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【靖国問題(高橋哲哉)】うえこーの書評#26

今まで靖国問題が具体的に何が問題であるか知らなかった.

先の戦争の戦犯の方々が祀られているから,首相が参拝をするとなれば彼らを正当化してしまうことになり,そのことが他国から非難を受けていることまでは理解していた.しかし,靖国問題は思った以上に根の深い問題だった.

靖国神社は戦争で死んだ人だけでなく,日本国内での戦いで亡くなった方も祀られている.しかし,誰が祀られるか祀られないかは国家の意思が大きく関わっている.国家の味方として戦ったものは祀られているが,国家に反逆したものは日本人といえど祀られていない.

逆に日本に貢献した朝鮮人の方が祀られていたりする.しかし,それにも問題がある.彼ら彼女らの子孫が靖国神社で祀らないでほしいといっても聞き入れてもらえないらしい.人間ひとりひとりに向き合わず,国家としての体裁の方を優先することに意味はあるのだろうか.

この本によれば,靖国神社はもともと国のために自ら死ねる国民を作るため建てられたらしい.靖国神社に祀られるということが名誉だと国民を扇動し,その結果,兵隊には戦死が素晴らしいものだと認識させ,そして遺族も靖国神社で祀られるのだからと喜ぶようになった.

このような国民の意思,そして命を蔑ろにしてきた歴史が靖国神社にあるということをまずは知っていてほしい.


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