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北米エリアでの強みが業績を支えている:SUBARU第3四半期分析
さて、これまでトヨタ、ホンダ、日産、マツダ、スズキと分析してきました。
最後に分析するのはスバルです。
スバルは、元々富士重工業という会社名です。
2017年4月1日付で、社名を「株式会社SUBARU」(英文表記:SUBARU CORPORATION)に変更しています。
以下、スバルでお話をしていきます。
スバルは日本国内よりも北米エリアで圧倒的に売れている会社です。
20201年3Qにおいてもその傾向は変わりません。
第3四半期累積実績の所在地別のセグメント業績をみても明らかです。
2020年3月期3Qにおいてもその傾向は変わりません。いや、むしろ北米エリアでの売上に救われた決算といえるでしょう。
売上収益 日本 4,652億円、北米15,146億円
営業利益 日本23億円、北米 773億円
という結果で、北米エリアでの利益の積み重ねが効きました。
こちらをみても分かりますように利益を確保した結果になっています。
もちろん、減益になっています。営業利益△35.6%四半期利益前年比△32.7%、と30%以上の減益です。とはいえ、第1四半期においては大幅な減産を余儀なくされたでしょうから、利益を確保できただけでも上々の結果といえるでしょう。
スバルといえば、完成検査に関する不適切事案がたびたび発生し、物議をかもしました。
が、それでもファンな人は離れていないようです。
同じく不祥事があった日産とは対照的な結果です。
車に直接かかわる事案で考えるとかなり重大な事案だとは思うのですが、コアなファンにとって、購買行動に影響していないのかもしれません。
広いユーザー層を抱えている日産とコアなユーザー層を持つスバルとの違いは大きそうです。
財務健全性はどうでしょうか?
若干有利子負債が上昇していますが、D/Eレシオも0.19程度で許容範囲です。
健全性には余裕があり、赤字の決算でもなく利益を確保できたことで比較的余裕をもって経営が出来そうです。
とはいえ、アキレス腱も抱えています。こちら決算の質疑応答の内容です。
話題になっている半導体供給不足の影響を受けているだけでなく、コンテナ物流に不安を抱えていることが報告されています。
この点については、業界大手と比べて、分散調達することが出来にくい体質であることが明らかにされています。意外だったのはトヨタからのこうした物流網の援助や、半導体供給の手当てを受けていないという点ですね。
まぁ自社の製造で精いっぱいでしょうから、他社にまで回せない、というトヨタの事情もあるかもしれませんが、こうした点に、トヨタと連携するスズキ、スバルとの不安要素があるかもしれません。
いずれにしても、安定した部品供給体制の確保が、今後の持続的な成長のためには必要ですね。あとはEVについてはほとんど記述がみられず(今回の四半期では)、この辺りに不安視する材料もあるかもしれません。とはいえ、今回はそこまで深掘りできなかったので、もう少し時間をとってみてみようと思います。
いずれにしても北米エリアで強みを発揮しているスバルも、スズキと同様に底堅い業績であった、と総括できるでしょう。