血液型性格判断と心理学と統計学(2002・大学入試センター試験・本試験・現代社会)

文学部にいたとき、「心理学実験」という講義を受講していました。
実習課題のひとつに、血液型性格判断に関するものがありました。
・「はい」「いいえ」で答える性格判断が50問くらい用意されたプリントを配布
・その性格判断プリントをコピーして、身の回りの人に答えてもらう
・回答に性別と血液型をそえたデータを入力し、その講義の受講者全員で共有する
・集まった数百人ぶんの回答データをSAS(統計ソフト)で分析した結果をレポートとして提出
(今ならネットでデータ集めるんでしょうね)

僕が提出したレポートの内容は
「このデータからは血液型と性格判断の回答に相関はみられない。血液型と性別で8つの区分にすると相関が少し強くなる」
という結果でした。
たしかその担当教授の所属は「大学入試センター」でした。大学入試センターは試験を実施するだけではなく、統計分析を行う部門もあります。

心理学というと夢判断みたいなものを想像するかもしれませんが、学問としての心理学はその多くが統計学です。調査して分析して、その妥当性を数字で議論します。

【解答】 
正解:選択肢3「血液型性格判断には、もともと血液型に関係なく多くの人に当てはまるような記述が多いので、自分の性格が言い当てられたように感じやすい。」

・選択肢1「血液型性格判断が『当たっている』と感じる人が占める割合からいって、人の性格の6割程度は血液型から理解することができると考えられる。」
・選択肢2「血液型性格判断の『本物』と『偽物』とを比較すると、『本物』のほうが、血液型ごとの性格をよりよく言い当てていると考えられる。」
・選択肢4「血液型性格判断が『当たっている』と感じる人が多いのは、その性格記述が血液型による性格の違いをよく言い当てているからである。」
→いずれも誤り。「本物」「偽物」どちらの性格判断でも「当たっている/当たっていない」の割合に大きな差がないため。

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