【統治二論(ジョン・ロック/加藤節訳)】うえこーの書評#36
前半部分はフィルマーに対するロックの反論だが,そもそも政治の形態を聖書を基に考えるところが西洋人らしい.
後半の所有権も人間に存在するという議論も西洋的.自然物を労働によって得るとそれはその労働した人の所有物となるらしいが,日本だと所有というよりは借りるという感覚に近いのではないか.
読者の異議に対するロックの心構えが現在にも通用するものだった.
第一に,私の論稿の表現や些細な付帯事項についてあれこれと揚げ足取りをしても,それは,なんら私の書物への回答にはならないこと.
第二に,私は,常に,要点に良心的な配慮を払い,十分な根拠をもって自らの疑念を示していると思われる人には満足のいくように答える義務を負っているとみなしているとはいえ,悪口雑言は議論ではなく,揚げ足取りや悪口雑言は顧みるに値しないと考えていること.(p.20)
一応書評としてまとめてみたのはいいものの正直,全体の1.2割程度しかわかっていない.何年後かに読み返すことになるだろう.
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