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高校講演で気づいた、2つのこと


先日久しぶりの高校講演に行き、気づいたことが2つあった。
高校講演は、途中ブランクがありながらも、既に25年以上続けているので今更気づくことなんてないだろう、と思うかもしれないが、時代は変化し、世代は変わる。
だからこそ、久しぶりに行く高校講演はどんな感じだろうと、楽しみだった。

そして気づいたことその1は

「デジタルネイティブ世代は、住む場所に関係なく、情報社会に生きている」
ということだ。

つまり地方と都会の差が、インターネットのおかげで、なくなっているのだ。
私が今回行った高校は、バスが1日に3本くらいしか走っていない、本当に「田舎」だ。
自然に恵まれ空気もいいが、生活に車は欠かせず、人とすれ違うこともほぼない。
そのような場所で生まれ育った高校生たちは、純粋さはピカイチだ。
その上自然と情報を取り入れ育っているので、高校生ゆえに知らないことはあっても、地方出身者ゆえに知らないことは、ほとんどないように感じた。

「chatGPT使ったことある人?」
と聞くと50名1名の男子生徒が手を挙げた。
それを後ろで聞いていた、先生の方が驚いていたくらいだ。

居住地差より、年代差の方が違いは大きい。

もう一つ気づいたことは、「高校生は立派な大人」ということだ。

四コマ違う内容の講演を担当したが、そのうちの一つに「履歴書の書き方」があり、志望動機を書いてもらった。

ただ2年生と3年生の混合クラスだったため、さすがにまだ2年生は自分がどんな職種に向いているのか、どういう仕事に就いたら良いのかがまだわからない人が多かった。
その「キャリア相談」に乗るのが私は一番好きなのだが、話を聞いていると一人一人ちゃんと意思を持ち、考えを持っていることがわかる。

ある伝統工芸の人の話を聞いたことがきっかけで「弟子入り」しようと思っている男子生徒もいれば、「僕は仕事は辛いことをしてお金を得るものだと思っている。だから安定的な企業に就職したい」と言う男子生徒もいた。

ある女子生徒は「ファッションが好き」と言うので、「じゃあアパレル販売員ってことだね?」と聞くと「いや、接客はちょっと、、」と言うので、「もし服を作るとなると専門学校や短大に行って勉強しないと、なかなか就職はないかも」と言うと困った顔をしたので「でも好きなファッションのアドバイスをしてお客さんが綺麗になっていくのを見るのはどう?」と聞くと「それなら良いかも」
と言う話にもなった。

かと思えばある男子生徒は、「やりたいことはないし何に向いてるかもわからない」
「何に向いてると思いますか」
と初対面の私に聞いてくる。

とても社交的で物おじせず、人と接する仕事の方がいいだろうなと思って、営業や販売と言うアドバイスをすると、嬉しそうだった。

高校生とはいえ、17歳くらいになると自分の考えを持ち、人生をしっかりと捉えている。
それは一人一人の個性の表れであり、それをひたすら伸ばして欲しいと心から思う。

私はひたすら彼らの話を聞き、その希望の実現に役立つことを伝える。ただそれだけの時間が、私にとってとても楽しいし、不思議と癒される。

高校生を1人の大人として対等に対峙できたことで「高校生は立派な大人だ」
と思えた。

最後に

若い人たちのポテンシャルは、本当に素晴らしいといつも思う。
ただ願うことは「言語力」「表現力」を身につけて社会に出て欲しいと言うことだ。
表現力を持っていれば人と接することも嫌ではなくなる。
分かり合える人が増えれば、お互いに助け合える。
刺激も受ける。

それさえ身につけて卒業できたら、あとはどんどん社会に飛び出して欲しい。
自分の幸せのために。
自分が喜ぶことを最大限やって欲しい。

そう思いながら、高校を後にした。


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Hiromi  U.
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