とか色々会話しながら考査勉強や解き方の振り返りをしていきます。
最後に2期への期待を伝えて教室に返します。
内向的な生徒や、無気力やいつも遊んでいる生徒も、例外なくみんなが本当によく喋ってくれます。
こんなに喋ってくれるとは思わなかったので嬉しい想定外でした。
3クラス行い、どれも12~13人でしたが、どれも返却に30分程度かかりました。
こんなにちゃんと喋ったのは初めて、という生徒も多く、本当にやって良かったなと思います。
後は紙にも振り返りを記入させて50分は終了。
一応返却待ちの時間は理科に関するクロスワードとか時間つぶしのものは用意しています。
④
自分は今年から卓球部の顧問です。
運動部の正顧問は初めて、しかも完全未経験の種目(というか全部そうなんですが)なので、正直不安でした。
私が大事にしていたのは「考える卓球」。
とにかく自分の課題意識と手ごたえを言語化させます。
練習初めのミーティングに立ち会うことができれば、「今日はどんなところを意識して練習しますか?」と1人ずつ聴いていきます。
私は必ずメモするようにしています。
練習終わりのミーティングでは「〇〇さんは□□を意識してやりたいということでしたが今日の練習振り返ってどうですか?」と1人ずつ聴いていきます。
そして次の練習への展望を示せるようにします。
練習ノートも少し考えましたが、提出物はだらしなく書くのは面倒くさい生徒が多いので、断念しました。とにかく喋らせてます。
本当はこれを生徒に司会させて私がいなくてもできるようにしたかったんですけどね~。
その成果かわかりませんが、練習試合に出かけたとき、セット間に生徒が自ら私の元に来て「強くはないんですけど、相手のツッツキに体勢崩されちゃいました」とか喋ってくれるようになりました。
その時に私が喋る言葉はただ1つ。「次のセットどうしたい?」
あと5個目に書くほどではないですが物理の授業が受講者1人でかなり試行錯誤しながら実験できるんですよね。生徒がいろいろ喋って思考を深めてくれるので、私は
「じゃあ実際に試してみよう」「なんで?」
とひたすら言う係に徹しています。
だいぶ自分の実践紹介が長くなってしまいましたが、本書ではコーチングの基本理論も詳しく書かれています。
選手への課題設定がカギを握っており、「選手が自分でコントロールすることが可能で、失敗してもやり直しがきくような課題を設定し、モチベーションを高めるような指導をする」とされています。
学校は失敗してもやり直しがきく場。
たくさん失敗させてモチベーションを高めたい。
それから実践時のポイントととして、「観察」の大切さをあげています。
学校に置き換えると、技術的な部分、性格、生活など、周囲のクラスメイトや同僚からそれとなく聞いて情報を集めることが大事だと思います。
とにかく少しでも耳に入った、目で見た情報は記録しています。
私はクラスの生徒全員分のエクセルファイルを作り、本人との会話内容や観察内容や周りの人からの情報などを箇条書きでつぎはぎして書き足していっています。
これで調査書で困ることはありません。
「選手の情報は、チームの共有財産だ。コーチが独占しておくべきものではない。」
とあります。先ほど述べた生徒情報のエクセルファイルは共有ファイルに入れて担副でペアを組んでいる先生にもいつでも見てくださいって伝えているし、とにかくペアの先生や学年主任の先生と生徒のことについてよく話しています。
今年はそれがしやすい環境で本当に良かった。