「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスの社長が書いた本。
お金に対する著者自身の考えが述べられており、お金の理解が深まる本である。ただ、タイトルにもあるとおり、お金の話が一番大事なのではない。より大事なことがこの本では書かれている。
投資家といえば、一般的にお金に執着している印象がある。確かに、まとまったお金がないと投資では儲けが出ないので、お金は重要だ。しかし、明らかに著者は私たち一般人より、お金に執着はない。
逆に、私のような一般的な日本人の方がお金に執着している。
日本人がお金に良いイメージを持たないのは、「清貧の思想」の間違った理解にも由来する。
このような日本人マインドがある中、私たちは清豊を目指すべきだと述べる。
お金稼ぎをやらしいものとは考えない。お金稼ぎを通していかにして社会に貢献するべきかが大事なのだ。
日本人のマインドの問題は他にもある。
実際、政治家が子ども食堂の見学に行ったニュースに、「政治家は子ども食堂のような活動をしなくても済むような社会にするべきだ」という批判を見たことがある。たしかに、国の政策に不備があることは否めない。この国には国のセーフネットでは救うことのできない人が多く存在し、そのような人たちを救うために国が動くべきという考えは同意だ。しかし、だからといって、子ども食堂の活動を否定するべきではないし、政治家が子ども食堂を視察することを批判するのはまた別問題である。民間の活動だからこそできる政策というものもあるし、国の税収が少なくなる中、国ができることにも限界がある。
国にだけ、パブリックな政策を任せるのではなく、民間と国が二人三脚で取り組んだ方がより問題解決に近づくだろう。