「会計学研究の問題意識」を今一度考えてみる(2)
学問は何のためにあるのか?といえば、真理の追究という哲学的な答えよりも我々がより豊かに生きるためにある、と私自身は考えています。
色々な知識を得て、考察する力を手に入れることでより賢い意思決定(もっと言えば納得した状態での意思決定)が可能になると思っています。
真理の追究といえば、やはり哲学だと思います。
ですが、アリストテレスも人の倫理や幸福について触れています。そして、ラッセルもそうですね。
真理を得る先には何があるのか?といえばやはりそこには人の幸福を追求することにあります。
では、会計学はどうでしょうか?幸せのための会計学というのは成り立つのでしょうか?その答えはYesであり、Noであるでしょう。
会計学の研究において、おそらく今後より強く意識していくべきなのは、社会的な貢献(contribution)がどういったところにあるのか?ということなのだと思います。自戒を込めていうならば、そこまでの研究をしてきましたか?といえばNoです。
一部の研究が目立っていますが、経済学者の研究成果の90%以上が直接的な社会的貢献はしていないと思いますし、会計学の研究においてもおそらくそうでしょう。「研究」という分野において、本当の意味で社会に貢献している、何か物事が良い方向に進むためのエビデンスに繋がる成果をあげることが出来る、といえるものは本当に少なく、ごく一部でしょう。
そこまでの成果をあげられる研究者はおそらく限られていますし、全ての人に求めることはできないかもしれません。ですが、私自身もそうであるように、「そこ」を目指していく、「意識していく」ということがきっと必要なのだと思います。
そこへ行くための研鑽のためとしてより良いジャーナルに掲載する、という手段があるのではないかと感じています。
なお、関連するところでは大竹先生が以下のnoteに書かれていますね(かなり詳しく)。こちらも必見です。