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本物のポジテイブ思考


ポジテイブ思考、と言う言葉が流行し始めて随分経過している。
ポジテイブに考える、何事も良い方向に考える、と言うのは確かに良いことだ。

ただ、「無理やりポジテイブ」には私は抵抗がある。

何かに挑戦して、失敗したら「私には向いていないんだ」とすぐに切り替える。

誰かに怒られたら、「お知らせいただきありがとうございます」という。

などが、無理やりポジテイブだと思っている。

何かに挑戦して、一度の失敗で「向いていない」と判断していたら、ずっと自分に向いているものなんて、わからないんじゃないか、と思う。

それよりも、失敗しても、うまくいかなくても、それでもやりたいと思うかどうか、が本当に向いているかどうかなのだと思う。

ある小説家の方が、小説家として長く続く人は、一作二作書いて終わるのではなく、どんな時でも書き続けられるかどうか、だと言っていて、他の小説家の方も同じようなことを言っていた。

その作品が売れるかどうかよりも、書き続けられるかどうかが、自分に向いているかどうかと言うことなのだと思う。

さらに、誰かに怒られたらお知らせいただき、ありがとうございます、という考えは、ちょっと順序が違うと思う。

客室乗務員時代に、教官のクレーム応対を見たくて、用事を作ってその先輩とお客さまのそばを何度も歩いてみたことがあるが、

「お知らせいただき、ありがとうございます」

と言うことは、お客さまの怒りが収まり、お客さまへの問題解決ができた後、一番最後に伝えていて、「今後とも私ども○○○をどうぞよろしくお願い申し上げます」と言って、45度のお辞儀(最敬礼)をしていたのをみて、その対応の素晴らしさと、お客さまの怒りが完全に無くなり、満足感に溢れた顔をみて、鳥肌が立ったのを覚えている。
これこそ、完璧なクレーム応対だ、と思ったのだ。
(クレーム処理と言う言葉は、決して客室乗務員は使わないはずだ)


つまり、怒られたら迷惑をかけたことへの謝罪が先で、お礼しか言わないというのには、接客する側としても、お客の立場としても違和感しかない。

では、本物のポジテイブ思考とはどのようなものなのか?

私が勝手に思うポジテイブ思考とは、
「持っているものに目を向け、感謝する」
「何とかする」
「絶対にできると信じる」
「失敗からも学ぶ」
「マイナス状況をプラス状況に変える」


と言うことだと思っている。

自分はこれが苦手だ、これができない、環境に恵まれていない、と愚痴を言う暇があれば、今持っている、健康体とか、時間があるとか、体力があるとか、友達が多いとか、持っているものを最大限活かすことを考えた方がいい、と言う考えだ。

何とかする、のは諦めない。
どんなに追い詰められた状況でも、最後まで諦めず、頭と体を使って挑戦し続ける。

そして失敗を失敗と思わず、経験と思い、学ぶ。
失敗から学べるのは、自分の癖と考え方と傾向だ。
それを知っていれば、次の失敗が防げる。

最後に怒りまくっているお客様を最後は笑顔にすることができる力。
これこそ本物のポジテイブだと思う。

考え方一つで簡単に状況が変化するのではなく、考え方によってネガテイブな状況に立ち向かう気持ちが強いものに変化し、ネガテイブな状況をポジテイブに変えられること。

これこそが、本物のポジテイブだと思っている。


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Hiromi  U.
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