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2024年最も読まれた記事の裏側 第2位
旅が大好きだ。
父の仕事の都合で転校が多かった幼少期を過ごしたからなのか、やがてアメリカ留学、そして移動を伴う客室乗務員の仕事に就き、念願だった世界一周の旅にも行き、現在では毎月のようにどこかに旅をしている。
旅と言っても私の場合、ほとんどが一人旅だ。一人旅を好む理由は、わがままだから。
わがままだから人に合わせるということができない。いや、せっかくお金と時間をかけて楽しみにしている旅を、人に合わせるということをしたくないのだと思っている。
旅に出れば、知らない世界を知ることができ、非日常に身を置くことができる。根底には飽きっぽい性格があるのだろう。
旅の記録を残すことは、noteを始めるまで全く興味がなかったが、今では旅先で毎日その日のことを書き留めnoteにアップしている。
2024年最も読まれた記事第2位は、そんな旅記事だったらしい。旅をしながら書く生き方をしたい私にとって、これはとても嬉しい結果だった。
この時の旅は、「移住先を見つけるための視察」だった。すでに知り合いがたくさんいて、移住先としては最適だと思っていた国へ向かう気持ちは、「まるで恋をしているかのようだった」と書いている。
初めての国を訪問するときの高揚感は、たまらないし、やめられない。多分アドレナリンが相当出ているのだと思う。
そして、日本とは違う景色や言葉に囲まれながらも、日本食レストランが豊富にあり、そこかしこで日本語が聞こえ、日本人の知人たちに会う。
日本を感じながら、海外旅行を味わう。アメリカやヨーロッパでは決して味わえない感覚だ。
ましてや「旅」ではなく、「住む」という視点で見たとき、どう感じるのか、便利はいいのか、毎日ここで過ごしていいのかを問いかけながら5日間を過ごしていた。
結果的には、住む場所としては合格。あくまでも私の感覚だが、住めるなと思った。ただ、実際に住むかどうかはまた別問題だ。結局帰国後一旦移住はお預けとした。
しかし、今でもその候補として頭の中に残っている。
5日間で最も印象に残っているのは、「コンドミニアム見学」だった。この機会は、知り合いの不動産会社の社長のご厚意とタイミングによって実現したのだが、圧巻というしかなかった。
日本の完全なる負けだ。
いや、日本にもこのくらいのタワーマンションはあるだろう。しかし、その規模感、施設の充実度に対しての家賃が安すぎるのだ。土地代が安いのか、人件費が安いのか、それら全てなのか、同じ家賃で東京だと、せいぜい30平米のテラス付きくらいだろうが、この3棟が同じ敷地にあるコンドミニアムにはプールがそれぞれにあり、共有できる。ジムも、コワーキングスペースも、パーテイルームも、だ。そう、日本の家とは全く違う概念で作られていて、完全に欧米の考え方と規模が採用されているのだ。住まいに関しては、完全に日本人は「こんなもんだろう」と思い込まされて住んでいるが、世界にはもっともっと自分が心地良く過ごせる街があるとわかったことは、とても良い経験だった。
思えば、40年ほど前にアメリカ留学した際、普通の戸建てのホストファミリーの家に、ランドリールームがあり、洗濯乾燥機、大きなオーブン、食器洗い機があったことに衝撃を受けたのと同じかもしれない。友人の家の車庫は、すでにその頃から車内にいながらリモコンで車庫の扉が開いていたし、技術開発には自信があるはずの日本が、生活面においてかなり遅れていると感じたことと近い感覚だった。
今いる環境が全てではない、という、価値観を崩壊させられた5日間の旅の1日目を書いた記事はこちらです。
知らないということを知る旅に出かける私の好奇心は、まだまだなくなりそうもない。
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