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【本をどう読むか(岸見一郎)】うえこーの書評#69

 アドラー心理学の専門家である岸見さんの読書論。私の意見と同じ部分が多く、読んでいる途中テンションがとても上がった。

自分では読まない本を買っておくことも有用かもしれません。自分では読まなくても、いつか誰かが読む可能性があるからです。(p.75)
 高校時代の担任の先生が、研究者というのはもしも今何かの本が必要になった時に直ちにそれを自分の書棚から見つけることができないといけないといっていたことに驚いたことがあります。今はそれはあながち誇張ではないような気がします。(p.96)

 たしかに「あの本が読みたい」と思っても、図書館にしかなかったりすると読むのが面倒になるので、本は極力手元に置いておきたい。

 さしあたって読まない本、あるいは、もう読んでしまったので再読することは当面はないと思っている本でも人に貸さないのがいいでしょう。貸したことを忘れてしまうのも問題ですが、いつその本が必要になるかはわからないからです。(p.109)
 他方、誰かに自分が読んでよかった本を薦め誰かに貸す時には、返ってこないことがありうることを前提にしなければなりません。いっそ進呈した方がいいくらいです。(p.110)

 人に本を貸さない方が良いという意見は意外だったが、理由を見て納得した。岸見さんも返ってこなかった本がたくさんあるのだろう。

 最近は電子書籍を読むことが多くなりました。電子書籍は置き場がいらないのでありがたいのですが、私にとって問題は、買ったことを忘れてしまうということです。目に見えるところに本がないと、買ったことを忘れることがあるのです。(p.147)
 電子書籍の欠点は一覧性に欠けるところです。電子書籍でもまったくできないわけではないのですが、本をパラパラめくって、読みたいページにたどり着くのは容易ではありません。
 分厚い本を読むと次第に残りページ数が少なくなってくることが嬉しくなります。読み終わるのが残念だと思うこともあります。その時には本を支える右手と左手への重みが違ってきます。電子書籍にはその感覚がありません。
 もう後少しで読み終わるという快感はありませんし、ページ番号ではなく何パーセントと表示されていても電子書籍では一向に本を読み進んだという感覚をもつことができません。(p.150)

 電子書籍の欠点は全てにおいて同意。いまだに私は電子書籍に手が出せないでいる。

 師から受けたものを師に返すことはできません。同じように、子どもは親から受けたものを親に返すことはできません。これまで多くの人から受けてきたものを、親ではなく自分の子どもに、次代を担う若い人に、あるいは社会に返していくしかないのです。(p.163)

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