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嚥下(えんげ)しやすくするための調理法

 嚥下(えんげ)しやすくするための調理法

食材別の調理方法をご紹介します。
食材の切り方や切る大きさ、加熱方法や加熱時間、調味料の使い方を工夫することで食べやすくすることができます。それぞれについてみていきましょう。

魚介類

●焼き魚
脂肪または水分が多い魚(かれい、ひらめ、きんめだい、たちうお、銀だら、ぶり等)は、加熱してもやわらかさがあるため食べやすい。
加熱により身が硬くなったりぱさつくもの(かつお、かじき、まぐろ、さけ等)は、食べにくいため、マヨネーズ、タルタルソースなどを利用したり、ほぐして片栗粉などでとろみをつける、ホイルに包んで蒸し焼きなどにするとしっとりとして食べやすくなる。

●刺身
筋の少ないまぐろの赤身、トロ、ほたての貝柱、甘えびなどが食べやすい。
いかは噛み切るのが難しいが、細かく隠し包丁を入れて小さな一口大に切ると食べやすい。

●煮魚
煮汁にとろみをつける。(煮上がってから魚を取りだし、煮汁をあんにする)

魚の缶詰は、しっかり味がついていてやわらかく加工されており、骨ごと食べられるものが多いためおすすめ!

肉類

●薄切り肉
脂身の少ない赤身よりバラ肉の方が、脂がほどよく溶け出し食べやすい。
片栗粉をつけて茹でると、肉が透明のゼリーで覆われたようになり飲み込みやすく、また肉の風味が閉じ込められておいしさが逃げない。

●ひき肉
そのまま加熱するとボロボロ小さくかたまってしまうため、片栗粉や卵などのつなぎを入れてよく練る。ハンバーグは、焼くより蒸したりソースで煮込む方が食べやすい。

レトルト肉団子はあらかじめ味がついており、ソースにとろみもあるので飲み込みやすい。

肉を軟らかくするポイント

★筋を切り、切り目を入れる・・・
加熱によって筋が収縮してしまうので、断ち切るようにあらかじめ包丁で切り目を入れておく。そして更に切り目を入れておくと噛み切りやすくなる
★たたくー包丁の刃の反対側でたたいたり、専用の肉たたき器でたたいてやわらかくする
★蒸したり長時間煮込むことで軟らかくする

半熟状が食べやすく消化にもよい。
火を通し過ぎるとかたくなる。

穀類

●ごはん
水を多めにして軟らかめに炊いたり、おかゆにする。 一口サイズのおにぎりにしておくと食べやすい。

●パン(耳はやわらかくなりにくいため除き、やわらかい部分を利用)
食パンやフランスパンを牛乳やポタージュスープなどでやわらかく煮る。 焼いたトーストは、ミルクティーなどの飲み物に浸すと適度にやわらかくなり食べやすい。

●めん
歯ぐきや舌でつぶせるくらいに軟らかくゆでる。 長いと食べにくいので、食べられる長さに切る。 つゆにとろみをつけると誤嚥防止になる。
いも
ゆっくり煮込んで自然なとろみをつける。
皮つきのまま加熱し、温かいうちにつぶし味つけをする。
ほくほくした芋はのどにつまらせる危険性があるため、牛乳、スープなどの水分を含ませると食べやすい。

果物

そのまま食べられるもの・・・バナナ、いちご、メロン、もも、キウイ、びわ
りんごやなしなどは、砂糖と煮たり焼いたりして加熱するとやわらかくなる。ももの缶詰などは、ヨーグルトとあえてもおいしい。

野菜

●葉野菜
繊維を断つように切り、やわらかくするために十分ゆでる。

●根菜類
皮を厚めにむく、面取り、隠し包丁を入れるなどして、食べやすいやわらかさに煮る。
煮汁にとろみをつける。

●生野菜
キャベツなどは、短めのせん切りにしてマヨネーズやごまドレッシングなどで和える。トマトのような皮がかたいものは皮をむいて使う
【食べやすい切り方】
★きゅうりーささ切りにしてからせん切りやみじん切りに
★ほうれんそう・白菜・小松菜などータテに繊維が通っているので、それを断ち切るように切る
★ピーマンー丸くなるように切ると繊維が切れる
★玉ねぎ・大根ー繊維を断つように切る
★アスパラやいんげんー斜め薄切り
★にんじんー薄くいちょう切り
★きのこ類ー繊維を断ち切るようにそぎ切りの薄切り

簡単にふれてきましたが、さらに個人に合わせた調理方法が必要になります。箸がうまく使えない場合は一口大に切ったり食材にでこぼこや切り目を入れてつかみやすくする、噛む力が弱く硬いものが食べられないときは、食材を薄く短く切る、口に入ったものが噛めないときは、すりつぶしたり細かくした食材をやわらかく煮てとろみをつけるなど工夫してみましょう。


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