私が個人事業主になったお話し。
勤務していたエアラインスクールが経営的に大変な状況となり、
唯一の正職員の先生だった私が解雇された。
以前から、理事長の方針についていけなくなっていて、そのうち退職しなければ、と思っていた矢先だった。
解雇された方が、失業保険もすぐに支給されるのでよかったのだが、そこから仕事探しが始まった。
英会話スクール
エアラインスクール
に面接に行き、どちらも「すぐにきてください」と言っていただいたが、それ意外の職種については、書類選考で落とされ面接さえ受けることができなかった。
人は、自分の人生を自分で選ぶことはできないんだな、と思った。
解雇されたことも私は望んでなかったし、スクール以外の仕事につくことも、私が望んだとしてもその通りには決していかなかったからだ。
エアラインスクールに面接に行った際、気づいたことがあった。
「高校への営業もお願いしたい」
「今までやっていたので大丈夫だと思います」
「航空会社の研修に行く前のマナー研修などしてほしい」
「それも、実際にやっていましたので大丈夫です」
「授業のカリキュラムは・・・」
「それも教務主任の時にやっていました」
「資料作成は・・・」
「それもやっていました」
と、質問されること全てを私が経験していたことに気づいた。
この時初めて、「もし私が生徒さんを集めることができたら、もしかすると自分でもスクールを始められるのかもしれない」と、思った。
まさか独立するなんて全く考えてもいなかったのだが、この面接が私の個人事業主としての一歩を踏み出すきっかけとなった。
ただ、不安しかない。
本当にやれるのか。
続けていけるのか。
お金も足りるのか。
そこで周りの個人事業主の人たちに話を聞いた。
と言っても、ピアノの先生とか、母が洋服店をしていたので、彼女たちに相談しただけだけど。
どちらも言ってくれたのは、「やってみないとわからない」「もしダメならやり直せばいいじゃない」
と言われた。
確かに、そうだ。
やってみなければわからない。
ダメならまた働きに出ればいい。
そんな単純なことさえ、気づいていなかった。
やっぱり、先を行っている人たちのアドバイスは的確だった。
そこで、私がスクールを辞めた時から自宅に遊びに来ていた生徒さん二人に聞いてみた。
「もし、私がスクールをやるとしたら、きますか。はっきり言っていいので、教えてください」
すると、二人が即答で「きます!」
と言ってくれた。
これで生徒二人を確保できた。
ただ、やることは山積みだ。
スタートはできたが、ここからが大変な道のりだった。
続く・・・
おまけ
フリーランスや個人事業主として、長い間税金を払い続けることは、決して簡単ではない。
もちろん、ほとんどの人はある程度覚悟をしてスタートしているはずなので、私がいうことではないのだけど、ある時期大変な思いをすることがその後につながっていくと思う。
私も手探りで始めたスクールだったから、さまざまなことに直面してきたが、その全てがスクールを長続きさせていくのに役立ったと思っている。
無駄なことは何もない。
覚悟して、精一杯やって、それでもダメなら会社員に戻る。
そんな選択もあるということが、一番のリスクヘッジだと思う。