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2024年最も読まれた記事の裏側(ネタバレ含む)・第1位


今年の1位は、私の予想通りでした。
時々ダッシュボードからアクセス解析を見るのですが、するとかなり前に書いた記事なのに、アクセスが多かった記事順に並ぶ中にいて、存在感を示していたのがこの記事でした。

この記事の裏側は、この記事には一切書いていませんので、ここで初めて公開することとなります。

この記事は、2023年の世界一周の旅の途中で出会った、インドネシア・バリ島のおじさん三人組の話です。
と言っても、私は彼らの目の前にあるビーチ近くのレストランで早めの夕食を終え、ドリンクを飲んでいたときにこの3人を見かけ、その様子がすごく印象に残っていたのです。

3人は実はライドバイクのドライバーで、お揃いの上着を着ていました。
少しくすんだオレンジ色の夕日が落ち始める頃、1人のおじさんがバイクを脇に停めてタバコを吸いながら休憩をしていると、もう1人がやってきて、さらにもう1人がやってきました。同じように3人でタバコを吸っておしゃべりをしています。
待ち合わせたわけではなく、すぐ近くにあるビーチハウスにたまたま3人は観光客を送ってきたようでした。これは完全なる偶然に見えました。
タバコ休憩が終わっても、なかなかおじさんたちは道路脇に中腰で座っている腰を上げません。
元々から同じ会社で働く3人は、仲が良いのでしょう。そんな3人が、こんな偶然で出会ったら話は弾むでしょう。

以前の私なら、「サボってないで早く仕事に戻ったらいいのに」と思ったのでしょうが、このときの私には「仕事よりもこうして気の合う仲間と話をすることのほうが、ずっと大事」と思えるようになっていたのです。

3人のおじさんにとっては、いつも通りの行動であり、普段の生活の一部だったのでしょう。それを見ていた私は、自分の中の変化を見つけた瞬間でもありました。
その発見はとても嬉しく、そして彼らの生き方から学ぶことがあると思ったのです。

やがてこの3人のおじさんたちは、1人は観光客を乗せ、1人は観光客を乗せずにバイクで走り去って行きました。少し遅れて最後の1人のおじさんが、重そうな腰を上げてバイクで1人走り去って行きました。これからまた仕事に戻るのでしょうが、ふと訪れた偶然の時間で彼らは十分にエネルギーチャージができたように見えました。

何も考えず、時間にも追われず、ぼーっと周辺の景色を見ていると、普段見落としているであろうことに気づきます。あの3人のおじさんを見ていたシーンは、私の脳裏に焼き付いています。
これが一人旅の良さです。何気ない光景から、自分自身と会話し、つながる。
その瞬間は、私だけしか知らない、私にしか見えなかったものだと思います。
それを文字にしたのが、この第1位の記事でした。

もちろん書いたときは、これが年間1位を取るなんて全く予想もしていなかったのですが、皆さんが共感するものが何かしらあったのだと思います。
「スキ」の数は、第2位、第3位の記事のほうがずっと多いので、もしかすると「タイトルが良かった」のかもしれません。タイトルにつられて読んでみたら、中身は大したことがなかったのかもしれない、と分析しています。
ただ、タイトルだけでも共感していただいたことは、大変嬉しく、あのとき感じたことはこうして公開されるべき物語に「昇華」したのだと思います。
「無駄なことは何もない」
どんなにぼんやり過ごしているように思えても、その日常生活の中には何らかの気づきがあり、メッセージがある。それを教えてくれるのが、一人旅です。

今年1年間365日書き続けた自分を褒めると共に、年間20.4万回も読んでくださったことに、心から感謝しております。

写真は、このおじさんたちを見かけたすぐ近くの場所を撮影したものです。

2024年最も読まれた記事第1位はこちらです。


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Hiromi.U
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