2023年旅の締めくくりは、神戸、淡路島へ 5日目 淡路牛を味わい、地元の人たちの優しさと景色の美しさに泣いたら、思わぬハプニング
5日目は旅の最終日。
お天気もなんとか雨は降らなさそう。
今日は、伊弉諾神宮に行って伊丹空港に行こうか、という案は考えてみたが、
かなりの長時間移動になるし、昨日おのころ島神社には行っていたので、
次回にしようと思った。
おのころ島神社は、見た瞬間すぐに「ここは行かなきゃ」と思ったのだけど、
伊弉諾神宮はそうではなかった、という、単なる直感頼みのところは、自分でも
笑う。
朝は頂き物のクッキーと、ホテルキッチンにあるお味噌汁だけで済ませた。
キッチンをほぼ独占状態で、ひたすら本を読むか、noteの記事を書いていた。
客室だけではなく、こうした別の場所があるのは、本当にありがたい。
暖かくて、居心地が良くて、外の景色も見ることができる。
このようなホテルに泊まることができているのは、
マリオットボンボイカードを作ったおかげだ。
ただ、マリオットのカードを作る際は、実はかなり考えた。
年会費が高いので、果たして元は取れるんだろうか、と思ったからだ。
でも、世界一周の時だけでも役立ったらいいか、と最後は「今年だけ」というつもりで作ったのだけど、結局バリ島での10日間のホテル代は無料になったし、ここ淡路島の2泊分も無料で宿泊できた。
そのホテル代だけでも、十分に元はとっている。
そして、マリオットという外資系ホテルの考え方も好きだ。
日本三大ホテルといえば、帝国ホテル、ホテルニューオータニ、
ホテルオークラだが、日系ホテルはやはり外資系ホテルとは違う。
もちろん日系ホテルの良さもたくさんあるし、私があまり好まない部分もある。
結局は好みなのだけど、私は外資系ホテルの姿勢のほうがどうも好きなようだ。
その理由は全て平等ではなく、常に宿泊している顧客を大事にする姿勢や、
スタッフの人たちとの距離が近い点が好きなのだと思う。
まあ好き好きなので、やっぱり泊まってみて感じるしかないと思う。
朝食をスキップした分、ランチは「淡路牛」が食べられるレストランに開店と
同時に行くと決めていた。
昨日行った元鉄工所を改築して作ったカフェのお兄さんも、そこにお客として来ていた漁師さんも「あそこなら間違いない」と激推しだったお店だ。
歩くこと5分くらいで、到着した。
店内には、女性二人組が1組だけ。
私はカウンターに座った。
店主は60代くらい。お嬢さんらしき女性スタッフと二人で切り盛りしている。
メニューを見て、海鮮と悩んだが、やっぱり初志貫徹で「淡路牛」を頼んだ。
サラダが出てきた。女性スタッフが作っていたが、野菜は新鮮で、綺麗に盛られ、ドレッシングも美味しい。
そのうちに少しづつお客さんが増えてきた。
店の中央にある鉄板で焼いてくれ、焼き上がったものから順番にお皿に入れて
くれる。
そして一番最後に、「淡路産玉ねぎのステーキ」がドーンと乗せられる。
一口牛肉に、芥子入りの特製だれをつけて食べる。
牛肉の味、そして柔らかさで、良い牛肉だとわかる。
決してしつこくない、私にとってはちょうど良い脂の量が含まれていた。
淡路島玉ねぎは特産らしく、すごく大きいが甘い。
一つ一つ味わいながら食べていると、店主の男性が「どちらからですか」
と聞いてきた。
福良のひとたちは、本当に気さくに話しかけてくれるので、一人旅の私としては
ありがたい。
「福岡です」というと、「ああ、’ブラタモリ’(NHKのテレビ番組)でタモリさんがここに来てくれてから、福岡の人が同じルートで回ってますという人が多いですよ」と聞いた。
テレビがない私はその番組名は知っていても、このまだ発展途上ののどかな福良の街にあの有名人のタモリさんが来たとは全く知らなかった。
タモリさんも、福岡出身。
聞くところによれば、福岡から徳島まで飛行機で来て、そこから高速バスで1時間程度で淡路島福良に入れる。
渦潮も見ることができるし、(これも事前に私は何にもしらなかった)観光客も
夏場は多いらしいが、今はそこまで多くはなく、地元の人たちとの交流もできる
この南あわじに偶然来たのだけど、よかったな、と思った。
「昨日296ー5(カフェバーの名前)に行って、ここにランチに行くと行ったら、間違いない、って太鼓判押されました」とお店を褒めると、
「ああ、そうですか。ありがとうございます」と言った後、「そういえばあそこの人は、九州出身でしたよね」と、面識はないようだだが、狭い土地柄ゆえにどんな人が経営しているかは知っているらしい。
「熊本って言っていましたよ」と言い、カフェバーに来ていた漁師さんのことも
話すと、「ああ、○○さんね」と、地元の人同士知り合いだった。
ちなみに、296-5という店名は、「福良港」を数字にしたのだと、マスターから
聞いた、なかなかセンスがいい。
調べると福良は人口5000人足らずの街。
当然お互いを知っている確率が高い。
ましてやこの福良の中心地ならば尚更だろう。
こういう地域に住んだ経験は、一度しかないが、その土地でも私たち家族は
お客さん扱いされていた気がするので、決して馴染んでなかったし、
土地の人のこともほとんど知らないままだった。
むしろ、狭い社会を窮屈に感じたことの方が多かった。
ただ、ここでは詳しくはわからないが、距離感がみんな程よいように感じた。
飾らないし、観光か漁業で生計を立てている人たちが多いから、外に目が向い
ているのかもしれない。
偶然とは言え、良い街に来たな、と思った。
その後すぐ近くの道の駅で、昨日下見したお土産を買った。
海産物がほとんどだが、早速食べてみたワカメの佃煮がすごく美味しくて、
もう一つ買ってくればよかったと思った。
ホテルへ戻る途中、海を眺めながら歩いた。
あまりにも雲が美しく、形がさまざまで、お天気もよく、冬なのに寒すぎない
その光景全てに思わず涙ぐんでしまう。
美しさへの感謝。
穏やかな日々への感謝。
ここに来れたことへの感謝。
この偶然に感謝。
何一つ偶然はなくて、奇跡に思える。
今感じていることを、ずっと忘れずに生きていこうと思う。
今日のホテルスタッフは、外国人スタッフが多いように思った。
中国人観光客向けのようだったし、実際に中国人観光客も宿泊していた。
コーヒーとお茶をキッチンで入れ(飲み放題)部屋に持ち帰り、パッキングを
始めた。
良い旅だったな、と思いながら。
私はできる限り「初めて」の場所に行きたい派だ。
だから旅先のリピートはほぼしないが、ここは家族と一緒に来てもいいな、
と思った。
春と秋が大きな渦潮が見れるらしいので、おすすめです。
マリオットのエリートメンバーなので、レイトチェックアウトが適用され、
16時チェックアウトだが、14時に出た。
バスを乗り継いで伊丹空港に早めに行こうと思ったからだ。
空港ラウンジが使えるステータスに上がり、空港でゆっくりできるからだ。
バス乗り場で、乗車券を買おうと窓口のおじさんに聞くと、乗り継ぎを調べてくれて、私はすでにわかっていたのだけど、丁寧に教えてくれる。
ここに来てから、嫌な感じの人に会ってないな、みんな親切だよな、と思う。
そして、バスに乗り込むと、そのおじさんが知り合いであろう運転手さんに
「このお客さん、一宮で乗り換えだから」とわざわざ言ってくれた。
「ありがとうございます」とバス車内からお礼を言った。
バスの乗り換えも無事にでき、少々遅れて伊丹空港に到着した。
現金がほぼなくなったので、お金を下ろしたかったが、私の求める銀行のATMは
ざっとみても見当たらず、カードで乗り切れるものだけで行こう、と決め2階に
上がると「たこ焼きや」がある。
ここで食べていこうか、と思っていると、私の前の中年女性客の人が
「ラウンジに持って行きます」と言っているのを聞いて、「あ、じゃあ私も」
と思って、カードで支払い、ラウンジに持ち込んだ。
コロナの頃は、持ち込み飲食ができなかったと思うが、今は持ち込みができた。
伊丹空港のラウンジは初めてだったが、やはりビジネスマンが多く、みんな
パソコンに向かっている。
私はのんびりオレンジジュースをとって、たこ焼きを味わって食べた。
その後もドリンクを数杯飲んで、置いてあったあられも食べ、
この旅の記録も書けた。
途中アナウンスが流れ、私の乗る飛行機が到着遅れで出発が15分ほど
遅れるという。
この日は寒波到来で、いろんな地域で雪が降っているから、それも仕方がない、と思った。
出発時刻はあらためて知らせてくれるということで、ここではアナウンスが
ちゃんと流れるので安心していた。
だんだんと出発客がいなくなり、気づけば私しかいなくなっていたのだが、
それにさえ気づいていなかった。
するとグランドスタッフの人が、「お客様そろそろゲートに行かれますか」
と伝えに来てくれた。
私は、まずいと思って、慌ててロッカーに預けていた荷物を取り、
「何番ゲートですか」と聞きながら走ろうとすると、
「このエレベーターで下に降りたらすぐ目の前がゲートです。まだ大丈夫でよ」
と教えてくれた。
確かにゲートに行っても、まだボーデイングは始まっていなかった。
手荷物検査場、ゲートまでの距離、全てがラウンジ利用のお客さんにはとても
優しい。
ラウンジのありがたさをつくづく思い知った。
飛行機に乗り込み、実は私が間違って席に座っていたり、離陸後福岡空港に
到着する便が殺到していて、(おそらく今まで天候不良で遅れていた飛行機が、次々に到着をしているようだった)着陸の順番が10番目であることを知らされたり、と最後の最後まで色々あった。
飛行機の遅れで一番心配だったのは、「福岡空港の運用時間」だった。
以前の客室乗務員という仕事柄、各空港の運用時間に間に合わなければ、
飛行機は引き返すしかなくなることを知っていたからだ。
予定では、21:30に着陸予定だったが、遅れれば22時という、福岡空港の
運用時間に引っかかってしまう。
心配をしていると、その心配を察知したかのように、キャプテンアナウンスが
入った。
「福岡空港の運用時間が22:30まで延長されましたので、ご安心ください」と。
それでも、出発が遅れ、さらに着陸が遅れれば結構ギリギリだと思っていたら、
着陸は22:20だった。
キャプテンたちはこの運用時間に間に合うように、管制官とコンタクトはとっていたと思うが、よかった。
最後までドタバタの4泊5日の旅だったが、やっぱり行ってよかった。
今まで「行かなきゃよかった」と思った旅は、一度もないが、今回もそうだった。
いつまでも旅をしていたい、と心から思う。
来年も国内外の旅に出られるよう、体調とお金管理をして行きます。
いつも旅のエッセイをご覧いただいている皆様、ありがとうございます!